マーク・トレモンティ<G/Vo:ALTER BRIDGE>率いるバンドの6作目。
ALTER BRIDGEでは何曲かマークがリードVoをとっている曲がありますが、TREMONTIでは全曲マークが歌っています。
静と動をバランスよく導入し、ヘヴィなパートはALTER BRIDGEよりもゴリゴリ。
マークの歌は低音域で響きがよく、メロディも高品質です。
アルバムは前作『MARCHING IN TIME』(2021年)のラスト「Marching In Time」の延長線上のような「The Mother, The Earth And I」で幕を開けるので、「Marching In Time」を聴いてから本作を聴くとより一層TREMONTIワールドに浸れます。
「The Mother, The Earth And I」
「Marching In Time」を継承。
ダークでメランコリックに進む中、02:50~でいったん引き伸ばして、マークの歌メロが強調される03:15~がいいアクセントとなっています。
「One More Time」
ジリジリしたギター・リフ(00:00~) → バスドラ連打(00:03~)がかなり刺激的。
歪曲的なギター(00:47)→ エフェクト処理のVo → サビへの流れもかっこいいです。
「Now And Forever」(『MARCHING IN TIME』収録/こちらもアルバム2曲目)のような破壊力があります。
「Just Too Much」
スローでヘヴィ。
脳天直撃系のサウンドがズシンズシンと響いてきます。
警告音的ギター(00:50~) → ピタッと止まる → サビ(00:57~)にハッとさせられます。
「Nails」
遅く重く進行。
「Just Too Much」系統かと思っていたら、02:23からいい感じに暴れ始めます。
「The End Will Show Us How」
ALTER BRIDGE「Waters Rising」(2013年『FORTRESS』収録/マークがリードVo)っぽいです。
01:12~の冷たく不吉なギターが特徴的。
03:23からはエモーショナルなギター・ソロで魅了します。
「I’ll Take My Chances」
ハードで勢いがあります。
語りと歌の境界線をふわふわするような00:13~がツボ。
00:23~がALTER BRIDGE「Ties That Bind」(2007年『BLACKBIRD』収録)00:23~に通じ、響きが良くなる01:53~がまた快感です。
「The Bottom」
慌ただしい始まり。
00:11~がいい突っつき具合で気分を高めてくれます。
光線のような02:34~も面白いです。
「Live In Fear」
バイオレントな演奏とマークの歌を交互に配置するアプローチが見事。
曲の雰囲気から浮かせた音質で攻めるギター・ソロ(02:54~)も新鮮です。
「All The Wicked Things」
ミステリアスかつ斬新な音像でスタートし、本編はハードになります。
01:50~のメロディアスなフレーズがたまらなく、02:05~の歌メロはALTER BRIDGE「Godspeed」(2019年『WALK THE SKY』収録)00:31~のよう。
そしてマークのVoの音域が下がる02:13~が刺さります。
03:04からヘヴィさが増し、よりアグレッシヴに展開。
ギターにエフェクト(04:04~) → ドラム → ハード演奏に戻す構成もうまいです。