ミカエル・アーランドソン率いるメロディアス・ハード・ロック・バンドの6作目です。
年末に新作を届けてくれるミカエル。
2024年はMIKAEL ERLANDSSON名義での『THE SECOND 1』でしたが、2025年はAUTUMN’S CHILDでのリリースとなり、AUTUMN’S CHILDとしては『TELLUS TIMELINE』(2023年)以来、2年ぶりのアルバムです。
『TELLUS TIMELINE』に通じる清涼感のある作風でありながらも「Headlines」「Dead Cold」のようなシリアスなナンバーも収録。
ミカエルはシリアスな楽曲もかっこよくキメてくれるので、これはうれしい配置です。
AUTUMN’S CHILDは、
- 『AUTUMN’S CHILD』(2019年)の「Heaven Knows Your Name」
- 『ZENITH』(2021年)の「Damaged Goods」
- 『STARFLOWER』(2022年)の「It’s Not Too Late」
のように高品質な本編ラストが多いですが、今回は想定外かつ上質の「Dead Cold」で締めます。
【メンバー】
ミカエル・アーランドソン<Vo/Key/G>
ポンタス・オーケソン<G>
マグナス・ローゼン<B>
ロバン・バック<Ds>
クラエス・アンドレアソン<Piano>
「Heartbreak Boulevard」
80年代を思わせるキーボードが特徴的です。
00:48~のきれいな歌メロはAUTUMN’S CHILDならでは。
そして01:01~でいったん引いて、サビでは音域を上げてハードに展開。
アクセントのつけ方がうまいです。
演奏パートではギターとキーボードが交互に魅せます。
「Pray For The King」
哀愁フレーズ(00:42~) → 透明感のあるサビがすばらしい流れ。
2回目のサビでは繰り返される歌声がより前面に出るアレンジで、ミカエルが音域を上げる02:06に胸が熱くなります。
「Heartbreak Boulevard」同様、ギターとキーボードが交互に魅せる演奏パート(02:22~)も聴きどころですし、スリリングさが増してエンディングに向かう03:34~もかっこいいです。
「Fight To Love Again」
DEF LEPPARD「Armageddon It」(1987年『HYSTERIA』収録)+BON JOVI「Runaway」(1984年『BON JOVI』収録)っぽい始まりです。
ゆっくりと高品質なメロディを歌ってから躍動感のあるサビに移る構成が見事で、「Heartbreak Boulevard」同様、強弱のつけ方が光ります。
01:13~は泣きのフレーズと骨太ベースがいいコンビネーション。
高音域キーボード(02:18~) → 中音域哀愁ギターで進む演奏パートも聴きごたえがあります。
「Singalong」
ドライヴ感のあるナンバー。
ミカエルは少し緩めに歌い始めます。
そして、サビでは清涼感のある最高級メロディ。
メロディ、声質共に最高で、00:59から熱量を上げるパフォーマンスがまたすばらしいです。
02:56~のピアノもナイス。
ここもサビと同じく、進行するにつれてどんどんハードになっていきます。
「A World Without Love」
感動的なバラードです。
特に前半は「Victory」(『AUTUMN’S CHILD』収録)のような雰囲気があります。
歌い始めの低い音域はエリック・マーティンを思わせ、MR. BIG「Just Let Your Heart Decide」(2014年『…THE STORIES WE COULD TELL』収録)のようでもあります。
ギターがフェードインしてくる00:37~でワクワク。
そしてその後は優しく包容力のあるメロディが展開します。
- 中盤:動と静を切り替え
- 後半:劇的度が増す
という展開も秀逸です。
「Highway To The Sky」
始まりのドラムに気分が上向きます。
少しGOTTHARD「Lift U Up」(2005年『LIPSERVICE』収録)っぽいです。
00:35からは「Heaven Knows Your Name」をテンポアップさせたような感じで進行。
明るく楽しいナンバーです。
「Headlines」
冒頭に書いたシリアスな曲①。
ヘヴィなギターを軸にかっこよく進行する骨太ナンバーです。
01:20~のエフェクト声もいいスパイス。
後半も、
- ミカエルの高音域(02:55~) → オープニングのギター → キラキラ&ドコドコ
- ミカエルの声(03:23~)→ ギター・ソロ
というエキサイティングな展開に引き込まれます。
「Rock Of Empathy」
ドッシリとした中でのダイナミックなメロディ(00:16~/サビ)がかっこいいです。
本編が始まると、ミカエルはエネルギーを抑え気味の唱法。
そして既出のサビに移行します。
いったんサビから始まっているので、サビ前のパフォーマンスが際立ちます。
ギター・ソロもエネルギッシュです。
「Dead Cold」
シリアスな曲②。
VAN HALEN「Ain’t Talkin’ ‘Bout Love」(1978年『VAN HALEN』収録)をスローにしたような始まりです。
ミカエルは歌い始めからかっこよく、「Dead」と「Cold」を分けた歌い方がハマっています。
ラストにこういったミステリアスなナンバーを配置するのは意外。
でもかっこいいです。
『STARFLOWER』のキラー・チューン「I Can’t Get Enough」のような感じでもあります。
「1995」(2022年『STARFLOWER』収録)
11月21日にTREATが『THE WILD CARD』をリリースしていますが、収録曲の中に「1985」がありました。
AUTUMN’S CHILDは前々作『STARFLOWER』(2022年)に「1995」を収録。
「1985」と「1995」を聴き比べるのも面白いです。
とちらも懐かしさを感じさせる曲調でありながらも「1985」はTREAT持ち味の哀愁メロディ、「1995」はポジティヴで力強いメロディで引き寄せます。