様々なバンドやプロジェクトで活躍するカリスマ・シンガー、ロニー・ロメロのソロ・アルバムです。
オリジナル曲で構成されるソロ・アルバムとしては『TOO MANY LIES, TOO MANY MASTERS』(2023年)以来、2作目。
2025年ではマグナス・カールソンのTHE FERRYMEN『IRON WILL』に続いての音源となります。
- 「Backbone」…Rainbow「Tarot Woman」のような始まり
- 「Hideaway (Run)」…ラス・バラードが曲作りに参加していて、ギター・ソロはキー・マルセロ
- 「Eternally」…ロイ・Zとの共作
と、トピックも豊富。
リリース前にはBLACK SABBATH「Devil & Daughter」(1989年『HEADLESS CROSS』収録)のカヴァー、あるいは再構築ヴァージョンが収録されるとの情報もありました。
曲名を変えて収録されるのかもと思っていましたが、該当ナンバーはありませんでした。
最後の「Black Dog」はLED ZEPPELINのカヴァーではなくオリジナル。
『TOO MANY LIES, TOO MANY MASTERS』のラスト「Vengeance」と同じく疾走しますが、「Vengeance」以上のかっこよさです。
【メンバー】
ロニー・ロメロ<Vo>
ホセ・ルビオ<G/B>
クリス・アレン<Ds>
アレッサンドロ・ベルトーニ<Key/Piano>
フランシスコ・ギル・トーレス<Key>
「Backbone」
RAINBOW「Tarot Woman」(1976年『RISING』収録)の短縮版のような幕開けです。
その後、スケールの大きい演奏がスローテンポで展開。
ロニーの歌は01:18~が特にかっこよく、サビではギター → 歌の順に高品質なメロディで魅了します。
「Bring The Rock」
厳かでハード。
よりエネルギッシュになるロニーの歌(00:38~)→ サビの展開がアツく、サビでは曲名をかっこよく歌います。
少し力を緩めながらも勇壮な02:05~もいいアクセントですし、その後少し暴れてギター・ソロに移っていく展開にも燃えます。
「Never Felt This Way」
グルーヴ感のあるナンバーです。
歌い始めが高音域なのにさらに音域を上げるサビが印象的。
エネルギッシュかつエモーショナルなギターが前面に出る02:07~もナイスです。
「Hideaway (Run)」
ラス・バラードが曲作りに参加。
切ない歌メロが染みる高品質なハード・ロックです。
キー・マルセロのギター・ソロは、繰り返されるロニーの哀愁Voに重なる始まり方が最高で、フレーズそのものも上質。
ロニーの歌が終わってギターのみになってからも魅了し続けます。
ラス・バラード → RAINBOWつながりで、
- RUSS BALLARD「Since You Been Gone」(1976年『WINNING』収録)…オリジナル
- RAINBOW「Since You Been Gone」(1979年『DOWN TO EARTH』収録)
- RAINBOW「I Surrender」(1981年『DIFFICULT TO CURE』収録)…ラス・バラード作曲
も楽しみましょう。
「Keep On Falling」
始まった瞬間泣きそうになります。
ロニーの切ないVoもすばらしい。
ハードな00:49~の組み込ませ方も上手で、02:42~のギター・ソロもなかなかスリリングです。
上述の「Devil & Daughter」の件もあり、意識して聴くと00:49~がトニー・マーティン期のBLACK SABBATHに通じます。
「Eternally」
ロイ・Zとの共作。
叙情的に始まり、ドライヴ感のあるハード・ロックへと展開します。
徐々に気分を高めていき、サビでは伸びのある歌メロを披露するロニーのパフォーマンスがすばらしい。
いったん引く00:42~や03:28~もうまいです。
「Black Dog」
LED ZEPPELINとは同名異曲。
パワー・メタルです。
前作の「Vengeance」同様、疾走曲で締めくくります。
ロニーのパフォーマンスがすばらしく、
- サビ前…エネルギーをセーブしつつ適度な間隔を空けながらの唱法
- サビ…突き上げてから音域を下げるメロディ展開
で魅せます。
ギター・ソロもかっこよく、特に速弾きでテンションを上げる(01:58~) → エネルギッシュなフレーズの構成がすばらしいです。