アメリカのメタルコア・バンドによる9作目。
全14曲中下記7曲が先行公開されていましたが、いい曲ばかりでした。
- Where The Flowers Never Grow
- Everybody Knows
- So Low
- For You
- Ritual
- Eyes
- Wave
特に「Everybody Knows」「So Low」「For You」「Ritual」「Eyes」はすばらしく、アルバムへの期待が高まるのと同時に「こんなに多く先行公開してしまうとアルバム・リリースされた際に新鮮味が薄れるのではないか」という不安もあったのですが、それは杞憂でした。
アルバム発表と同時に初出となる曲も高品質です。
前作『COLOR DECAY』(2023年)も傑作で前半~中盤にいい曲が集中していましたが、今回は後半も充実。
必殺チューン「Eyes」があるのも大きいです。
2025年後半に強力な作品がリリースされました。
メイソン・ナジ<B>が2025年7月31日に脱退を表明しており、『FLOWERS』リリース時点でのラインナップは下記となります。
- マイク・フラニカ<Vo>
- ジャレミー・デポイスター<G/Vo>
- カイル・シプレス<G>
- ジュゼッペ・カポルポ<Ds>
- ジョナサン・ゲーリング<Key>
「That Same Place」
女性の声とピアノで構成される切ない序曲。
最後の「It’s over」になかなかのドキドキ度で、次の「Where The Flowers Never Grow」が始まります。
「Where The Flowers Never Grow」
2025年8月21日にシングルでリリース。
躍動感があってノイジーな演奏な中でダイナミズムに満ちた歌メロが進行します。
気分が上向いていくサビがすばらしく、演奏が止まって曲名が前面に出る01:39~がまたいいアレンジ。
スクリーム(02:19~) → ヘヴィな演奏もかっこよく、03:19~のノスタルジックなバックVoも心地いです。
曲名をアグレッシヴにスクリームするエンディングもいい力強い締め方です。
「Everybody Knows」
2025年10月23日に先行公開された極上メロディアス・ナンバーです。
歌い出しからもうヤバい。
そしてサビで歌声が厚くなり、共感性の高いメロディが展開します。
曲名を伸ばすところは特にすばらしく、郷愁感に満ちたキーボードがVoと絶妙にマッチしています。
「Salt」(『COLOR DECAY』収録)の01:38~以降のような雰囲気もあります。
「So Low」
2025年9月11日にシングルでリリース。
この曲もサビがすばらしいです。
適度に切なさを漂わせながらのメロディがたまりません。
01:12~のヘヴィな演奏+ノスタルジックなバックVo、アコースティック・ギターを入れる3回目のサビなど、異なるパターンを組み込ませるアプローチがまた秀逸です。
「For You」
2025年4月17日にシングルでリリース。
サビで「you」を伸ばすところがとても素敵です。
そしてその後に極上メロディがリズミカルに展開。
ここまででもすばらしいのに、さらに01:23から高品質なメロディが続きます。
カオスになる01:39~もいいアクセントですし、ソフトな歌で締めるエンディングも見事です。
「All Out」
ズシンズシン響かせる重いギターが快感。
疾走パートを絡めながらアグレッシヴに進行します。
「Remember」が前面(00:45~) → スローなサビへの流れもかっこよく、クリーンVoにスクリームを被せるアプローチもキマッています。
1回目より歌声を響かせて劇的に展開する2回目のサビ(01:43~)もすばらしいアレンジです。
「Ritual」
2024年3月8日にシングルでリリース。
マイクの歌のテンションが徐々に上がっていき、00:46から混沌とし始めます。
サビでさらに激しくなるのかと思っていたら、割と通常モードでメロディアスなサビ。
押しと引きの手法が冴えます。
歌メロそのものもはやり高品質でさすが。
最初のサビより繰り返しを増やす02:11~も程良い刺激です。
最後のサビは控えめに顔を出す神聖なキーボード(03:01~)がいいですね。
「When You’re Gone」
00:12~のキリキリしたギターが刺激的。
本編では切ない歌メロが展開し、サビでは悲哀度がさらにアップ。
バックでは00:12~のキリキリ・ギターが見事にハマります。
曲調からややズレ気味の声がだんだんヒートアップし、ヘヴィな演奏パートに流れる01:55~もうまい盛り上げ方です。
「The Sky Behind The Rain」
軽くノックされる00:07~がいい突っつき具合。
もリズミカルかつミステリアスな1分間です。
「The Silence」
低音Voが前面 → ダンサブルな本編への流れを踏み、サビで躍動感が増します。
レトロゲームのような01:29~も面白いですし、80年代とも近未来ともとれるオーラが心地良いです。
「Eyes」
2025年10月2日に先行公開され、サビのすばらしさにノックアウトされた曲。
00:49~がたまらなく、「これからヤバいメロディがきそう」とワクワクします。
そしてサビでは切ないメロディが伸びていき、最後に哀愁スクリームという極上の展開。
子供の歌声が響く02:13~、02:53~もすばらしい追加要素ですし、03:13からはより劇的になります。
すばらしい!
「Cure Me」
静かなトーンでスタートし、バスドラが入り始める00:15から徐々に気分が高まります。
そしてハードでメロディアスなサビへ。
徐々にテンションを上げていく手法がすばらしく、サビは始まった瞬間ドキッとします。
スクリームをスパイス的に重ねるアプローチがまた見事です。
「My Paradise」
ソフトな「Wave」がピタッと止まって終わり、少し間を置いてからスタートします。
それまでの展開からは考えにくい感傷的なサビがたまりません。
最後の曲ならではの極上メロディ。
2回目のサビ以降がまたすばらしく、02:04からは郷愁感が強まり、02:14からは曲名を音量小さめに響かせます。
02:43~のスネア2回もいいアクセントです。