通算15作目。
トミ・ヨーツセン<Vo>加入後では9作目になります。
トミ加入後初の『ECLIPSE』(2006年)以降は、多少のクオリティの差はあるものの、全作品が高品質。
今回も良作です。
- トミ加入後2作目『SILENT WATERS』(2007年)以来、アートワークに水鳥が登場
- トミ加入後5作目のタイトルが『CIRCLE』(2013年)で、本作の1曲目が「The Circle」
ということもあり、『SILENT WATERS』と『CIRCLE』を意識しながら聴くと面白いです。
前作『HALO』(2022年)はグロウルとクリーンの切り替えが頻繁でしたが、今回はどちらかをじっくり聴かせるスタイルで、クリーンVoのパートが増えています。
プロデュースはヤコブ・ハンセン。
意外にもAMORPHISと組むのは本作が初めてとなります。
「The Circle」
きらびやかでノリの良いオープニング・ナンバー。
明るめの雰囲気が新鮮です。
曲調は異なるものの、クリーンVoの歌メロ進行が少し『CIRCLE』の「Narrow Path」っぽいです。
03:38~のグロウルも安定のかっこよさ。
短い間ですが、いい感じにエキサイトさせてくれます。
「Bones」
『CIRCLE』の「Mission」にブルータルさを加味させた感じ。
ヘヴィでリズミカルな曲調の中で00:26~のミステリアスな演奏が映えます。
「Mission」は全編クリーンVoでしたが、こちらはグロウル → サビでクリーン。
躍動感がある中で高品質なメロディが展開していきます。
演奏パート(02:33~)はギター → キーボード → ギターの順に魅了。
徐々に気分を高めるフレーズ進行が秀逸です。
「Dancing Shadow」
「Bones」00:26~のような雰囲気で始まり、ノリ良く進行。
リズミカルになった「A New Land」(『HALO』収録)といった感じです。
耽美的なキーボード(00:30~) → クリーンVoの流れが絶品。
そしてサビでグロウルが入り、躍動感のあるメロディに適度な攻撃性を加えます。
演奏パートも充実。
「Bones」は高揚感が増すフレーズでしたが、この「Dancing Shadow」は高音域(03:04~)から音域を下げて哀愁度を強める攻めが効いています。
「Fog To Fog」
「The Circle」で「Narrow Path」に触れましたが、ここでは00:04~が「Narrow Path」00:00~のよう。
そして00:39からは「Seven Roads Come Together」(『HALO』収録)00:14~のように進行します。
トミはナチュラルなクリーンVoで盛り上げて、サビでグロウルを加えるスタイル。
2回目のサビの終わりでは、
トミの声が伸びる → 哀愁演奏パート
という最高の展開をみせます。
「The Strange」「Tempest」
「The Strange」は00:17~が「Shaman」(『SILENT WATERS』収録)00:32~のよう。
「Shaman」はクリーンVoのみでしたが次の「The White Swan」ではグロウルがありました。
この「The Strange」はクリーンとグロウルで高品質の歌メロが進行しますので、「Shaman」と「The White Swan」をブレンドさせた感じですね。
次の「Tempest」は静 → 動の展開を持つナンバー。
アルバム本編10曲の中の6曲目ですので、後半1曲目の位置付けになりますが、まるでラスト・ソングのような曲調で、グロウルにも切なさが感じられます。
「The Strange」で「Shaman」「The White Swan」がリンクしたこと踏まえると、「Tempest」の静のパート(00:00~)が「Black River」に通じます。
「Light And Shadow」
星空のようにキラキラして始まり、本編は適度にバスドラ連打を絡めて進行します。
トミはソフトなクリーンVo → サビの終わりにグロウルというスタイル。
強弱のつけ方がとてもうまいです。
夜空に向かって突き上げる系のギター・ソロ(02:38~) → グロウルもなかなか燃えます。
「Borderland」
「The Smoke」(『ECLIPSE』収録)をスローにした感じ。
クリーンVo → グロウルによるサビも「The Smoke」ですし、サビでグロウルと哀愁フレーズが見事に融合するところも「The Smoke」に通じます。