カリスマ女性シンガー、ノーラ・ロウヒモ<Vo>が歌うフィンランドのBATTLE BEAST。
『CIRCUS OF DOOM』(2022年)以来、約3年9カ月ぶりのアルバムです。
通算7作目。
ノーラが加入してからは6作目となります。
ノーラは伸びがあって力強いヴォーカルが魅力ですが、本作でもその唱法が冴えます。
ノリが良くて曲によっては80年代のオーラが漂うのも特徴の1つ。
『CIRCUS OF DOOM』は「Russian Roulette」がそうでしたが、今回は「The Burning Within」「Here We Are」「Angel Of Midnight」などがそれに該当します。
NIGHTWISH → RHAPSODY OF FIREのような「The Long Road」→「Blood Of Heroes」もすばらしい。
この2曲では想定外のワクワクを味わえます。
ノーラは2025年4月にLAURENNE/LOUHIMO(ネッタ・ローレンネ<Vo:SMACKBOUND>とのプロジェクト)で2nd『FALLING THROUGH STARS』を出しており、その半年後に本作『STEELBOUND』を発表。
前回はLAURENNE/LOUHIMO『THE RECKONING』(2021年7月) → BATTLE BEAST『CIRCUS OF DOOM』(2022年1月)となっていて、共に同じリリース間隔となっています。
【メンバー】
ノーラ・ロウヒモ<Vo>
ヨーナ・ビョルクロト<G>
ユッソ・ソイニオ<G>
エーロ・シピラ<B>
プル・ヴィッキ<Ds>
ヤンネ・ビョルクロト<Key>
「The Burning Within」
NIGHTWISH「Yours Is An Empty Hope」(2015年『ENDLESS FORMS MOST BEAUTIFUL』)00:26~のような幕開けです。
ノーラの歌が始まってからのキーボードが爽快で、サビで高音域に飛び上がる展開もかっこいい。
ノーラの高音が伸びてギター・ソロに流れる構成もエキサイティングです。
「Here We Are」
ノスタルジックかつ開放感のあるスタート。
リズミカルに進行していきますが、サビでいったん引く手法が効いています。
そして曲名を伸ばす歌メロ。
とても心地良いです。
パーカッションが前面に出る00:35~、02:49~もいいアクセントです。
「Steelbound」
エネルギッシュなアルバム・タイトル曲です。
ノーラのリードVo+ピアノ(00:30~)がいいテイスト。
00:54~の歌メロに気分が高まり、エキサイティングなギター(01:11~) → ノリの良いサビへとかっこよく流れていきます。
以下も聴きどころ。
- ノーラが歌声を伸ばす(02:40~) → ギター・ソロ
- かけ声(03:05~) → ノーラのアグレッシヴなVo
- キュートな声(03:41~)
濃密です。
「Twilight Cabaret」
「Circus Of Doom」にトライバルな要素を加味させたようなナンバー。
パーカッションと躍動感のあるキーボードが見事なコンビネーションで気分が上向きます。
少しずつテンションが上がるサビの展開も秀逸です。
「Last Goodbye」
00:20~のガラガラしながらのノーラに燃えます。
アグレッシヴに進んでいきますがサビはメロディアス。
00:20からは想像がつきにくい清涼感でとてもいい歌メロです。
サビを終えるところでハイトーンになるところもいいですね。
2回目のサビ → ドラムが暴れる → ギター・ソロもかっこいい構成ですし、ソロが終わった後のハーモニー(02:38~)がまたすばらしいです。
「The Long Road」「Blood Of Heroes」
上述のNIGHTWISH → RHAPSODY OF FIREです。
「The Long Road」はNIGHTWISHに通じる壮大なインスト。
「Blood Of Heroes」はシンフォニックなナンバーで、サビではRHAPSODY OF FIREのようなスケールの大きい歌メロに圧倒されます。
ノーラの高音でエキサイトさせる(02:22~) → その後ほっこり(02:33~)という構成もニクいです。
「Angel Of Midnight」
エッジのあるギターとキーボードがいいコンビネーションです。
ノーラは歌い始めはソフトなVo。
そして徐々にヒートアップしていき、適度にアツいサビが展開します。
郷愁感がありながらも程良く突き上げる系のメロディが最高です。