下記4人で構成されるフィンランドのハード・ロック・バンド、4thアルバム。
- ヴィンス<Vo>
- ジョニー<G>
- エディー<B>
- ジェジー<Ds>
ヴィンスのヴォーカルは力の弱さを感じる部分もあるのですが(特に高音域)、メロディそのものは非常に高品質です。
KISSIN’ DYNAMITEやCRASHDÏETに通じる音楽性で、RATTに寄り道したくなるようなナンバーもあり。
前作『ONE FOR THE ROAD』(2022年)も良作でしたので、一緒にレビューしています。
『SONGS OF YESTERDAY』のレビュー
前半は「Hey Jane」までが必聴です。
「One For All (All For One)」はGUNS N’ ROSES「Right Next Door To Hell」(1991年『USE YOUR ILLUSION I』収録)のようなガキガキしたベースでスタート。
SKID ROW「Psycho Love」(1991年『SLAVE TO THE GRIND』収録)に通じる音でもあります。
ドライヴ感があってノリがよく、ガッツあるサビもかっこいいです。
「Songs Of Yesterday」はCRASHDÏET「We Die Hard」(2022年『AUTOMATON』収録)のような哀愁メロディがすばらしい。
トーキング・モジュレーター+キャッチーなバックVoの01:46~もいいパートです。
「Just Like Brothers」は力強いドラムと共にスタートするエネルギッシュなナンバーでサビもパワフル。
「Hey Jane」は電話のプッシュ音 → トーキング・モジュレーターでのスタートが面白く、少しだらけながら曲名を歌うサビもハマり度が高いです。
プッシュ音ではありませんが電話で始まるRATT「Got Me On The Line」(1985年『INVASION OF YOUR PRIVACY』収録)も聴きたくなります。
中盤は「Rollin’ Till The Morning」がハイライト。
RUST N’ RAGEは前作『ONE FOR THE ROAD』からもメロディ作りのうまさが感じられましたが、この曲でそれをあらためて実感できます。
それまでより音域を下げて歌うサビが絶品でハーモニーもゴージャス。
サビが始まった瞬間ドキッとします。
後半のおすすめは「I Am The One」「Gave It All I Got」「Fire It Up」。
「I Am The One」は骨太でハードな演奏がかっこよく、00:16~のメロディックなギターも心地良く浸透します。
「Gave It All I Got」はドラマティックなバラード。
最初のヴィンスの低音Voがいい響きです。
サビは比較的普通ですが、02:48からの歌メロがすばらしく、その後のギター・ソロもいいフレーズ。
劇的な音がしばらく続く終盤も想定外のすばらしさです。
最後の「Fire It Up」は「Just Like Brothers」系統。
前半とラストに勢いあるナンバーが配置されているのも『SONGS OF YESTERDAY』の魅力です。
『ONE FOR THE ROAD』(2022年)
ジミー・ウェスターランド<G:ONE DESIRE, GIANT>によるプロデュース。
オープニングの「Prisoner」は適度に体をヒートアップさせてくれる歌メロがなかなかで、低い音域で進行するギター・ソロにも魅せられます。
『SONGS OF YESTERDAY』は2曲目「Songs Of Yesterday」でトーキング・モジュレーターが使われていましたが、『ONE FOR THE ROAD』の2曲目「Ghost Town」にもトーキング・モジュレーターが登場します。
サビで始まるのですが、これがとてもかっこいいメロディ。
出だしで虜になります。
タイトル曲「One For The Road」は郷愁感がありながらも前向きに響く歌メロがすばらしい。
KISSIN’ DYNAMITE「Good Life」(2022年『NOT THE END OF THE ROAD』収録)のような感じでもあります。
「The Future Is For The Strong」は切ない歌メロがたまらなく、「Heartbreaker」は曲名の後の「ウォ~オ~」が最高。
前半5曲は全てが充実しています。
後半は、曲名を繰り返すサビがかっこいい「Ride On」、ノリのいい曲調の中でノスタルジックな歌メロが響く「I’ve Had Enough」、アコースティック・バラード「Unbreakable」がおすすめです。
RATT『INVASION OF YOUR PRIVACY』(1985年)
『SONGS OF YESTERDAY』の「Hey Jane」で「Got Me On The Line」に触れましたが、「You Should Know By Now」とセットで聴きましょう。
曲そのもののクオリティはもちろん、「Got Me On The Line」が終わってすぐに「You Should Know By Now」が始まる構成が圧巻です。
曲間なしで畳みかけるアプローチに磨きがかかるのは次作『DANCING UNDERCOVER』(1986年/特に前半5曲は完璧)ですが、この『INVASION OF YOUR PRIVACY』でも曲間が練られていて見事です。
前半では「Never Use Love」「Lay It Down」がそうですね。
「Lay It Down」の始まるタイミングが絶妙です。