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TESTAMENT『PARA BELLUM』

TESTAMENT『PARA BELLUM』日本盤の紹介記事です。

日本盤は3種類。

  • 『PARA BELLUM』CDのみ
  • 『PARA BELLUM』CD+ライヴDVD+ライヴCD2枚
  • 『PARA BELLUM』CD+ライヴBlu-ray+ライヴCD2枚

ライヴは2023年日本公演『THE BAY STRIKES BACK TOUR』2日目(9月24日:1987年1st『THE LEGACY』と1988年2nd『THE NEW ORDER』からの選曲)になります。

私はCD+ライヴDVD+ライヴCD2枚を購入。

結構高い値段でしたが、ライヴは音も映像も充実しているので満足の内容でした。

『PARA BELLUM』は27歳のクリス・ドヴァス<Ds>加入後初のアルバムで、ライヴでもクリスが叩いています。

【メンバー】
チャック・ビリー<Vo>
エリック・ピーターソン<G>
アレックス・スコルニック<G>
スティーヴ・ディジョルジオ<B>
クリス・ドヴァス<Ds>

『PARA BELLUM』のレビュー

  1. For The Love Of Pain
  2. Infanticide A.I.
  3. Shadow People
  4. Meant To Be
  5. High Noon
  6. Witch Hunt
  7. Nature Of The Beast
  8. Room 117
  9. Havana Syndrome
  10. Para Bellum

リリース日:2025年10月10日

『TITANS OF CREATION』(2020年)以来、約5年半ぶりのアルバムです。

スピード感があって曲展開が濃密。

とても緊張感がある作品です。

「For The Love Of Pain」「Infanticide A.I.」「Witch Hunt」では疾走しながらさらにスピードを上げるアプローチが特徴的。

7分半のバラード「Meant To Be」や6分半のアルバム・タイトル曲「Para Bellum」のように、長い曲が充実しているのもうれしいです。

AIをテーマにした「Infanticide A.I.」は歌詞にも注目。

作曲クレジットは「Meant To Be」がエリックとアレックスでそれ以外はエリック1人となっています。

「For The Love Of Pain」

速くてブルータル。

強烈なオープニングです。

チャックは低音で吠えながら要所要所で暴虐的なシャウトも絡めるスタイル。

猛進する01:16~やスローになる01:47~がいいアクセントとなっています。

「Infanticide A.I.」

AIをテーマにしたナンバーでチャックによる作詞です。

曲名にある「infanticide」は「幼児殺し」の意味で、過激な単語ですが、

「Infanticide A.I.」=「幼児殺しのAI」=小さい頃からAIに頼りすぎることへの警鐘

ともとれる内容。

曲そのものもかっこいいです。

00:20から「For The Love Of Pain」のように突進し、サビでもこのアプローチを導入。

曲名の間隔を空けて「A.I.~」と伸ばすチャックが最高です。

速度を上げた「Down For Life」(1999年『THE GATHERING』収録)といった感じのエキサイティングなナンバーです。

「Meant To Be」

7分半のバラードです。

00:00~の美しく切ないギターが最高で、01:54からはストリングスも絡めます。

ヘヴィなギターと泣きのフレーズが交互にくる03:35~も見事ですし、05:10~の哀愁ギター・ソロも絶品。

「The Legacy」(1990年『SOULS OF BLACK』収録)をドラマティックにさせたようなナンバーです。

「Witch Hunt」

疾走しながら「For The Love Of Pain」「Infanticide A.I.」のように突進パートも絡めます。

面白いのは02:38~。

儀式的なヴォーカルが独特で、その後は泣きのギター・ソロいう最高の展開です。

「Nature Of The Beast」

メロディックかつエネルギッシュなギターが快感。

チャックもそのギターに呼応するかのようにメロディアスに歌います。

ナチュラルでとてもいいメロディですし、01:04~や01:57~のギターも染みます。

KREATOR『HATE ÜBER ALLES』(2022年)にIRON MAIDENのような「Become Immortal」がありましたが、そんな位置付けです。

「Room 117」

シャープでリズミカル。

「Nature Of The Beast」の心地良さを継承しています。

ギター・ソロもなかなかエキサイティング。

冒頭2曲を聴いていた頃からは想像もつかない高品質ナンバー2連発にうれしくなります。

「Havana Syndrome」

「Electric Crown」(1992年『THE RITUAL』収録)のようなスタート。

本編は「Electric Crown」をよりザクザクさせながら進みます。

「MEGADETHが”Electric Crown”をアレンジしたらこんな感じになるのかな」と思わせるナンバーです。

それまでとは異なる雰囲気で始まるギター・ソロにも引き込まれます。

「Para Bellum」

00:00~のミステリアスなフレーズがかっこよく、00:26~の衝撃音が刺激的。

アグレッシヴに進行する中、チャックが野太く迫力のある声で吠えます。

サビ(02:35~)では「Witch Hunt」のような儀式的な要素が加味。

哀愁ギター(04:47~) → 語りや静かに曲を締めくくる構成も見事です。

ライヴ(2023年日本公演『THE BAY STRIKES BACK TOUR』2日目)

観てみたかったライヴなので映像化/音源化はうれしいです。

セットリストはアルバムとは少し異なっていて、

  • 1987年1st『THE LEGACY』…「Do Or Die」までアルバム曲順どおり。「Alone In The Dark」と「Apocalyptic City」を入れ替え
  • 1988年2nd『THE NEW ORDER』…「Hypnosis」とAEROSMITHのカヴァー「Nobody’s Fault」(オリジナルは1976年『ROCKS』収録)以外を曲順どおり

となっています。

『THE NEW ORDER』→『THE LEGACY』の順に演奏しています。

  1. Eerie Inhabitants
  2. The New Order
  3. Trial By Fire
  4. Into The Pit
  5. Disciples Of The Watch
  6. The Preacher
  7. A Day Of Reckoning
  8. Musical Death (A Dirge)
  9. Over The Wall
  10. The Haunting
  11. Burnt Offerings
  12. Raging Waters
  13. C.O.T.L.O.D. (Curse Of The Legions Of Death)
  14. First Strike Is Deadly
  15. Do Or Die
  16. Apocalyptic City
  17. Alone In The Dark

チャックは声がよく出ていて、演奏もタイト。

ステージ後方から客席の様子も何度か映されていて、会場の熱気も伝わってきます。

私が初めて聴いたTESTAMENTのアルバムが『THE NEW ORDER』だったので「会場にいたらエキサイトしたに違いない」とオープニングを観ながら思いました。

ショウの流れが途切れないように配慮したチャックの簡潔なMCも印象的。

「A Day Of Reckoning」の前にはクリスを紹介していますが、たった3日で全曲を覚えたそうです。

すごいですね。

私は『THE NEW ORDER』の中ではこの「A Day Of Reckoning」が一番好きなのですが、チャックもプレイする前にお気に入りと言っていたのがうれしかったです。

アルバムとは曲順が入れ替わった最後の「Apocalyptic City」「Alone In The Dark」は、

  • 「Apocalyptic City」の後にクリスのカウントで「Alone In The Dark」がスタートするもチャックがいったん止める
  • 「最後の曲だ。みんなで一緒に歌って盛り上がろう」とチャック
  • 「Alone In The Dark」再スタート

という流れになっています。

ライヴ映像はMCだけでなく曲中の煽りにも日本語字幕が表示されます。

『SOULS OF BLACK』(1990年)のリミックス

チャックによるとバンドは4th『SOULS OF BLACK』(1990年)をリミックス中とのこと(ソースはBlabbermouth)。

2025年後半~2026年前半の発表を予定していて、どこかのタイミングでアルバム再現ライヴもやりたいと語っています。

5th『THE RITUAL』(1992年)についても同様に、リミックス → アルバム全曲演奏の構想を描いているようです。

特に『SOULS OF BLACK』全曲演奏は観てみたいですね。

2025年にやった3rd『PRACTICE WHAT YOU PREACH』(1989年)再現ライヴはアルバムとは違う曲順での全曲演奏でした。

『SOULS OF BLACK』をどのスタイルで演奏するのかも興味深いです。

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