DEEP PURPLE『SPLAT!』

『=1』(2024年)以来、約2年ぶりのアルバムで、下記ラインナップによる制作。

  • イアン・ギラン<Vo>
  • ロジャー・グローヴァー<B>
  • イアン・ペイス<Ds>
  • ドン・エイリー<Key>
  • サイモン・マクブライド<G>

サイモン加入後、2枚目のアルバムです。

プロデュースは『NOW WHAT?!』(2013年)以降の全ての作品を手掛けているボブ・エズリン。

『=1』は演奏も歌も充実の力作でしたが、予想より早いペースで高品質な作品を出してくれました。

創作意欲に満ちていてすばらしい。

よりハードな作風となっていて、ベテランならではの貫禄が感じられるのと同時に、

  • 適度なハードルを自分たちに課し、それに向かってメンバーたちが楽しみながら挑んでいく

といったポジティヴな熱意が伝わってきます。

「Arrogant Boy」

シャープな00:00~にゾクゾク。
レトロかつミステリアスな空気に包まれたMEGADETHのようです。

ギランはエネルギーをセーブしながらの中音域中心の歌メロ。

演奏が濃密で、

  • よりエネルギッシュになる01:22~
  • ヘヴィな音が伸びる01:34~
  • ゲームのステージをクリアした時のような01:46~
  • 耽美的なキーボード(01:52~) → エモーショナルなギター
  • 速弾き(02:15~)

と、様々なスタイルでエキサイトさせてくれます。

「Diablo」

グルーヴィな曲調にギランの貫禄のある歌がかっこよくハマります。

各単語を強調させながらの唱法が特徴的。

そして01:16からはソフトな歌メロが展開し、それまでの緊張を解きほぐします。
1回のみのパートですが、とても魅力的なメロディです。

歌い終わると演奏パートに入りますが、キーボードを伸ばしながらの始め方が最高(01:39~)。

以降、ギターとキーボードが交互に魅了します。

ギランが悪魔的になる03:24~もいいスパイスです。

「The Rider」

適度にノリが良くて切れ味があります。

ギランが音域を下げながら曲名を歌う00:28~が特徴的。

その後の00:48~では勇ましくキャッチーでありながらもどこかホッとさせられるという不思議な魅力を味わえます。

キーボードが前面に出る01:50~ → ギランの低音が響く01:57~もすばらしい。
この構成は後半に再度登場します。

「The Lunatic」

骨太で躍動感があり、ギランのミステリアスでゆがんだヴォーカルがいいテイスト。

サビではそれまでより集中力を高めたような歌い方にシャキッとさせられます。

02:36~のペイスのドラムにも気持ちが引き締まり、ここは「A Bit On The Side」(『=1』収録)02:00~のような効果があります。

「The Only Horse In Town」

ドンのキーボードで始まりますが、ポジティヴでスケールの大きいサウンドにワクワクさせられます。

本編は「Pictures Of You」(『=1』収録)をテンポ良くした感じ。

サビ前の00:58~は「Pictures Of You」01:35~のような高揚感です。

ギター・ソロ後の03:08~に00:00~を配置するのもさすがのセンスです。

「Sacred Land」

RAINBOW「Tarot Woman」(1976年『RISING』収録)のように神秘的に始まり、本編は鋭角的に進行。

ギランの歌に威厳が感じられ、低音域の01:40~は存在感抜群です。

演奏パートも絶品で、

  • ドンの高音域キーボード → サイモンが中音域からエモーショナル

というスタイルがキマッています。

「Guilt Trippin’」

ミステリアスなピアノ(00:00~) → 泣きのギターの流れを踏んで本編に入ります。

00:56~のギランがアブノーマルで、ハイトーンがロブ・ハルフォード<Vo:JUDAS PRIEST>のようです。

01:59~がスリリング。
そして02:15で刺激を加え、02:19からは安堵感を与えます。

緩急のつけ方がさすがで、02:51からはキーボード → ギターで魅了。
00:00~の熱量が増したようなアプローチが生きます。

「Scriblin’ Gib’rish」

迫りくるようなキーボードがスリリングです。

語りと歌の境界線を行ったり来たりするようなギランのパフォーマンスが独特。
00:39~の吐き出しもインパクトがあります。

キーボードが刺激(01:47~) → 哀愁ギター(02:06~)もすばらしい構成。

ギランがだんだん音域を下げる02:47~もいい響きです。

「Jessica’s Bra」「Third Call」「My New Movie」

「Jessica’s Bra」はギランの言葉数多めの歌でテンポ良く進行。
02:10~のピアノの突っつきが心地良いです。

「Third Call」はギランが力を込めながら歌う01:39~がかっこよく、

  • 適度にエキサイティングなドラム(01:44~) → センチメンタルでありながらもエネルギッシュさも加味させたギター・ソロ → キーボード

に引き込まれます。

「My New Movie」は明るくノリ良く進んでいき、00:29~では一瞬「Space Truckin’」(1972年『MACHINE HEAD』収録)のサビ直前の00:50~がちらつきます。

ギター・ソロは悲哀フレーズで魅了。

02:58~のギランの低音も迫力があります。

「Splat!」

重量感のあるスタートを切るラスト・ナンバー。

ペイスの爆発力のドラムとロジャーのブイブイしたベースがかっこよく、00:43からミステリアスなハーモニーが加わります。

サビではそれまでよりスケールが大きく共感性の高いメロディが展開。

その後の02:00~がまたユニークで、ドライな音質でありながらもテンション高めのフレーズで盛り上げてくれます。

タイトルとURLをコピーしました