『TITANS OF CREATION』(2020年)以来、約5年半ぶりのアルバムです。
スピード感があって曲展開が濃密。
とても緊張感がある作品です。
「For The Love Of Pain」「Infanticide A.I.」「Witch Hunt」では疾走しながらさらにスピードを上げるアプローチが特徴的。
7分半のバラード「Meant To Be」や6分半のアルバム・タイトル曲「Para Bellum」のように、長い曲が充実しているのもうれしいです。
作曲クレジットは「Meant To Be」がエリックとアレックスでそれ以外はエリック1人となっています。
【メンバー】
チャック・ビリー<Vo>
エリック・ピーターソン<G>
アレックス・スコルニック<G>
スティーヴ・ディジョルジオ<B>
クリス・ドヴァス<Ds>
「For The Love Of Pain」
速くてブルータル。
強烈なオープニングです。
チャックは低音で吠えながら要所要所で暴虐的なシャウトも絡めるスタイル。
猛進する01:16~やスローになる01:47~がいいアクセントとなっています。
「Infanticide A.I.」
AIをテーマにしたナンバーでチャックによる作詞です。
曲名にある「infanticide」は「幼児殺し」の意味で、過激な単語ですが、
「Infanticide A.I.」=「幼児殺しのAI」=小さい頃からAIに頼りすぎることへの警鐘
ともとれる内容。
曲そのものもかっこいいです。
00:20から「For The Love Of Pain」のように突進し、サビでもこのアプローチを導入。
曲名の間隔を空けて「A.I.~」と伸ばすチャックが最高です。
速度を上げた「Down For Life」(1999年『THE GATHERING』収録)といった感じのエキサイティングなナンバーです。
「Meant To Be」
7分半のバラードです。
00:00~の美しく切ないギターが最高で、01:54からはストリングスも絡めます。
ヘヴィなギターと泣きのフレーズが交互にくる03:35~も見事ですし、05:10~の哀愁ギター・ソロも絶品。
「The Legacy」(1990年『SOULS OF BLACK』収録)をドラマティックにさせたようなナンバーです。
「Witch Hunt」
疾走しながら「For The Love Of Pain」「Infanticide A.I.」のように突進パートも絡めます。
面白いのは02:38~。
儀式的なヴォーカルが独特で、その後は泣きのギター・ソロいう最高の展開です。
「Nature Of The Beast」
メロディックかつエネルギッシュなギターが快感。
チャックもそのギターに呼応するかのようにメロディアスに歌います。
ナチュラルでとてもいいメロディですし、01:04~や01:57~のギターも染みます。
KREATOR『HATE ÜBER ALLES』(2022年)にIRON MAIDENのような「Become Immortal」がありましたが、そんな位置付けです。
「Room 117」
シャープでリズミカル。
「Nature Of The Beast」の心地良さを継承しています。
ギター・ソロもなかなかエキサイティング。
冒頭2曲を聴いていた頃からは想像もつかない高品質ナンバー2連発にうれしくなります。
「Havana Syndrome」
「Electric Crown」(1992年『THE RITUAL』収録)のようなスタート。
本編は「Electric Crown」をよりザクザクさせながら進みます。
「MEGADETHが”Electric Crown”をアレンジしたらこんな感じになるのかな」と思わせるナンバーです。
それまでとは異なる雰囲気で始まるギター・ソロにも引き込まれます。
「Para Bellum」
00:00~のミステリアスなフレーズがかっこよく、00:26~の衝撃音が刺激的。
アグレッシヴに進行する中、チャックが野太く迫力のある声で吠えます。
サビ(02:35~)では「Witch Hunt」のような儀式的な要素が加味。
哀愁ギター(04:47~) → 語りや静かに曲を締めくくる構成も見事です。