RATT「Reach For The Sky」

RATTが2024年10月11日に未発表曲「Reach For The Sky」をリリースしてくれました。

2024年で40周年の1stアルバム『OUT OF THE CELLAR』(1984年)制作時にレコーディングされた音源のようです。

RATTの新しい音源が聴けてうれしいので記事にしました。

「Reach For The Sky」の感想

なかなかかっこいい曲です。

00:02~のギターがまずいい。

ロビン・クロスビー<G>とウォーレン・デ・マルティーニ<G>のツイン・ギターが生かされていますね。

00:15からスティーヴン・パーシー<Vo>が歌い始めますが、声と唱法がやはり独特。
曲名を歌う00:47~なんかは特にそう思います。

01:05~では、後に『DETONATOR』(1990年)に収録される「Heads I Win, Tails You Lose」(ジョン・ボン・ジョヴィがゲスト参加)が歌詞に出てきます。

01:51からのギター・ソロもエキサイティング。
ロビンとウォーレンがパートを分けているのかもしれません(分岐点は02:06~でしょうか)。
ノイジーになる02:20~もいいですね。

03:08~もナイス。

ここで曲が終わりそうな感じがしますが、

スティーヴンの歌(03:18) → ギター(03:22~) → 再び歌

という引っ張りが効いています。

『REACH FOR THE SKY』(1988年)

1984年にレコーディングされた「Reach For The Sky」はアルバム『OUT OF THE CELLAR』には収録されず、この曲名は1988年4作目のアルバム・タイトルとなりました。

リリース当時の『REACH FOR THE SKY』の評価は高くなく、私も初めて聴いた時は「前作『DANCIN’ UNDERCOVER』(1987年)に比べるとインパクトがないなあ」と思いましたが、聴いていくうちに「いいかも」と印象が変わっていきました。

今ではお気に入り曲が多いアルバム。

良作です。

おすすめ曲
  • City To City…街のSEから演奏に入る00:14~が抜群にかっこいい。00:42からスティーヴンの歌が入ると「ああ、RATTだなあ」となる。01:00~の歌い方も独特でフォアン・クルーシェ<B>のバックVoも心地良く響く。加速(02:10~、03:03~)の組み込ませ方も効果的で、終わり方も力強い。ロビンはこの曲を「ヘヴィ・メタルだね」と表現していた

  • I Want A Woman…アルバムからの第2弾シングル。軽快でキャッチーなサビが最高。同年リリースされたCINDERELLAの名バラード「Don’t Know What You Got (Till It’s Gone)」(『LONG COLD WINTER』収録)が歌詞に含まれる(00:39~)。02:22からのギター・ソロもすばらしい

  • Way Cool Jr.…第1弾シングル。それまでにはなかったタイプの曲で00:07~が独特。ブルージーな曲調にスティーヴンのヴォーカルもハマっている。曲名をゆっくり伸ばすサビが印象的

  • Chain Reaction…00:00~の連打にKO。その後はメタリックに進む。本編の歌メロは高音域中心でわりと普通なのだが、スティーヴンのみでの曲名(02:54~) → バックVoによる曲名がいい流れ。『REACH FOR THE SKY』ツアーではこの曲が最後に演奏されていた

  • No Surprise…ホワホワしたハーモニーでスタート。このメロディがサビになるのだが、演奏の中でカチッとハマる。01:54~がまたすばらしく、02:11~で音域を上げるスティーヴンがキマッてる

  • Bottom Line…00:23~のスティーヴンの歌メロが「City To City」に通じる。00:43~の歌い方も独特で、サビ(00:56~)では心地良いメロディが長時間続く。02:00~からはゴージャスなバックVoが重なり、メロディそのものもすばらしい。「No Surprise」同様、この曲も中間部で魅せる

  • What’s It Gonna Be…00:00~の哀愁ギターに即効性がある。スティーヴンのリードVo(00:46~) → バックVo(00:48~)とサビ(01:00~)が絶品。02:46~もワクワク感を起こさせるメロディで、スティーヴンが音域を上げる03:01~では気分が最高潮に達する。確か第3弾シングルとして予定されていたはず(結局シングルカットされなかった)

  • What I’m After…RATTは全作品の最後のナンバーが名曲。ノリの良いサビ(00:49~)が心地良く、02:07~のメロディもフックがある。「No Surprise」からこの「What I’m After」までは中間部のパートも秀逸

本作からは「Way Cool Jr.」「I Want A Woman」の順にシングルカットされ、ミュージック・ビデオ(MV)も制作されました。

特に「I Want A Woman」はRATTのMVの中でも最高の出来。

ロビンとウォーレンが並んでソロを弾く02:56~はこみ上げてくるものがあります。

今はもう観ることができない光景ですからね。

『TITLES』の構想

バンドは『REACH FOR THE SKY』の2年後に5作目『DETONATOR』をリリースしますが、その『DETONATOR』発売前のインタビューでスティーヴンが「アルバム・タイトル曲のみで構成される作品『TITLES』を出す計画もある」と話していました。

音質は悪いですが「Out Of The Cellar」はこちらで聴けますし、「Invasion Of Your Privacy」(1985年2ndのタイトル曲)という曲もあったようです。

RATTは全アルバムの本編にアルバム・タイトル曲が収録されていません。

2024年の「Reach For The Sky」を機に、他の未発表アルバム・タイトル曲も聴いてみたいですね。

喜ぶファンは多いはずですから。

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