アメリカのメタルコア・バンド、10作目。
『VICTIM OF THE NEW DISEASE』(2018年)以来のオリジナル・アルバムで、一番長い間隔を経てのリリースとなります。
アグレッシヴな演奏と共にフィリップ・ラボンテ<Vo>の破壊力のあるグロウルと美しいクリーンVoで攻めるサウンド。
ゴリゴリしたグロウルをメインとしながらも残虐的に伸ばすパートもあり、その使い分けが効いています。
クリーンVoもかなり充実。
「Devine」「No Tomorrow」「Forever Cold」ではスローダウンさせて極上メロディで魅了する手法が見事ですし、「Let You Go」では歌と泣きのギターのコンビネーションが絶妙です。
- クリーンVoのみの「No Tomorrow」 → 3曲目
- グロウルのみの「Cut Their Tongues Out」→ 9曲目
という曲配置にもバランスの考慮が感じられます。
ラストの「Blood & Stone」もすばらしい。
アグレッシヴに攻めた後、美しく締めくくる構成に拍手です。
「Divine」
要所要所での機関銃のような連打がエキサイティング。
サビで曲名をきれいに伸ばす00:44~に浄化作用があります。
グロウルに続く02:29~のギターも心地良く浸透します。
「Kerosene」
連打をベースに進む中、00:09~で独特な足踏みをします。
グロウル+少しふわふわしたクリーンVo(00:41~) → クリーンVoのみのサビ(01:00~)への流れが特徴的。
クリーンVoの音域が下がってスロー&ヘヴィ(02:31~) → グロウル(02:52~) → 連打も力強く、狂気さが増す03:03~も迫力満点です。
「No Tomorrow」
全編クリーンVo。
メロディックに突っつく00:00~がなかなか快感です。
静かになってキラキラ(01:04~) → ドラムがストン(01:07~) → サビの流れがすばらしく、サビは歌メロの美しさにうっとりします。
02:49~、04:12~の衝撃音もいい効果です。
「The Piper」
美しく包容力があるイントロからシャープな演奏へ。
心地良いメロディックなフレーズ(00:46~)を挟んで、00:50から疾走します。
02:25からは狂気グロウル。
宇宙空間のような02:42~に引き込まれ、03:13からは貫通力のあるギターが放たれます。
「Forever Cold」
グロウルで攻めて、01:13~でドカンとなってスローダウン。
その後クリーンVoによる美メロが展開していきます。
間隔を置きながら連打する02:45~がエキサイティングです。
「Let You Go」
ノリが良くて鋭角的。
クリーンVoのサビでは泣きのギターも主張してきます。
悲鳴のような02:16~や高音域ギター・ソロ(02:39~)も刺激的です。
「Cut Their Tongues Out」
全編グロウル。
重戦車のようにドシンドシンと進んでいき、01:38から疾走します。
疾走してからも01:55~のようにスロー&ヘヴィなパートは維持。
爆発力のある音像に圧倒されます。
「Blood & Stone」
ドラマティックでキラキラする中、00:54~の高音域の泣きのギターにやられます。
そして01:27から疾走し、グロウル → クリーン → 残虐グロウル。
短時間での三種の唱法が生きます。
01:55からはクリーンVoメインでアグレッシヴに攻めます。
03:06~はWINGER「Junkyard Dog (Tears On Stone)」(1993年『PULL』収録)00:27~を加速させたようなかっこいいリフ。
04:43からは再び美しい演奏に。
キラリとするエンディングが素敵です。