RATTが未発表曲「Reach For The Sky」をリリースしてくれたので、初めて彼らを観た1991年横浜公演のことを思い出しながら書きました。
『DETONATOR』(1990年5作目)のツアーです。
人生二度目のライヴで当時私は高2。
同じ学校のRATT N’ ROLLER2人と観に行きました。
【来日メンバー】
スティーヴン・パーシー<Vo>
ロビン・クロスビー<G>
ウォーレン・デ・マルティーニ<G>
フォアン・クルーシェ<B>
ボビー・ブロッツァー<Ds>
公演日/会場
- 1991年2月11日(月・祝):神奈川・横浜文化体育館
今は横浜BUNTAIという名前で建物も新しくなっています。

開場前に聞こえてきた「Lovin’ You’s A Dirty Job」に鳥肌
開場待ちで並んでいる時、バンドがリハーサルしていた「Lovin’ You’s A Dirty Job」が会場の外に聞こえてきました。
音の大きさに建物のガラスが音を立てて揺れていて「あとでこれを生で聴けるのか!」とワクワクしたものです。
開演前のBGM
最初かかっていたのはDEF LEPPARD『PYROMANIA』だったと思います。
その後QUEENSRŸCHE『OPERATION:MINDCRIME』に変わり、5曲目「Speak」の01:35~に差し掛かったところで突然暗転。
開演前に別の曲がさらに大きな音量でかかるのだろうと思っていたので、これには驚きました。
しかもスーッと明かりが消えるのではなく、武道館のようにパッと会場が真っ暗になったので、余計ビックリです。
驚きと同時に歓声が起こり、ショウがスタートしました。
セットリスト
日本公演前の海外ツアーとは異なるセットリストでした。
『DETONATOR』からは「One Step Away」が外され、代わりに「Hard Time」をプレイ。
旧譜からは「You’re In Trouble」が加わり、本編、アンコールの曲順も変わっていました。
Intro To Shame
Shame Shame Shame
You’re In Love
Wanted Man
Slip Of The Lip
Back For More
Scratch That Itch
Heads I Win, Tails You Lose
Hard Time
Givin’ Yourself Away
The Morning After
Lovin’ You’s A Dirty Job
You Think You’re Tough
You’re In Trouble
Way Cool Jr.
Walking The Dog
Round And Round
ENCORE:
Lay It Down
Top Secret
席は1階の右前方(前から20列目ぐらいのウォーレン側)。
メンバーの表情もよく見えて、なかなかいい席でした。
1階は満席でしたが、2階スタンドは9割が空席でした…。
印象に残っている曲
「Intro To Shame」
アルバムではギターのみですが、ライヴではスティーヴン以外の4人が演奏。
かなりエキサイティングなアレンジになっていて、その後「Shame Shame Shame」に突入しました。
「Shame Shame Shame」
スティーヴンの声もよく出ていて、オープニングにぴったり。
ゾクゾクするほどかっこよかったです。
「You’re In Love」
海外ツアーでは「Lay It Down」が2曲目でしたが、日本公演は「You’re In Love」。
この曲順のほうが「Shame Shame Shame」の勢いを引き継げます。
サビでバックVoを務めながら左手で煽るフォアンがよかったです。
「Wanted Man」
スティーヴンのMCに導かれてスタート。
スローでダイナミックなナンバーは生演奏でも迫力満点。
静かな00:40~もちゃんとキマッていました。
ライヴでの演奏は03:32までで、その後「Slip Of The Lip」に移行。
うまいつなげ方でした。
「Slip Of The Lip」
アルバムで聴くよりグルーヴィでリズミカル。
スティーヴンが私たちのエリアに向けて指をさしながら歌ってくれたのでうれしかったです。
「Back For More」
アコースティックのイントロがカットされ、00:31から始まりました。
エンディングはピタッと終わるアレンジでその後「Scratch That Itch」へ。
これもいいつなげ方でした。
「Scratch That Itch」
アルバムで聴いていた時から「ライヴで盛り上がるだろうな」と思っていて、やはり期待どおり
サビの「Scra~tch!」に燃えました。
「Hard Time」
高音域Voの曲ですが、「Even your soul~」(01:04~)のところは低い音域で歌っていて、これがなかなかよかったです。
お気に入りの01:49~もちゃんと再現されていました。
「Givin’ Yourself Away」
00:00~とスティーヴンの低音による「You say you don’t want me」(00:17~)の歌い始めが大好きなバラード。
ライヴでも感動的でした。
音域が上がる03:50~はかなり歌いづらそうでした。
「The Morning After」
バラードの後に勢いあるナンバーを持ってくるナイスな配置。
ザクザクした曲調が快感でした。
「Lovin’ You’s A Dirty Job」
開場前に外で聴いてゾクゾクした曲です。
アルバムとは異なる形で00:05に突入。
サビではフォアンの歌声がよく響いていました。
「Slip Of The Lip」同様、アルバムよりダンサブルになっていて、01:23~はスティーヴンのVoがヒップホップみたいになっていましたが、「これはこれでOK」と思えるぐらいポジティヴなオーラを放っていました。
「You’re In Trouble」
00:31~が聞こえてきたところでようやく「You’re In Trouble」と分かりました。
ライヴで聴けるとは思わなかったので、予想外の選曲にうれしくなりました。
「Lay It Down」
海外ツアーでは「Shame Shame Shame」の次に演奏されていましたが、日本公演はアンコールの1曲目。
「Lay It Down」はショウの終盤に配置されるほうが映えると思いました。
02:03~はスティーヴンが普通の声で歌う形にアレンジしていました。
なぜか覚えていない「Round And Round」「Top Secret」
「なんでこの2曲のことを覚えていないんだ」といった感じですが…。
アルバム・ヴァージョンもお気に入りですし、本編最後、アンコールのラストということもあり、エキサイトしていたことは間違いありません。
終演後のBGMはなし
確か何もかかっていなかったはずですが、RATTの曲では「Closer To My Heart」(1985年『INVASION OF YOUR PRIVACY』収録)なんかが合いそう。
あるいは「Scene Of The Crime」(1984年『OUT OF THE CELLAR』収録)や「Enough Is Enough」(1986年『DANCIN’ UNDERCOVER』収録)も。
RATTはアルバムのラスト・ナンバーが全部名曲ですからね。
充実感に包まれながら会場を後にする
想像していた以上に楽しかったです。
音も大きくて迫力満点。
一緒に行った友人2人も大満足で「予想の3倍よかった」「もっと売れてもおかしくないのに」と言っていました。
2人のうちの1人は海外のセットリストを暗記していたようで「2曲目の”You’re In Love”が始まった時、”Lay It Down”がセットリスト落ちしてしまったのかと不安になったけど、アンコールで演ってくれてよかった」とも振り返っていました。
RATTのライヴに関しては、
- スティーヴンのコンディションがその日のショウの出来を左右する。音程を外すことも珍しくない
- 一方でスティーヴンの調子がいい時はアルバムより何倍以上も楽しめる。ツボにハマった時の威力はハンパない
という評判があり、観るまで少しヒヤヒヤしていたのですが、この日の横浜公演は間違いなく後者でした。