HM界のカリスマ、ロブ・フリン<Vo/G>率いるMACHINE HEADの11作目。
前作『ØF KINGDØM AND CRØWN』(2022年)に引き続き、曲表記が大文字で「O」が「Ø」になっています。
『ØF KINGDØM AND CRØWN』は10分の大作「SLAUGHTER THE MARTYR」で始まりました。
今回は長尺曲はありませんが、スケールの大きさは健在。
深遠なグルーヴ・サウンドが展開されます。
また、MACHINE HEADは、
- 「Davidian」(1994年『BURN MY EYES』収録)
- 「Old」(同上)
- 「Ten Ton Hammer」(1997年『THE MORE THINGS CHANGE…』収録)
- 「Imperium」(2003年『THROUGH THE ASHES OF EMPIRES』収録)
- 「Halo」(2007年『THE BLACKENING』収録)
- 「CHØKE ØN THE ASHES ØF YØUR HATE」(『ØF KINGDØM AND CRØWN』収録)
などにあるように、警告音的ギターを響かせるのが抜群にうまいですが、今回も「UNBØUND」「ØUTSIDER」「THESE SCARS WØN’T DEFINE US」「BØNESCRAPER」「ADDICTED TØ PAIN」「BLEEDING ME DRY」などでそれが聴けます。
「THESE SCARS WØN’T DEFINE US」は、2024年11月15日にシングルでリリースされた「These Scars Won’t Define Us」の新ヴァージョン。
2004年のシングルは、アンダース・フリーデン<Vo:IN FLAMES>、アンドレア・フェロー<Vo:LACUNA COIL>、クリスティーナ・スカビア<Vo:LACUNA COIL>、トレヴァー・フィップス<Vo:UNEARTH>との共演でしたが、「THESE SCARS WØN’T DEFINE US」でのヴォーカルはおそらくロブのみです。
「LANDSCAPE ØF THØRNS」「ATØMIC REVELATIØNS」
オープニングSE「LANDSCAPE ØF THØRNS」から「ATØMIC REVELATIØNS」につながります。
耽美的に始まり、重量感を伴って疾走。
ロブの吐き捨てVoを主体に進んでいくがサビでは低音Vo。声の響きがミステリアスで、始まった瞬間「おお…」となります。
耽美的な00:00~を再登場させる01:57~がいいアクセントで、02:21~のギター・ソロも緊張感があります。
「UNBØUND」
ズシンズシンと進んでいき、00:30~のギターが警戒度を高めます。
サビではゆがんだクリーンVoがいいテイスト。
「ATØMIC REVELATIØNS」のサビとは質の違う魅力的な歌声で攻めます。
「ØUTSIDER」
「UNHALLØWED」(『ØF KINGDØM AND CRØWN』収録)の00:36~のような歌メロが展開します。
00:43~、02:45~、02:54~にも要警戒。
メロディアスなVoとアグレッシヴなパートの対照的な攻めが光ります。
「NØT LØNG FØR THIS WØRLD」
ロブのどんよりしたヴォーカルが特徴的。
00:59~のストリングスがいい効果で、02:35~のメロディックなギター・ソロにも引き寄せられます。
「THESE SCARS WØN’T DEFINE US」
00:18~の警告音的ギターがかっこいい疾走曲。
ギターが伸びてソロに入る01:58~がエキサイティングで、ソロそのものにもテンションが上がります。
2024年のシングル・ヴァージョンではクリスティーナの声が前面に出る01:27~、02:41~に耳が反応します。
「BØNESCRAPER」
「MY HANDS ARE EMPTY」(『ØF KINGDØM AND CRØWN』収録)のようなスタート。
ヘヴィな演奏の中での00:12~がいい突っつき具合で、ミステリアスでキャッチーなサビ(00:57~) → ロブのVo1本(01:15~)の流れに気が引き締まります。
「ADDICTED TØ PAIN」
間隔を置いて超短く警告音を鳴らすギターが独特(00:04~)で、サビの歌メロには浄化作用があります。
02:17からはヒステリックなギター・ソロ。
サビとは相反するフレーズが刺激的です。
「BLEEDING ME DRY」
静と動のコントラストが秀逸。
静のパートをうまく組み込ませることで、警戒心を煽りまくる00:36~、劇的でヘヴィな01:39~がより一層際立ちます。
04:01~のメロディックなギターも染みます。
「SCØRN」
「ATØMIC REVELATIØNS」に通じるスタート。
『ØF KINGDØM AND CRØWN』のラスト「ARRØWS IN WØRDS FRØM THE SKY」のように進行していき、02:35からストリングスが強調されます。
「ARRØWS IN WØRDS FRØM THE SKY」も盛り上がる場面がありましたが、「SCØRN」のほうがエキサイティング。
ストリングスの導入が奏功しています。