元QUEENSRŸCHEのジェフ・テイト<Vo>が2026年5月3日に『OPERATION: MINDCRIME III』をリリースしました。
『OPERATION: MINDCRIME』(1988年)に焦点を当てながらドクターXの視点で描かれたシリーズ3作目で、ジェフとDISTURBEDのジョン・モイヤー<B>による共同プロデュース。
前2作のストーリーの下に『III』のレビューを載せています。
『OPERATION: MINDCRIME』(1988年)
登場人物は下記。
- ニッキー…物語の主人公。社会に不満を抱く薬物中毒の若者。ドクターXに巧みに操られ、マインドコントロールによって暗殺者へと仕立て上げられる
- ドクターX…地下組織の独裁的指導者。革命を謳い、自らの権力を拡大しようと企む。薬物を使ってニッキーを支配し、邪魔者を排除させる
- メアリー…かつては娼婦だったが、ドクターXの息のかかったウィリアム神父によって修道女へと転身させられる。ニッキーと恋に落ちるが、組織の秘密を知りすぎたために悲劇的な結末を迎える
- ウィリアム神父…表向きは聖職者だが、ドクターXの協力者。メアリーを支配下に置く
以下のようなストーリーになります。
- 「I Remember Now」…記憶を失い、病院のベッドに横たわるニッキーだが、記憶が蘇り始め、物語は過去へと遡る
- 「Anarchy-X」「Revolution Calling」…腐敗と混乱に満ちた社会に怒りを抱くニッキー。そんな中、ドクターXが現れ、「既存の体制を壊し、真の革命を起こそう」とニッキーを心酔させる
- 「Operation: Mindcrime」…ドクターXは薬物中毒のニッキーを操り、曲の最初の電話のやり取りに出てくる言葉「Mindcrime」を合図にターゲットを抹殺する暗殺者へと仕立て上げる
- 「Speak」…洗脳されたニッキーはドクターXの命令に従い、次々と政治家や権力者を暗殺。ニッキーは自分が正義のために動いていると信じ込む
- 「Spreading The Disease」…ニッキー、メアリーと出会う。ドクターXとウィリアム神父の癒着も描かれる
- 「The Mission」…メアリーとの関係が深まるにつれ、ニッキーはドクターXが邪悪な計画を抱いていることに気付き、自分の行っている暗殺に疑問を抱き始める
- 「Suite Sister Mary」…ニッキーがメアリーに惹かれ、組織の脅威になることを危惧したドクターXはニッキーに「メアリーと神父を殺せ」と非情な命令を下す。ニッキーは教会に向かい神父を殺害。しかし、メアリーと対峙した際、彼女を殺害せよという命令には従えなかった
- 「The Needle Lies」…薬物の禁断症状と恐怖に苛まれるニッキー。組織を抜け出そうとするニッキーに対し、ドクターXは「今さら逃げられるわけがない(You can’t walk away now)」と言いながら冷笑する
- 「Electric Requiem」…ニッキーがメアリーの元へ戻ると、彼女はすでに息絶えていた。彼女の死を目の当たりにし、ニッキーは精神を崩壊させていく
- 「Breaking The Silence」…絶望の中、街をさまよいながらメアリーの名を呼び続けるニッキー。愛する者を失った悲しみが怒りへと変わっていく
- 「I Don’t Believe In Love」…「愛なんて信じない、そんなものはただの幻想だ」と自らに言い聞かせ、精神の均衡を保とうとするニッキーだが、警察が到着し、ニッキーを制圧。ニッキーの所持品から銃が発見され、彼はメアリー殺害およびドクターXのために犯した殺人の容疑で逮捕される
- 「Waiting For 22」「My Empty Room」…独房の中で過ごすニッキー。メアリーを失い、これから自分はどうなっていくのだろうかと悲観する
- 「Eyes Of A Stranger」…再び物語の冒頭へ。病室で記憶を取り戻しつつあるニッキーは、鏡に映る自分の姿をじっと見つめるものの、今の自分を把握できず、過去の自分を知ることを恐れてもいる。ただ、約束されたハッピーエンドは訪れず(No happy ending like they’ve always promised/02:38~)、ドクターXに利用されていたことは悟っていた
『OPERATION: MINDCRIME II』(2006年)
ストーリーは簡単にまとめると、
- ニッキー、20年の刑期を終えて出所
- メアリーの幻影との対話を繰り返しながらもドクターXへの復讐に向けて動き出す
- ドクターXを殺害
- 復讐を果たすも、これからの人生の目的を失ったニッキーは虚無感に襲われ、自ら命を絶つ
- 来世でメアリーと再会
といった内容になります。
ジェフは2025年3月18日から『OPERATION: MINDCRIME – THE FINAL CHAPTER』ツアーを開始。
『OPERATION: MINDCRIME II』からは「I’m American」「One Foot In Hell」「The Chase」「Murderer?」「If I Could Change It All」「A Junkie’s Blues」がプレイされていましたが、2026年以降は全曲セットリストから外されています。
『OPERATION: MINDCRIME III』(2026年)
ジェフとDISTURBEDのジョン・モイヤーによる共同プロデュース。
先行公開曲「Power」を聴いた時は、DISTURBEDに通じるヘヴィさも感じられ「DISTURBEDでいえば2003年『DIVISIVE』収録の”Bad Man”のようなナンバーがあるのかも」と思ったのですが、アルバムの作風はそうではありませんでした。
『OPERATION: MINDCRIME』の音声や効果音の数々が登場する「The Scene Of The Crime」にワクワクしますが、本編では中音域の歌を中心としたスローな曲が続きます。
『OPERATION: MINDCRIME II』には疾走曲「I’m American」やキャッチーな「One Foot In Hell」「Signs Say Go」がありましたが、そういったナンバーもなし。
「You Know My Fucking Name」には「Anarchy X」「Speak」に通じる群衆が登場し、「Do You Still Believe?」では泣きのギターを軸に進行する02:29~にそれなりに魅了されますが、先行公開されていた「Power」が一番いいです。
「Speak」の歌詞「speak the word」が歌われ、その後に力強く「Power!」とコールするサビがなかなか。
12曲目「You Can’t Walk Away Now」は「The Needle Lies」の冒頭でのドクターXのセリフですが、ここではドクターXとニッキーの電話のやり取りで2人は敵対モードです。
ラスト「A Monster Like Me」はタイトルからヘヴィな曲を想像していたのですが、真逆の曲調。
サックスを取り入れながら静かに進行します。