マックス・カヴァレラ<Vo/G>率いるSOUFLYの13作目。
『TOTEM』(2022年)以来、3年ぶりのアルバムです。
マックス以外のラインナップは下記となっていて、ザイオンはプロデュースにも関わっています(アーサー・リザークとの共同プロデュース)。
- ザイオン・カヴァレラ<Ds>…マックスの息子
- イゴール・アマデウス・カヴァレラ<B>…マックスの息子/ザイオンの弟
- マイク・デレオン<G>
『TOTEM』は前面に出すぎないマックスのヴォーカルの音量が絶妙でした。
本作でもそれが生かされた見事な音作りで、濃密な演奏とマックスの攻撃的唱法のバランスが見事です。
「Ghenna」にはマイケル・アモット<G:ARCH ENEMY, SPIRITUAL BEGGARS>がゲスト参加しています。
「Indigenous Inquisition」「Storm The Gates」
ダークでトライバルな序曲「Indigenous Inquisition」から「Storm The Gates」へとつながります。
「Storm The Gates」は打楽器をカンカン響かせながらスタート。
本編はザイオンの硬質なドラムを軸にアグレッシヴかつカオスに進行し、マックスのエネルギッシュなヴォーカルがハマります。
02:02~の連打にも燃えますし、02:20~の打楽器もいいテイストです。
「Nihilist」
スネアが入ると同時にミステリアスな空間が広がる00:05~のアプローチが秀逸。
奥行きがある音像の中でマックスのVoの心地良く響き渡ります。
切なさを漂わせるギター(01:44~) → もだえるようなVo → スローでヘヴィになってエンディングに向かう構成も聴きごたえがあります。
「No Pain = No Power」
デビュー作『SOULFLY』(1998年)に「No Hope = No Fear」がありましたが、似たようなスタートです。
ヴォーカルの入り方が「Superstition」(『TOTEM』収録)のようでかっこいい。
間隔を置いての力強いかけ声(00:34~)にも気合いが入りますし、ゆがんでメロディアスになる00:52~がまたいいですね。
加速して残虐的になる01:48~にもテンションが上がります。
ディーノ・カザレス<G:FEAR FACTORY>がリズム・ギターで参加しています。
「Ghenna」
マイケル・アモット<G:ARCH ENEMY, SPIRITUAL BEGGARS>が参加。
2分弱なので、泣きのインストかと思っていたのですが、全く逆でした。
超アグレッシヴ。
00:00~のキリキリしたギター、00:24~の連打が刺激的。
特にエモーショナルに進行する01:08~にマイケルらしさが感じられます。
「Favela / Dystopia」
疾走しながら進んでいきますが、00:39から減速し不気味になります。
どこかで疾走再開しそうな雰囲気があるのですが、そうはならず。
それまでの展開からは想像しにくい01:33~の高音域ギターがなかなかのインパクトです。
「Always Was, Always Will Be…」
夜の森で儀式が行われているかのよう。
00:06~のドドンドドンドドンがかっこいいです。
不気味さが加わる00:54~がまたいいテイスト。
中盤リズミカルになり、後半は再び前半の雰囲気に戻りますが、爆発力が増す02:47~がエキサイティングです。
「Chama」
前半はズシンズシンしたギターとエコーがかかったマックスのヴォーカルが心地良いです。
01:26からは疾走し、混沌とした展開。
重みがあってリズミカルな02:09~も快感です。
後半は静かになりますが、切なくドラマティックになる03:09~がエンディングにぴったりですばらしいです。