PERIPHERY『A PALE WHITE DOT』

アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドの大御所による8thフル。

『PERIPHERY V: DJENT IS NOT A GENRE』(2023年)以来、約3年ぶりのアルバムです。

前々作『PERIPHERY IV: HAIL SATAN』(2019年)から『PERIPHERY V: DJENT IS NOT A GENRE』まで4年かかっていたので「新作はもうちょっと後かな」と思っていたのですが、予想より早くアルバムを出してくれました。

曲構成が濃密で大作でも魅了するPERIPHERYですが、今回は特徴の1つでもあった壮大なアウトロもなしで、全曲コンパクトな長さ。

一番長くても5分台ですが、それでも曲はよく練られていて聴きどころが満載です。

収録曲の中で一番短い「Subhuman」にはウィル・ラモス<Vo:LORNA SHORE>がゲスト参加。

スペンサー・ソーテロ<Vo>の激情スクリームとクリーンVoを使い分けたパフォーマンスも圧巻で、「Everyone Dies Alone」なんかは『PERIPHERY V: DJENT IS NOT A GENRE』の名曲の数々を思い起こさせてくれます。

「Obsession」

『PERIPHERY V: DJENT IS NOT A GENRE』のラスト「Thanks Nobuo」の続きのような雰囲気の中、不思議な音がはじき出されます。

00:22~のソフトで美しいクリーンVoにうっとりしていると、01:00からブルータルに突進。
そしてまた不思議な世界が広がります。

02:21からは劇的な演奏と共にスペンサーが高音域で魅了。

終盤に向けて激しくなる演奏もかっこよく、強めの刺激を加える03:00~もPERIPHERYならではです。

「Talk」

連打&刻み(00:18~) → 00:30~のドコドコにワクワク。

スペンサーの吐き捨てを軸に進んでいきますが、フワフワする01:06~がいいアクセントです。

ドラムで力強く区切ってから高音域のサビに移る構成がかっこよく、特に01:40~の突き上げがアツい。
01:48~のスクリームには哀愁も感じられます。

光線のように始まる02:12~のギターもエキサイティングです。

「Mr. God」

「Bad Things」(2015年『JUGGERNAUT: OMEGA』収録)のような曲調の中でスペンサーが吐き捨てます。

00:32~のつぶやきがいいアクセント。
低い声で響きも良く、バックのミステリアスな音像とも絶妙にマッチしています。

不安定で不気味な01:02~のギターの浸透性が高く、要所要所でドン!と響かせるドラムも刺激的。

ブルータルなスペンサーと共に連打する02:03~にも燃えます。

「Heaven On High」

00:14~のメロディックな刻みがなかなか快感。

スペンサーが低音域のクリーンVoを響かせ、01:11からは重厚な演奏と共に歌の音域を上げます。
複数の声による01:26~がいいアレンジ。

02:22~のギター・ソロもすばらしく、始まった瞬間刺さります。

そして02:50からはアグレッシヴに。
想定外のタイミングでのスクリームにドキッとします。

「Subhuman」

アルバム収録曲の中で一番短く、ウィル・ラモス<Vo:LORNA SHORE>がゲスト参加。

QUEENSRŸCHE「Hostage」(2006年『OPERATION: MINDCRIME II』収録)のようにドコドコとしたスタートを切ります。

LORNA SHOREのような高速パートを期待してしまいますが、曲はずっとスローなまま。

でも濃密です。

スペンサーはクリーンVoなし。

01:05からウィルが前面に出始めます。

激重音の伸ばし(01:28~) → ウィルのブルータルなVoが特に見事。

その後もウィルの暴虐性をうまく溶け込ませながら進んでいきます。

「Blackwall」

「Subhuman」とは両極端の曲調。

ノスタルジックでありながらも爽快感があります。

01:34~がSEVENDUST「Unbreakable」(2026『ONE』収録)00:09~のよう。

『PERIPHERY V: DJENT IS NOT A GENRE』でいえば「Silhouette」のような位置付けです。

「Malevolent」

ブルータルかつリズミカルに進んでいき、00:54からソフトなVoで魅了します。

01:01~、01:16~でバックVoが加わるのですが、これがまたすばらしい。

メロディも歌声も最高で、特に01:16~は音域の上げがアツいです。

その後の突進(01:29~) → フワフワ(01:57~)もいい緩急。

03:40~のスペンサーの吐き捨てを機に刺激を強めてエンディングに向かう構成にも燃えます。

「Neon Valley」

メロディアス・チューン。

PERIPHERYがやらなそうな曲調で、EVERGREY(2026年6月5日に新譜『ARCHITECTS OF A NEW WEAVE』をリリース予定)の名曲「Our Way Through Silence」(2024年『THEORIES OF EMPTINESS』収録)を初めて聴いた時のような新鮮さを感じます。

00:33~の歌い出しからすばらしく、サビでは極上の哀愁メロディが展開。

サビの後にいったん静かになる01:41~もいいですね。
「Our Way Through Silence」も01:33~でそうでした。

中盤は劇的な突進(02:55~) → 物悲しい音による突っつき(03:12~)が特徴的。

最後は静かに引いて終わりますが、この締め方も「Our Way Through Silence」に通じます。

「Everyone Dies Alone」

『PERIPHERY V: DJENT IS NOT A GENRE』のいいところを凝縮させたようなナンバーです。

哀愁を漂わせながらもハードかつ劇的な前奏で名曲を確信。

00:21~でキラリとなるところは「Wax Wings」02:03~のような美しさで、その後の浮遊感のあるスペンサーの歌がまた絶品です。

00:42から歌唱に激しさが増しますが、01:05~が見事な引き。

サビのメロディも極上で、重厚な01:18~が「Dying Star」04:20~や「Thanks Nobuo」06:07~に通じます。

演奏パート(02:25~)もスリリングで特にドラムがエキサイティングです。

その後静かになり、スペンサーが切ない歌声を響かせ、03:27からは泣きのギター。

最高です。

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