ウルフギャング・ヴァン・ヘイレン<Vo/G/B/Ds/Key>のハード・ロック・プロジェクトによる3作目。
前作『MAMMOTH II』(2023年)までのプロジェクト名はMAMMOTH WVHでしたが、MAMMOTHに改名しました。
シンプルですし、私たち日本人にとっても言いやすいですね。
アルバムは『MAMMOTH II』同様、全10曲。
トータルでは「MAMMOTH II」より短く、39分というコンパクトな長さです。
勢いあるナンバーが多く、『MAMMOTH II』のハイライトの1つでもある「I’m Alright」のような「Better Off」があるのもうれしい(どちらもアルバム7曲目)。
2025年はVAN HALEN『BALANCE』30周年ですが、この「Better Off」に「Don’t Tell Me (What Love Can Do)」(『BALANCE』収録)の始まりに通じる箇所があります。
「One Of A Kind」
5分半のオープニング曲。
アルバム収録曲の中で最長です。
『MAMMOTH II』の感動的なバラード「Waiting」を思わせる始まりですが、本編は「Another Celebration At The End Of The World」のようなアップテンポのハード・ロック。
進行するにつれて高揚感が増す歌メロが秀逸です。
終わったかと思わせて約1分半続ける04:05~もうまい。
ここからも素敵なメロディが展開します。
「The End」
オープニングのギターがエキサイティング。
これを軸にシャープに進行します。
ベースが前面に出る(01:15~) → 伸びやかなサビ → ドラムが暴れる(01:31~)構成も見事で、01:31~を拡大させながらのエンディングにまた燃えます。
「Same Old Song」
骨太でリズミカル。
AMARANTHE「Drop Dead Cynical」(2014年『MASSIVE ADDICTIVE』収録)のようでかっこいいです。
どこかにグロウルが入ってもおかしくない曲調。
「今後、グロウルのシンガーとの共演曲も面白いかも」と思わせてくれるナンバーです。
要所要所で前面に出るピアノもいいテイストです。
「The Spell」
QUEENSRŸCHE「Last Time In Paris」(1990年)のようなスタート。
そして00:18~も「Last Time In Paris」00:12~のようです。
00:47~で軽く突き上げて、共感性の高いサビに流れていく展開が心地良い。
ブイブイする02:09~もいいアクセントです。
「Happy」
HALESTORM「Amen」(2015年『INTO THE WILD LIFE』収録)のような雰囲気でスタート。
ゆがみながらも高品質な歌メロが展開します。
程良くクレイジーなギター+「Yeah」の01:33~や一瞬キリッとする02:23~が特徴的。
歌メロをベースとしたギター・ソロにも引き込まれます。
「Better Off」
『MAMMOTH II』の「I’m Alright」のような位置付け。
キャッチーな00:19~がいいメロディで、伸びのある歌とポジティヴなギターがいいコンビネーションです。
上述の「Don’t Tell Me (What Love Can Do)」の始まりっぽいのは01:52~。
その後ピタッと止まってギター・ソロに入る展開もかっこいいですし、ソロそのものもエネルギッシュ。
背中を後押しするような02:23~、03:20~も「I’m Alright」04:16~に通じます。
「Selfish」
勢いある中での突っつき(00:13~)が刺激的です。
サビは高音域で伸びのある歌メロ。
少しカオス(02:14~) → ヒステリックなギター(02:25~)もいい流れです。