ジョニー・ジョエリ<Vo>が歌うハード・ロック・バンドの通算8作目。
『HEART, MIND AND SOUL』(2021年)以来のアルバムです。
4作目『DANGER ZONE』(2012年)から参加しているアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ<Key>も関わっており、ラインナップは以下。
- ジョニー・ジョエリ<Vo>
- アレッサンドロ・デル・ベッキオ<Key>
- ルカ・プリンキオッタ<G>…本作から参加
- アンナ・ポルタルピ<B>…女性ベーシスト。ヴェッキオと同じく『DANGER ZONE』から参加
- マルコ・ディ・サルヴィア<Ds>…6作目『LIFE』(2019年)から参加
『HEART, MIND AND SOUL』はジョニーの歌に加え、ギターもすばらしかったですが(特に「Searching For Grace」は絶品)、本作でも高品質な歌と演奏を堪能できます。
4曲目「When You Came Into My Life」はSCORPIONSのカヴァー。
オリジナルは1996年の『PURE INSTINCT』に収録されています。
「Shout」
00:03~のギターがTREAT「Papertiger」(2010年『COUP DE GRACE』収録)のよう。
ギターがザクザク(01:12~) → 曲名が伸びるサビへの流れがかっこよく、01:39からは安堵感のあるメロディが広がります。
ギター・ソロも1曲目から高品質で、特にエモーショナルに伸びる03:18~がたまりません。
この曲は川崎でTREATを観た2日後の2026年4月10日に先行リリース。
TREATを観た後にTREATを思わせるフレーズが聴けるのもうれしいです。
「Papertiger」は日本公演で2曲目に演奏されました。
「Rise Up」
シャープでありながも物悲しい前奏に引き込まれます。
哀愁を漂わせつつだんだん高揚感が増すジョニーの歌メロが秀逸。
サビではさらに突き上げながらも哀愁を維持するスタイルが見事です。
ギター・ソロは曲調とは対照的にエネルギッシュなスタート。
02:25~でジョニーの「Yeah」を挟んでから再び攻める構成がキマッています。
「It Owns You」
どっしりと進行。
ジョニーは堂々とした歌いっぷりで、サビではヴェッキオの躍動感のあるキーボードが心地良いです。
00:19~や1回目のサビ後(01:19~)のリード・ギターも刺さりますし、ソロ(02:18~)ではエネルギッシュで浸透度の高いフレーズが展開。
ハードさを加味させながらの攻めが効いています。
「Mother Love」
00:07~のドドン!に気が引き締まります。
物悲しい00:31~がすばらしく、サビでは骨太な演奏と重厚な歌声でかっこよく進行します。
冒頭のドドン!再び(02:47~) → ギター・ソロもたまりませんし、ジョニーの歌に重ねて泣かせにかかる03:59~もうまい畳みかけです。
「Candy Love」
ノスタルジックかつ清涼感のあるキーボードでのスタート。
「It Owns You」のようにどっしりとしていて、威厳のあるジョニーのヴォーカルが曲調にハマります。
そしてすばらしいのが01:28~。
それまでの展開とは対照的な早口の歌(メロディもハーモニーも◎)で気分を高め、サビでさらに突き上げます。
「Takin’ Me Down」(1992年『DOUBLE ECLIPSE』収録)にも通じる雰囲気です。
「Welcome To The Thunder」
ミステリアスな音像の中でラウドなギターが鳴り、00:19からエモーショナルになります。
本編はドライヴ感のある曲調。
ジョニーのエネルギッシュなヴォーカルが冴えます。
01:48~で共感性を高め、サビで徐々に盛り上げる展開がいい感じ。
一気に曲名を謳うのではなく「Welcome to the」を1回置くところにもセンスを感じます。
AXEL RUDI PELL『GHOST TOWN』(2026年)
ジョニーは1998年の『OCEANS OF TIME』からアクセル・ルディ・ペル<G>のバンドでも歌っていて、HARDLINE『SHOUT』の約1カ月前に本作がリリースされました。
3曲目「Breaking Seals」にはウド・ダークシュナイダー<Vo:U.D.O.>が参加。
曲そのものはかっこよく、個性的なウドの歌声も大好きなので、いい共演だと思ったのですが、この曲に関してはウドの声がガラガラしすぎているのが気になりました。
おすすめは疾走曲「Hurricane」とドラマティックな「Sanity」。
「Hurricane」はLOUDNESS「In The Mirror」(オリジナルは1983年『THE LAW OF DEVIL’S LAND ~魔界典章~』収録/マイク・ヴェセーラ期は1991年『ON THE PROWL』収録)のようです。