アメリカのメタルコア・バンド、通算7作目。
『DARKBLOOM』(2022年)以来、約3年ぶりのアルバムです。
カイル・パヴォーン<Clean Vo/Key>の他界を2018年8月25日にバンドが公式発表。
『ALL IS BEAUTIFUL…BECAUSE WE’RE DOOMED』は下記ラインナップによる2作目となります。
- デイヴィッド・スティーヴンス<Vo>
- ジョシュア・ムーア<G>
- ブライアン“ルー”コットン<G>
- アンディ・グラス<B>
- デイヴィッド・パケット<Ds>
『DARKBLOOM』に引き続き、『ALL IS BEAUTIFUL…BECAUSE WE’RE DOOMED』も良作。
記事では『DARKBLOOM』についても触れています。
『ALL IS BEAUTIFUL…BECAUSE WE’RE DOOMED』のレビュー
アルバム・タイトルの前半が曲名の刺激的なイントロ「ALL IS BEAUTIFUL…」で幕を開け、2曲目に先行公開曲「bad luck」が来るという構成。
「bad luck」は親しみのあるキャッチーな歌から始まり、サビでは切ないメロディが舞います。
どちらもすばらしいメロディ。
「bad luck」は単独で先行公開されていましたが、「ALL IS BEAUTIFUL…」の後に始まるほうがいいですね。
しかもつながる形ではなく、無音状態を置いてのスタートが意外かつ効果的です。
「lake of fire」は冷酷なギターがかっこいい。
スクリーム中心で進み、サビでは安堵感のあるクリーンVoが展開します。
中盤~後半は「where did you go?」「no rest for the dreamer」「b2tm」の3連発がおすすめ。
「where did you go?」は浮遊感のある中、スリムなクリーンVoが舞い、サビでは曲名を伸ばした美メロディが進行。
1回目のサビが終わった後にスクリームの「go」をエコーさせる01:26~もいいアレンジです。
「no rest for the dreamer」はスクリーム中心でアグレッシヴに進み、サビではクリーンVoも前面に出て躍動感のある高品質なメロディが繰り広げられます。
サビ前にいったん引く00:48~もうまいですね。
パワフルで勇壮な「b2tm」は00:04~のけいれんや一瞬女性Voが前面に出る00:49~など、細かい仕掛けがナイス。
02:15あたりからちょこっと躍動感を加えるのもいいアレンジです。
あとはラスト2曲。
「so lost (burning flowers)」はゴリゴリした中、切迫感のあるスクリームで進み、サビでは「no rest for the dreamer」に通じるメロディが展開します。
アルバム・タイトルの後半が曲名のラスト「BECAUSE WE’RE DOOMED」は「ALL IS BEAUTIFUL…」と同じくインストかと思ったら、Vo入り。
子供の声を効果的に取り入れ、スクリーム多めで展開します。
「ALL IS BEAUTIFUL…」「bad luck」の逆構成を想像しがちですが、これも「ALL IS BEAUTIFUL…」「bad luck」に間隔を置くアプローチと同様、いいフェイントとなっています。
『DARKBLOOM』(2022年)
キーボードは生前のカイルの音源が使われています。
6曲目「One More Day」までは全てがすばらしいです。
「Darkbloom」はアンドロイドのような声と共に本編に突入。
重厚でアグレッシヴで疾走パートもうまく組み込み、サビではスローになってキャッチーでダイナミックなメロディが展開します。
「Plagued」はジリジリしたサウンドが刺激的で、スクリームと切ないクリーンVoがいいギャップです。
「Black Hole」にはケイリブ・ショーモ<Vo:BEARTOOTH>が参加。
グルーヴィな曲調の中で高品質なクリーンVoが進行します。
ゲーム音のようなアレンジ(00:08~)がまた面白いですね。
「Daggers」にはラッパーのZERO 9:36が参加。
スクリーム中心で進んでいき、01:12から早口のラップが入ります。
「Golden」「One More Day」はノスタルジックかつ哀愁あるクリーンVoのメロディが絶品。
「One More Day」は始まりの低音クリーンVoも心地良く染みこんできます。
後半は「Holding The Embers」がおすすめ。
耽美的になってキャッチーなメロディが舞う02:53~が最高です。