2022年22作目『THE MONSTER ROARS』に続くオリジナル・アルバム。
2024年1月12日にリリースされました。
『THE MONSTER ROARS』のリリースが2022年1月14日なので、ほぼジャスト2年ぶりの発表。
ボブ・カトレイ<Vo>のナチュラルでメロディアスな歌唱、トニー・クラーキン<G>のエモーショナルなプレイ、リック・ベントン<Key>の躍動感あるフレーズなど、「こういった曲ではこういうパフォーマンスが映えるだろう」という各メンバーによる役割の熟知ぶりが音像から感じ取れます。
歌も演奏も安定感抜群。
さすがです。
「Run Into The Shadows」
きらびやかでグルーヴィ。
低音域で歌い始めて、01:14~で高音域にシフトするボブのVoが冴えます。
「Here Comes The Rain」
00:00~のトニーのギターにグッときます。
サビ(00:51~)からドラマティックに躍進。
哀愁度が増す02:33~の歌メロがまたすばらしいです。
「Some Kind Of Treachery」
「Here Comes The Rain」の感動を継承。
劇的で美しく、そして切ないです…。
「Blue Tango」
「The Day After The Night Before」(『THE MOSTER ROARS』収録)のようなドライヴ感あふれるナンバー。
03:27~のリックのキーボードがかっこいいです。
「The Day He Lied」
雄大で厳か。
ボブの伸びやかな歌が見事です。
02:33~(ピアノ → サビの歌メロをなぞる演奏)に引き込まれます。
「The Seventh Darkness」
サックスとトランペットをフィーチャー。
「No Steppin’ Stones」(『THE MOSTER ROARS』収録)を少しシリアスにした感じ。
02:04~の演奏パート、適度に力強いエンディング(04:30~)がナイスです。
「I Wanna Live」
透明感があってポジティヴ。
01:11から演奏が厚くなり、高揚感が増します。
01:38~のデニス・ワード<B>のベースラインも程良く刺激的。
02:46~のトニーのギター・ソロは本作の中で最高の内容です。
「Borderline」
神秘的なオープニング → どっしりとした演奏。
03:25からのトニーのフレーズが染みます。
アルバム前半に登場しそうな曲調ですが、05:18~でエンディング向きと実感します。
トニー在籍時の最後のアルバム
2024年1月7日、バンドの創設者でメインソングライターでもあるトニー・クラーキンが亡くなりました。
『HERE COMES THE RAIN』がトニー在籍時の最後のアルバムとなります。
トニー、今までたくさんの名曲を届けてくれてありがとう。
なかでも「Desperate Times」(2007年『PRINCESS ALICE AND THE BROKEN ARROWS』収録)は大好きな曲でリリース以降、何度も何度もリピートしています。