EPICA『ASPIRAL』

オランダのシンフォニック・メタル・バンド、9作目。

これまでのすべての作品が序曲からの幕開けでしたが、『ASPIRAL』は序曲なし。

AMARANTHEのような「Cross The Divide」で始まります。

EPICAは『THE QUANTUM ENIGMA』(2014年)以降、サウンドと曲構成がより重厚になりました。

本作も濃密で壮大。

多くの展開を持つ曲調の中でシモーネ・シモンズ<Vo>のオペラティックなヴォーカル、マーク・ヤンセン<G/Vo>のブルータルなグロウルが繰り広げられます。

特にシモーネの歌は一級品ですね。

「A New Age Dawns」シリーズのPart VII ~ XIも収録。

に引き続き、アルバム内に対象曲を散らしての配置となっていて、3曲とも高品質です。

「Cross The Divide」

マークのグロウルはなしですが、シンフォニック度を強めたAMARANTHEといった感じ。

ダイナミックな曲調の中でシモーネの高音Voが冴えます。

「Arcana」

01:22~が「The Skeleton Key」(2021年『OMEGA』収録)03:28~を思わせ、サビ前の配置が効果的。

04:19からよりスリリングになり、04:30からマークのグロウルが入ります。

「Darkness Dies In Light – A New Age Dawns, Part VII -」

「Design Your Universe “A New Age Dawns, Part VI”」(『DESIGN YOUR UNIVERSE』収録)がシリーズ完結編のようなエンディングでしたので、「A New Age Dawns」新章のようなオープニング。

ドンドン(02:38~) → 疾走(03:16~)にドキドキ感が増し、よりドラマティックになる04:24~にも気分が高まります。

05:00~のギターも心地良いです。

「Fight To Survive – The Overview Effect -」

ドンドンドン&音声 → カウントダウン → 本編の流れに痺れます。

一呼吸置く01:44~もいいアレンジ。

連打が効果的な03:46~にも燃えますし、途切れる04:02~も面白いです。

「Metanoia – A New Age Dawns, Part VIII -」

儀式のように始まり、00:27から悲壮感を漂わせます。

01:08から壮大になり、01:18からブルータルなリフを軸に進行。

サビ(03:11~)ではシモーネの伸びやかな歌声が披露され、きれいなバックVoも重なります。

「Apparition」

マークのグロウルと共にヘヴィな本編に入ります。

ミステリアスでかっこよく、曲とは異質のエネルギーを放つギター・ソロがまた面白い。

最後のサビ以降、マークが再び前面に出ます。

「Eye Of The Storm」

アグレッシヴに突き進む中、マークが吠え始め、サビではシモーネが曲名を絶品メロディで歌います。

ギター・ソロも刺激的で「Apparition」のような緊張感が漂います。

「The Grand Saga Of Existence – A New Age Dawns, Part IX -」

間隔を置きながらのマークのグロウル(01:57~) → シモーネによるサビへの流れが秀逸。

2回目のサビの後に中音域で展開する03:42~もすばらしいです。

04:18~にもゾクゾクしますし、05:08~で残虐性MAXになってサビに戻る構成も見事。

05:57からはギターが泣き、劇的かつ美しいエンディングに向かいます。

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