ハンス・ツィラー<G>を中心とするドイツのハード・ロック・バンド、通算18作目。
ディアン・メア<Vo>が2022年に加入し、以下の初期3作品新録を2023年にリリースしましたが、ディアン加入後のオリジナル・アルバムは初となります。
『DON’T TOUCH THE LIGHT』のように序曲で幕を開けます。
『DON’T TOUCH THE LIGHT』は「The Rising」 → ミディアムテンポの「Starin’ Eyes」という流れでしたが、本作『HIGHER GROUND』は「I Will Rise」から疾走します。
新録3作品でもそうでしたが、ディアンのヴォーカルが情熱的でかっこいい。
「I Will Rise」に加え、「I Died Tonight」など、曲によって歌メロに切なさが伴う場面があるのも魅力の1つで、分厚いバックVoと見事に融合しています。
疾走しながらパワフルさを優先させる「Lost All Control」もかっこいい。
疾走曲でも歌メロの質を変えて曲配置する手法が見事です。
「Rock’N’Roll Survivor (2024 Version)」は『FISTFUL OF FIRE』(2020年)収録曲の再録。
ヘヴィなアレンジになっていて、オリジナルにはなかった歌メロも登場します。
「Nostradamus」
雷雨 → 切ないピアノで始まる序曲。
00:29から劇的さが増し、気分が高まります。
「I Will Rise」
疾走曲。
エネルギッシュでありながら切なさも感じるサビは01:11~。
ギター・ソロは音域が下がる02:36~がいいアクセントです。
「Higher Ground」
ACCEPT「Balls To The Wall」(1983年『BALLS TO THE WALL』収録)のような始まりにガッツポーズ。
グルーヴィな演奏+中音域Voを軸に進んでいき、サビでは音域が上がって伸びやかになります。
02:19~のギター・ソロは予想外の音質。
湿っぽいです。
「I Died Tonight」
ゴージャスなサビがかっこよく、「I Will Rise」のサビのような切なさもあります。
ハーモニーに続くディアンの高音域での歌唱(01:21~)もすばらしいです。
「Lost All Control」
サビで力強く曲名を歌う疾走曲。
2番に入る前のギター(01:25~)に緊張感があります。
演奏パートの後にダダン!ダン!ダン!となってサビを再開する03:19~もうまいです。
「Come Hell Or High Water」
ドンドンしていてヘヴィ。
00:18からの不気味な笑い声や00:32~のトーキング・モジュレーターもいいスパイスです。
00:56からはミドルテンポ&メロディアスになるものの、01:12~で再度スロー&ヘヴィ。
ダークなオーラに包まれながらの加速・減速が秀逸です。
02:49~のファビオ・アレッサンドリーニ<Ds:ANNIHILATOR>によるドラム連打もエキサイティングでホラー要素が強くなる02:52~、奇妙な03:23~も聴きどころです。
「Rock’N’Roll Survivor (2024 Version)」
オリジナルは『FISTFUL OF FIRE』(2020年)収録。
トーキング・モジュレーターでスタートし、ギターがよりモダンでヘヴィになっています。
サビに行くまでの歌メロにも変化球があり、特に01:15~がなかなか(オリジナルの00:51~が上書きされています)。
03:26~もいい追加要素です。