2026年で結成45周年となるANTHRAX。
『FOR ALL KINGS』(2016年)以来、約10年半ぶりのオリジナル・アルバムです。
通算12作目。
ジョーイ・ベラドナ<Vo>復帰後では3作目になります。
鋭くアグレッシヴな演奏、そしてその演奏と適度に距離感のあるジョーイの高音域ヴォーカルが特徴的。
浮きすぎず、埋もれすぎずで今回も独特の存在感を放っています。
そしてメロディも高品質。
特に「The Edge Of Perfection」なんかは最高です。
後半には『AMONG THE LIVING』(1987年)収録の名曲「Caught In A Mosh」を思わせる場面があちこちに登場。
10年半ぶりのアルバムは『PERSISTENCE OF TIME』(1990年)とタイトルが似ている「Persistence Of Memory」で幕を開けます。
「Persistence Of Memory」「The Long Goodbye」
不穏でありながらも切ない序曲「Persistence Of Memory」から「The Long Goodbye」につながります。
「The Long Goodbye」は鋭くドンドンする00:00~からANTHRAXの個性が炸裂。
ズシンズシンとした響きが最高で、初めて聴いた時は思わず「おお」と声が出てしまいました。
ジョーイのヴォーカルは比較的緩めでメロディアス。
控えめに勇壮な01:06~が特徴的です。
ザクザクしながらグリグリする03:05~、ドライなフレーズによる03:25~もいい刺激です。
「It’s For The Kids」
刺激的な高音域ギターでスタートし疾走。
サビではキャッチーで説得力のある力強い歌メロが展開します。
サビの終わり(01:01~)に冒頭の高音域ギターを響かせるアプローチが効果的で、チャーリー・ベナンテのドラムの暴れっぷりにもテンションが上がります。
ガンガンし始める02:19~も快感。
ジョーイがかっこよく歌い切る(02:56~) → 再度疾走しギター・ソロの流れも最高です。
「Everybody’s Got A Plan」
ドコドコした曲調が心地良く、ジョーイが曲名を歌い出して本編に入ります。
サビではいったん引きながらも高揚感のあるメロディ。
- 「It’s For The Kids」02:19~に勇壮さを加えたような02:10~
- 警告的要素を含みながらのギター・ソロ(02:30~)
にも引き込まれ、03:05~では一瞬哀愁度が強まります。
「The Edge Of Perfection」
00:00~がTHE FERRYMEN「Heartbeat」(2019年『A NEW EVIL』収録)00:00~を思わせます。
そしてドラマティックに突進する00:30~にKO。
予想外のスケールの大きさと攻撃性に圧倒されます。
メロディックな刻み(01:26~) → キャッチーな歌の攻め方もさすがですし、サビでは突進する演奏とジョーイのヴォーカルが見事なマジックを起こします。
ジョーイのソフトな歌(04:19~) → チャーリーのドラム連打 → エモーショナルな高音域ギター・ソロの構成も絶品です。
「Infectious」
摩訶不思議なギターを軸に進行し、想定外にかけ離れた音域でジョーイが歌い始めます。
そしてつかみどころのない歌メロが進行していくのですが、これがなかなか面白い。
音量控えめで迫ってくる01:30~も独特です。
03:09~のミステリアスな歌がまた魅力的。
ここが一番分かりやすいメロディですね。
歌声が伸びる(03:41~) → 高音域ギター・ソロも上質な構成で、突き上げながらも予測不可の歌メロを踏襲したフレーズ展開に魅了されます。
「NYC 93」「Cursum Perficio」
「NYC 93」はRATT「City To City」(1988年『REACH FOR THE SKY』収録)のような街のSEで始まります。
そして00:12から目が覚めるような攻撃的展開。
01:33~のかけ声が力強く、「Caught In A Mosh」(1987年『AMONG THE LIVING』収録)のサビのようです。
ドラム連打&鋭いギターの刻み(02:44~) → フランク・ベロの弾力性のあるベース(02:54~) → 叩きつけ連打(03:03~)もエキサイティングです。
「NYC 93」からつながる「Cursum Perficio」はジョーイの音域が飛び跳ねる01:03~が個性的。
言葉数多めでガッツのある02:41~、チャーリーが少し長めに叩く05:03~が適度に盛り上げてくれます。
「T.O.M.B.」
モダンでヘヴィな00:00~にKO。
グルーヴィに進行し、かけ声(00:31~) → ジョーイのリードVoの流れがハマります。
異様な音を被せる01:03~もいいですね。
そして02:06~のカウントにワクワク。
期待どおりの転換点でその後シャープに進行します。
フランクのベースがグリグリ&チャーリーのドラム連打(02:39~)もいい組み込ませ方。
減速して音を伸ばす02:59~うまい惹きつけ方で、03:05からはフランクが「Caught In A Mosh」00:21~のようなベースを響かせます。
「Watch It Go」
バイオレントな中、かけ声と共に鋭角的に減速する00:48~が効果的です。
1番の終わりの「Go!」(01:12~)もキマッていて、エコーをかける2回目(02:21~)以降もセンスのあるアレンジ。
警戒心を抱かせながらメロディックに刻むギター・ソロ(03:14~)もエキサイティングですし、だんだんカオスになっていくエンディングも圧巻です。
「My Victory」
「Watch It Go」がピタッと止まった後にスネアだけでスタート。
攻撃的な畳みかけがあったからこそ生きるアプローチですね。
00:05~の弾力性を伴いながらの連打にも胸が高鳴ります。
歌い出しの00:32~はRAGE「Sent By The Devil」(1995年『BLACK IN MIND』収録)のサビよう。
- 小刻み(02:12~)
- ドラム連打
- スネアと共に音が伸びてギター・ソロ
も聴きごたえがあります。
終わったかと思ったら、雰囲気を変えて03:53から再開。
そして04:37~が「Caught In A Mosh」の始まりに通じます。