アメリカのバンドによる10作目。
『AFTERLIFE』(2022年)以来、約4年ぶりのアルバムで、これまでで一番長いリリース間隔を経てのリリースとなります。
メンバーは『AFTERLIFE』と同じ下記。
- アイヴァン・ムーディー<Vo>
- ゾルタン・バソリー<G>
- アンディ・ジェームズ<G>
- クリス・ケール<B>
- チャーリー・エンゲン<Ds>
デビュー作『THE WAY OF FIST』(2007年)の発売からジャスト19年後の2026年7月31日に配信開始されました。
FIVE FINGER DEATH PUNCHは、
- アイヴァンの迫力満点の咆哮、メロディが充実のクリーンVo、響きがいい低音ヴォイス
- 重厚なギターと絶妙のタイミングで始まる泣きのリード・ギター
- バラード
が魅力ですが、今回もこれらを堪能できます。
バラードは「In Time」。
- 「Far From Home」(2009年『WAR IS THE ANSWER』収録)
- 「Wrong Side Of Heaven」(2013年『THE WRONG SIDE OF HEAVEN AND THE RIGHTEOUS SIDE OF HELL, VOLUME 1』収録)
- 「Battle Born」(2013年『THE WRONG SIDE OF HEAVEN AND THE RIGHTEOUS SIDE OF HELL, VOLUME 2』収録)
などと並ぶ高品質なナンバーです。
「Legacy」
切なく劇的に始まります。
想定外のタイミングでくる00:23~の高音域がいい刺激。
- 言葉数多めのアイヴァンの歌 → エフェクト声 → ガッツあるサビ
と緩急のつけ方も見事で、高音域のエモーショナルなギター・ソロも刺さります。
「Sham Pain」(2018年『AND JUSTICE FOR NONE』収録)をさらに力強くした感じです。
「De Oppresso Liber」
リズミカルでヘヴィにスタート。
00:26からアイヴァンの歌と共に本編に入りますがここは「Under And Over It」(2011年『AMERICAN CAPITALIST』収録)00:24~のようです。
00:38から低音ヴォイスが入り、サビではスケールの大きいメロディが展開。
曲を吐き捨てて終えるスタイルがまたキマッています。
2回目のサビ後のメロディックな刻み(02:10~)も最高のタイミング。
後半は神聖な02:23~が特徴的です。
「Eye Of The Storm」
ノスタルジックでありながらも突き上げるアイヴァンの歌(サビ) → 曲名 → 重厚な演奏の構成がかっこいい。
本編ではバスドラの適度な連打が心地良く、途中で低音声も挟みます。
01:17~の不適な笑いもハマっていますね。
連打を絡めながらの弾力性のある演奏 → 哀愁ギター(02:22~)もさすが。
フレーズそのものに加え、やはりタイミングもすばらしく、ちょっと「Burn It Down」(『WAR IS THE ANSWER』収録)02:11~に通じます。
「Nails In The Coffin」
PRIMAL FEAR「Angels Of Mercy」(2016年『RULEBREAKER』収録)のような始まりです。
00:10~のアイヴァンの歌い出しがホラーチック。
本編では、伸びる歌声(00:48~) → エフェクト声のラップ → サビというアクセントをつけた展開が秀逸で、サビでは哀愁ある極上メロディが滑らかに展開します。
歌声に重ねて始まる悲哀ギター(02:43~) → 速弾きと共にドラムも激しくなる02:57~もすばらしいです。
「In Time」
バラード。
切ないメロディが進行していく中での01:17~が素敵で、フレーズはもちろん、エコーをかけるところにセンスを感じます。
ドラムがドンとなってから2番に入る01:30~もいいですね
ギター・ソロは00:17~の延長線上的に始まりますが、音域が上がる02:35~が特に刺さります。
冒頭に挙げた旧譜のバラードの中では「Battle Born」(『THE WRONG SIDE OF HEAVEN AND THE RIGHTEOUS SIDE OF HELL, VOLUME 2』収録)に近い曲調です。
「Unscathed」
切ないエフェクトVo(00:07~) → ドドンドン → 低音声(00:28~)に引き込まれ、本編は「De Oppresso Liber」を加速させたような展開。
「Under And Over It」もちらつき、サビではバスドラ連打を軸に鋭さを強めるMEGADETHのような演奏がエキサイティングです。
02:48~もひそかにハイライト。
メインのソロの後に哀愁ギターを音量控えめで伸ばすアプローチが絶品です。
「Joke’s On Me」~「Scapegoat」
「Joke’s On Me」は力強く進行していきますが、サビでバラード「Wrong Side Of Heaven」(『THE WRONG SIDE OF HEAVEN AND THE RIGHTEOUS SIDE OF HELL, VOLUME 1』収録)のサビがちらつくという意外な展開。
02:20~の高音域ギターもエキサイティングです。
「Everybody Lies」は土臭い曲調とリズミカルでメロディアスなサビが魅力的。
そして予想もしないタイミングで入ってくる子供の歌声に癒されます。
「Shelter」は「Everybody Lies」の雰囲気を踏襲して始まりますが、スローかつヘヴィに進行。
アイヴァンの低音域Voがハマり、減速させて渋くした「Wash It All Away」(2015年『GOT YOUR SIX』収録)といった感じです。
最後の「Scapegoat」は音域高めのリードVo → 低音の対照的なパフォーマンス、その後のメロディアスなサビが最高。
サビの終わりに曲名を分けて吐き捨てる唱法もキマッています。