オランダのシンフォニック・メタル・バンド、9作目。
これまでのすべての作品が序曲からの幕開けでしたが、『ASPIRAL』は序曲なし。
AMARANTHEのような「Cross The Divide」で始まります。
EPICAは『THE QUANTUM ENIGMA』(2014年)以降、サウンドと曲構成がより重厚になりました。
本作も濃密で壮大。
多くの展開を持つ曲調の中でシモーネ・シモンズ<Vo>のオペラティックなヴォーカル、マーク・ヤンセン<G/Vo>のブルータルなグロウルが繰り広げられます。
特にシモーネの歌は一級品ですね。
「A New Age Dawns」シリーズのPart VII ~ XIも収録。
- Prologue ~ Part III(2005年『CONSIGN TO OBLIVION』収録)
- Part IV ~ VI(2009年『DESIGN YOUR UNIVERSE』収録)
に引き続き、アルバム内に対象曲を散らしての配置となっていて、3曲とも高品質です。
「Cross The Divide」
マークのグロウルはなしですが、シンフォニック度を強めたAMARANTHEといった感じ。
ダイナミックな曲調の中でシモーネの高音Voが冴えます。
「Arcana」
01:22~が「The Skeleton Key」(2021年『OMEGA』収録)03:28~を思わせ、サビ前の配置が効果的。
04:19からよりスリリングになり、04:30からマークのグロウルが入ります。
「Darkness Dies In Light – A New Age Dawns, Part VII -」
「Design Your Universe “A New Age Dawns, Part VI”」(『DESIGN YOUR UNIVERSE』収録)がシリーズ完結編のようなエンディングでしたので、「A New Age Dawns」新章のようなオープニング。
ドンドン(02:38~) → 疾走(03:16~)にドキドキ感が増し、よりドラマティックになる04:24~にも気分が高まります。
05:00~のギターも心地良いです。
「Fight To Survive – The Overview Effect -」
ドンドンドン&音声 → カウントダウン → 本編の流れに痺れます。
一呼吸置く01:44~もいいアレンジ。
連打が効果的な03:46~にも燃えますし、途切れる04:02~も面白いです。
「Metanoia – A New Age Dawns, Part VIII -」
儀式のように始まり、00:27から悲壮感を漂わせます。
01:08から壮大になり、01:18からブルータルなリフを軸に進行。
サビ(03:11~)ではシモーネの伸びやかな歌声が披露され、きれいなバックVoも重なります。
「Apparition」
マークのグロウルと共にヘヴィな本編に入ります。
ミステリアスでかっこよく、曲とは異質のエネルギーを放つギター・ソロがまた面白い。
最後のサビ以降、マークが再び前面に出ます。
「Eye Of The Storm」
アグレッシヴに突き進む中、マークが吠え始め、サビではシモーネが曲名を絶品メロディで歌います。
ギター・ソロも刺激的で「Apparition」のような緊張感が漂います。
「The Grand Saga Of Existence – A New Age Dawns, Part IX -」
間隔を置きながらのマークのグロウル(01:57~) → シモーネによるサビへの流れが秀逸。
2回目のサビの後に中音域で展開する03:42~もすばらしいです。
04:18~にもゾクゾクしますし、05:08~で残虐性MAXになってサビに戻る構成も見事。
05:57からはギターが泣き、劇的かつ美しいエンディングに向かいます。