ホラー映画の監督でもあるロブ・ゾンビのソロ8作目。
『THE LUNAR INJECTION KOOL AID ECLIPSE CONSPIRACY』(2021年)以来、約5年ぶりのアルバムです。
本作からオリジナル・バンド・メンバーのマイク・リッグス<G>とロブ“ブラスコ”ニコルソン<B>が復帰。
ドラムは『VENOMOUS RAT REGENERATION VENDOR』(2013年)からプレイしているジンジャー・フィッシュ<Ds>が引き続き叩いています。
ホラーチックかつヘヴィな音像の中でロブの個性的かつ邪悪なVoが響き渡ります。
怪奇的でありながらもドロドロしすぎず、力強さを維持しているのも魅力。
「Satan」では本編の歌詞が「東京」で始まります。
「F.T.W. 84」
ロブならではのホラー映画のような雰囲気の中、不気味な女性の声が響き渡り、スローでミステリアスな演奏が始まります。
本編はノリ良く進行。
00:34~のキーボードが「Bring Her Down (To Crippletown)」(2001年『THE SINISTER URGE』)をひん曲げたような感じでワクワクします。
エフェクトのかかったロブの歌声がカオスな雰囲気を醸し出していて、勢いのある曲調と見事にマッチ。
再度減速し力強い声が伴う03:31~もいい締め方です。
「Tarantula」
「We must die」の「die」がエコー → ゲームのような音 → ジリジリした演奏が独特。
本編ではロブのノーマルな歌声 → エフェクト声 → 連打が刺激的です。
ロブの声のみになった後のギターのひねくれ具合(00:55~)や音量低めの「die」と同じタイミングでのスネアのカウント(02:09~)もユニーク。
ラストは「F.T.W. 84」のようにスローになってヘヴィに進行… と思っていたらすぐに曲が終わります。
「(I’m A) Rock ‘N’ Roller」
00:04~の男性低音ヴォイスがいい響き。
歌い出しのロブがアリス・クーパーのようです。
スクリーム(00:48~)の後に勢いが増しそうですが、ここではまだそうはならず再度引きます。
2回目のスクリームの後、骨太な本編へ。
オジー・オズボーンが参加した「Iron Head」(『THE SINISTER URGE』収録)をリズミカルにしたような感じでかっこよく、歌メロがGRAVE DIGGER「Kingdom Of Skulls」(2025年『BONE COLLECTOR』)のような雰囲気です。
「Heathen Days」
カオスなロブのヴォーカルとノイジーで勢いある演奏が化学反応を起こしています。
ロブのアグレッシヴなヴォーカルに続く00:28~のギターがいい突っつき具合。
サビでは、ちょっとJUDAS PRIEST「Painkiller」(1990年『PAINKILLER』収録)っぽいギター(00:46~) → ロブによる曲名の繰り返しがキマッています。
「Black Rat Coffin」
グルーヴィな演奏が心地良く、ロブもノリノリ。
サビ前にちょっと引く01:19~が効果的で、サビでは邪悪さとパワフルさを加えて曲名をかっこよくコールします。
混沌さが増す(01:50~) → 連打+音声もいい盛り上げ方です。
「Sir Lord Acid Wolfman」
不気味でありながもコミカル。
ジリジリしながらスローに進行します。
サビではロブが曲名をゆ~っくりと歌いますが、異様な演奏がツボ。
高音域のアブノーマルなフレーズで刺激してきます。
「Punks And Demons」
「Satan」をパワフルにコールします。
「東京」は00:12~。
「Satan」がテンション高めに響く中、ロブのヴォーカルも突き上げ系。
よりヒステリックになる01:38~もいいテイストです。
「The Devilman」
サビで「Devilman」を繰り返すWHITE ZOMBIE「Super-Charger Heaven」(1995年『ASTRO-CREEP: 2000』収録)が思い浮かびます。
「Super-Charger Heaven」はノリのある曲調でしたが、こちらはスローでヘヴィ。
ロブのヴォーカルにも威厳が感じられ、力強い「Hey! Hey!」の後に「The Devilman」と歌うスタイルがキマッています。
「Out Of Sight」
ブイブイ言わせる曲調です。
00:34~のロブがいい突き上げ方。
01:13からゆがみ始めますが、その後に音声を組み込ませるアレンジも見事。
減速してグルーヴィになる02:29~もいいですね。
「The Black Scorpion」
1分半の疾走ナンバー。
アグレッシヴで最高です。
00:05~がいいテイストで、ロブが歌と交互に攻める構成が効果的。
慌ただしい音声で終わるエンディングも曲のムードに合っています。
「Unclean Animals」
「The Black Scorpion」とは対照的にスローでミステリアスです。
「(I’m A) Rock ‘N’ Roller」の歌い出しではアリス・クーパーのようでしたが、この「Unclean Animals」ではゆがんだアリス・クーパーのように進行します。
中盤あたりで通常の歌声になるのかと思っていたら、ずっとゆがんだまま。
ストリングスが前面に出る02:47~がいいスパイスです。