元OPETHのマーティン・ロペス<Ds>が在籍するスウェーデンのバンドの7作目。
マーティンはOPETHでは以下の作品で叩いていますが、コンパクトな長さで重厚に展開する楽曲の中に『DAMNATION』のような静かなパートもうまく組み込ませます。
- 『MY ARMS, YOUR HEARSE』(1998年)
- 『STILL LIFE』(1999年)
- 『BLACKWATER PARK』(2001年)
- 『DELIVERANCE』(2002年)
- 『DAMNATION』(2003年)
- 『GHOST REVERIES』(2006年)
ジョエル・エケロフ<Vo>はクリーン・ヴォーカル主体で、激しい声は「Primal」で一瞬吠えるぐらい(←タイミングがすばらしい)。
強弱をつけた歌唱が見事で、静かなパートはミカエル・オーカーフェルト<Vo/G:OPETH>のクリーン・ヴォーカルに通じ、音域を上げるとジェフ・スコット・ソートっぽく聞こえます。
後半は前半の曲に似たナンバーがいくつか登場するのですが、ラストの「Vellichor」が期待以上のすばらしさ。
センチメンタルなメロディ構成に圧倒されます。
「Primal」
どっしりと進んでいき、00:29からソフトなジョエルの歌が入ります。
00:46から音域を上がりますが、ここからはやはりジェフ・スコット・ソートのように聞こえます。
ヘヴィな音像にもハマっていて、歌声+ドン!(01:25~) → メロディアスなサビへの流れも最高。
吠えて気合いを入れ直す01:45~もかっこいいですし、どんよりし始める02:57~もいいアクセントです。
「Mercenary」
間隔を空けてのジョエルの歌い出し(00:20~)がユニーク。
00:41からは美しい歌メロが広がり、うっとりします。
そしてどんどん静かになってサビ。
高音域の魅力的なメロディが響き渡ります。
ギター・ソロも始まりの高音域がいい刺さり具合ですし、ダークでメランコリックな02:23~もSOENならではの挿入パートですね。
1回目のサビになかった歌メロで畳みかける03:28~も素敵です。
「Discordia」
静と動の切り替えが頻繁なナンバーで、動への切り替え方が秀逸です。
1回目(00:41~)は歌声の音域を上げてからスローでダイナミックな演奏。
2回目(01:51~)はそれまで以上にヘヴィになり、つまづき気味に進行しますが、ここはかなり強烈です。
02:24~の優しいフレーズもいいですね。
03:34からは01:51~が再度登場してエンディングを迎えます。
「Axis」
シャープな曲調。
「Mercenary」のようにちょっとため込んだような歌い方が特徴的です。
ギター・ソロは中音域 → 高音域の攻めがエキサイティング。
わりと唐突に静かになる02:37~もいいアクセントですし、03:48~の重厚なリード・ギターも快感です。
「Huntress」
スローな曲調を軸に動 → 静の流れを踏みます。
動は弾力性があってヘヴィで、静はどんより。
静のパートはとことん沈むので再び動のパートになった時のインパクトが大きいです。
ジョエルのアツい高音域のVo(03:06~) → エモーショナルなギター・ソロもすばらしい流れです。
「Unbound」
「Primal」と「Mercenary」を足したような感じです。
静か(02:10~) → ギター・ソロ(02:52~)がいい構成で、ギター・ソロは切ない始まりにKO。
ポカポカさせられる03:54~も効果的です。
「Indifferent」
切なく美しいバラード。
ソフトな低音Vo → 音域を上げてのジョエルの唱法が光ります。
特に2回目のサビ(02:07~)からエンディングに向けての展開がすばらしいです。
「Drifter」
「Huntress」のよう。
01:48~のヘヴィな演奏パートが刺激的で、以下の段階的なアクセントのつけ方もうまいです。
- どんより(02:12~) → ジョエルの声が前面(02:34~) → ヘヴィなパートへ
03:09からは曇りながらも魅力的な歌声とギターで魅了します。
「Draconian」
「Mercenary」のよう。
ややため込みながら歌って、サビで音域を上げるのですが、サビのメロディがとても充実しています。
エネルギッシュで程良く突き上げる感じがいいですね。
中盤の長めの静かなパートの後にちょこっと突っついて(03:27~)、サビに移る攻めもいいアプローチです。
「Vellichor」
絶品のラスト・ナンバー。
OPETH「A Story Never Told」(2024年『THE LAST WILL AND TESTAMENT』収録)のような感じもあり、01:57~のメロディにはうっとりさせられます。
ギター・ソロも鳥肌モノでしかも2回。
1回目は02:21~、2回目は03:32~で、03:57からはジョエルの歌が切なく響き渡ります。
最高です。
W.E.T.『APEX』(2025年)
ジョエルの歌声はジェフ・スコット・ソートに似ている時があるので、ジェフが歌っているこちらも一緒に聴きましょう。
『APEX』の中では「Pleasure & Pain」がちょっとSOENっぽいです。
全体的には、
- SOEN『RELIANCE』…陰サイド
- W.E.T.『APEX』…陽サイド
といった聴き比べが楽しめます。