アメリカのメタルコア・バンド、4thフル。
2010年に『ATTACK ATTACK!』を発表していますが、当時は下記ラインナップ。
- ケイリブ・ショーモ<Vo/Key>
- ジョニー・フランク<Clean Vo/G>
- アンドリュー・ホワイティング<G>
- ジョン・ホルガード<B>
- アンドリュー・ウェツェル<Ds>
本作『ATTACK ATTACK! II』でプレイしているのは以下となっていて、アンドリュー・ウェツェル以外は異なるメンバーとなっています。
- クリス・パーケットニー<Vo>
- ライランド・ラウス<Clean Vo/G>
- キャメロン・ペリー<B>
- アンドリュー・ウェツェル<Ds/Key>
2013年にいったん解散し、2020年に再結成。
復活後は以下のEP3枚 → アルバム『ATTACK ATTACK II』という流れを踏んでいます。
- 『LONG TIME, NO SEA』(2021年)
- 『DARK WAVES』(2023年)
- 『DISASTER』(2024年)
EP3枚も充実していますので、記事ではEPについてもまとめています。
『ATTACK ATTACK! II』のみをご覧になりたい方はここをクリックしてください。
『LONG TIME, NO SEA』(2021年)
以下のラインナップで制作された再結成後初の音源。
- クリス・パーケットニー<Vo>
- アンドリュー・ホワイティング<G/Key>
- キャメロン・ペリー<B>
- アンドリュー・ウェツェル<Ds/Key>
「かわいいカウガール」ともいえる「Kawaii Cowboys」で始まります。
「Brachyura Bombshell」は音域を下げてクリーンで進行するサビが魅力的で、「Press F」はBULLET FOR MY VALENTINE「Knives」(2021年『BULLET FOR MY VALENTINE』収録)のようなスタートに燃えます。
この「Brachyura Bombshell」~「Press F」は曲間なしで畳みかける構成が見事ですね。
「All My Life」「Dear Wendy」は躍動感があってヘヴィな中、切ないメロディが舞い、「Dear Wendy」はグロウルにも哀愁が感じられます。
『DARK WAVES』(2023年)
以下のメンバーで制作。
- クリス・パーケットニー<Vo>
- ライランド・ラウス<Clean Vo/G>
- アンドリュー・ホワイティング<G/Key>
- キャメロン・ペリー<B>
- アンドリュー・ウェツェル<Ds/Key>
ライランド参加後初の音源となります。
「Dark Waves」はアグレッシヴな演奏とクリーンVoのかっこよさに加え、スクリームの途切れ(00:22~)や低音ヴォイス(00:36~、01:58~)など、細かい仕掛けが効果的です。
「KMSTL」はサビが名曲「A For Andrew」(『ATTACK ATTACK!』収録)に通じるようなすばらしさ。
いったん引いてきれいなハーモニーで魅せる03:16~もいいアクセントとなっています。
「Out Of Time」は重厚な演奏の中での低音クリーンVoがいい響きで、サビでは切ないメロディが舞います。
クリーンVoで魅せるナンバーが並びますが、グロウルのみの「Killing For Sport」のかっこよさも際立ちます。
本作を最後にアンドリュー・ホワイティング<G/Key>が離脱。
オリジナル・メンバーはアンドリュー・ウェツェル<Ds/Key>のみとなります。
『DISASTER』(2024年)
『ATTACK ATTACK! II』と同じ下記ラインナップでの制作です。
- クリス・パーケットニー<Vo>
- ライランド・ラウス<Clean Vo/G>
- キャメロン・ペリー<B>
- アンドリュー・ウェツェル<Ds/Key>
音が硬質になっています。
リズミカルで刺激的な「Concrete」はクリーンVoと激情スクリームの対比が見事で、「Disaster」はゆるめに進行するノスタルジックなサビが心地良く浸透します。
「Spitfire」はポジション的には『DARK WAVES』の「Killing For Sport」のよう。
スクリームを中心とした攻めでエキサイトさせてくれます。
「We All Meet Up In The End」はゆらゆらしながらのクリーンVoが独特で高品質。
01:51~のギターもなかなか燃えます。
『ATTACK ATTACK! II』(2025年)
エレクトロをうまく組み込みながら重厚な演奏が展開します。
音質は『LONG TIME, NO SEA』『DARK WAVES』の頃に『DISASTER』の硬質さを程良く加えた感じ。
全体的にクリーンVoが多めで、そのクリーンVoがかなり充実しています。
1曲目の「ONE HIT WONDER」から引き込まれること間違いなし。
サビでの切ないメロディがたまりません。
以降「Live, Love, & Die」まで全てがすばらしいです。
「Dance!」にはウィル・ラモス<Vo:LORNA SHORE>がゲスト参加。
女性の声がいい仕掛けで、サビでは「Dance」が心地良くエコーします。
「Chainless」はエモーショナルなクリーンVoのサビが心地良く浸透し、かけ声 → スローでヘヴィになる02:10~がまたいい転換点となっています。
「Walk On Water」はリズミカルでグルーヴィな演奏がかっこよく、00:18~の低音クリーンVoがとてもいい響き。
サビでは音域を上げて高品質なメロディが展開し、02:01~のスクリームの途切れも「Dark Waves」(『DARK WAVES』収録)の00:22~のようでいいアレンジです。
「Karmageddon」はスクリーム中心の躍動感があるナンバー。
『DARK WAVES』の「Killing For Sport」や『DISASTER』の「Spitfire」のような位置付けですね。
「Live, Love, & Die」は途切れ途切れの音で始まりますが、00:33から極上のサビに突入。
始まった瞬間グッときます。
美メロに酔っていると00:55から目が覚めるようなスクリーム。そしてまた01:12からサビ。
これは最高です。
以降は「Big Booty Britches」「Sacrifice」「Jump Jump!」がおすすめ。
「Big Booty Britches」キュートさと力強さを兼ね備えたかけ声(00:05~)が独特で、サビでは高音域で切ないメロディが舞います。
「Sacrifice」も「Big Booty Britches」同様、切ないサビが高音域で進行。
曲名と共にアグレッシヴな演奏に突入する00:55~や、より刺激的になる02:15~(「Chainless」の02:10~のよう)がいい切り替えポイントとなっています。
「Jump Jump!」は力強い曲名のコールとノスタルジックなサビがいい組み合わせ。
あくびのようなエンディングもツボです。