アメリカのメタルコア・バンド、7作目。
『HARD FEELINGS』(2018年)以来、約7年半ぶりのアルバムです。
アグレッシヴに攻めるパートとクリーンVoで魅了するパートのバランス配分が絶妙で、アグレッシヴなパートではスクリームを効果的に駆使し、クリーン・パートではスリムでエモーショナルな声で魅了します。
ゲスト参加曲が3曲ありますが、どれも高品質。
- 「Somebody Else」…マシュー・フラッド<Vo:CASKETS>
- 「Drag Me Under」…Lochie Keogh<Vo:ALPHA WOLF>
- 「Fell So Hard, Felt So Right」…ダン・マーサラ<Vo:STORY OF THE YEAR>
アルバムの流れも良く、特に「mallxcore」~「Fell So Hard, Felt So Right」が最高です。
「mallxcore」
「mallxcore」はスクリームを軸にアグレッシヴに進行 → スローになって展開する切ないクリーンVoのサビがすばらしい。
「You Wear A Crown But You’re No King」(2013年『HOLLOW BODIES』収録)や「Cutthroat」(2018年『HARD FEELINGS』収録)でみせたアプローチにさらに磨きがかかっています。
「Wake The Dead」
2023年5月23日にシングルでリリースされました。
「mallxcore」同様、激しく進み、サビでテンポを変える構成。
「mallxcore」はスローなサビですが、この曲では比較的ノリ良く進みます。
01:03~の演奏も刺激的です。
「Venom」
連打を絡めながら攻めていき、ノリがいいクリーンのサビに移行しますが、サビ前にいったん引く00:44~が効果的。
チラッと前面に出る01:03~もいいフレーズです。
「Somebody Else」
「Somebody Else」にはマシュー・フラッド<Vo:CASKETS>が参加。
ノリ良く進行する中で響くノスタルジックな歌メロがとても魅力的です。
また、ささやき(01:57~) → スクリーム主体のアグレッシヴなパートが前半からは考えられない構成でとてもいい盛り込み方となっています。
「Drag Me Under」
「Drag Me Under」にはLochie Keogh<Vo:ALPHA WOLF>が参加。
2024年8月23日にシングルでリリースされています。
リズミカルに曲名を伸ばすクリーンのサビが心地良く、アルバム収録曲の中でも特に激しいアグレッシヴ・パートとのコントラストが見事です。
「Gallows」~「Fell So Hard, Felt So Right」
「さすがアルバム・タイトル曲!」ともいえる極上ナンバー。
郷愁感を醸し出す00:32~がいいですね。
わりと唐突にクリーンのサビに突入する構成が見事で、サビでは躍動感ある中で美メロが舞います。
刺激が増す01:19~も聴きごたえがあり、メロディックなギター、スクリーム、郷愁クリーンVoが重なる02:49~も濃厚で圧巻です。
03:03~は一瞬、デバイスが停止したかと思っちゃいます。
「Light The Flame」
00:16~の切ないギターがゆっくりと浸透。
歌メロも高品質で、音量低めのスクリーム(00:49~) → クリーンのサビの流れがたまりません。
2番はスクリームが主体となり、クリーンのサビに入る構成。
重厚な演奏に高音域のメロディックなギターを重ねる01:32~が効果的です。
「Fell So Hard, Felt So Right」
ダン・マーサラ<Vo:STORY OF THE YEAR>が参加。
STORY OF THE YEARはノスタルジックな歌メロが魅力ですが、その持ち味が生かされています。
メロディもハーモニーも絶品のサビに注目です。
CASKETS『THE ONLY HEAVEN YOU’LL KNOW』(2025年)
「Somebody Else」に参加したCASKETSは2025年11月7日に新作『THE ONLY HEAVEN YOU’LL KNOW』をリリース予定。
先行公開曲がかなりいいです。
『LOST SOULS』(2021年)も『REFLECTIONS』(2023年)も高品質でしたが、新作も期待できそうですね。