JOHN CORABI『NEW DAY』

元MOTLEY CRUE~現THE DEAD DAISIESのジョン・コラビ<Vo/G>のソロ・アルバム。

マーティ・フレデリクセンによるプロデュースです。

マーティの息子、エヴァンも協力しており、他の主要メンバーは下記。

  • リチャード・フォータス<G:GUNS N’ ROSES>…本作でリード・ギター。『CHINESE DEMOCRACY』(2008年)では「Chinese Democracy」「Better」「Street Of Dreams」「Prostitute」でリズム・ギター
  • チャーリー・スター<G>…カントリー・ロック・バンド、BLACKBERRY SMOKEのシンガー兼ギタリスト。本作の3曲目「Faith, Hope And Love」に参加
  • ポール・テイラー<Key:WINGER>

明るく前向きな雰囲気に満ちていて、ジョンのハスキーな声が生かされた魅力的なメロディが満載です。

ジョンは孤独だった私の大学時代を支えてくれたミュージシャンの1人で、当時はMOTLEY CRUEに在籍。

記事内ではそのことについても振り返っています。

『NEW DAY』のレビュー

曲名も曲調も新たな希望を感じさせる「New Days」からスタート。

その後のアルバムの流れもいいです。

「Love That’ll Never Be」はTHE DEAD DAISIES(2024年『LIGHT’EM UP』収録)の再録で、MOTLEY CRUE「Misunderstood」のようなアレンジが絶品。

「Cosi´ Bella」は2021年に、「Your Own Worst Enemy」は2022年にシングルでリリースされたナンバーです。

「New Day」「That Memory」「Faith, Hope And Love」

「New Day」は突き上げる高音域の歌メロが心地良く、02:20~の演奏パートにも気分が上向きます。
オープニングにぴったり。

「That Memory」は適度にハードでありながらも温かみのあるギターが魅力的。
00:46~でいったん伸ばして、リズミカルでメロディアスなサビへと流れる構成がいいですね。

「Faith, Hope And Love」にはチャーリー・スターが参加。
スローで渋い中、サビのハーモニーがきれいで、1回目のサビ以降も高品質のハーモニーが楽曲を支えます。
2回目のサビの後に徐々に盛り上げて、ドライなギター・ソロに移る構成にも魅了されます。

「When I Was Young」「One More Shot」

「When I Was Young」は和やかな曲調で、親しみやすいメロディが滑らかに進行。
曲名を歌いながら音域を少し下げていくジョンのパフォーマンスがすばらしいです。

「One More Shot」はグルーヴィ。
サビは「That Memory」をテンポアップさせたような感じで、02:32からはそれまでの展開からは予想しにくい歌声で魅了します。

「1969」「Laurel」「Good To Be Back Here Again」

程良くハードな「1969」、バラード「Laurel」「Good To Be Back Here Again」が続きますが、この中でおすすめは「Lourel」。

始まりの泣きのギターが刺さります。

サビではジョンの歌が伸びていき、物悲しくきれいなピアノがいいテイスト。

1回目のサビの終わりの低い歌声 → 始まりの泣きのギターもいい攻めです。

「Love That’ll Never Be」

THE DEAD DAISIES『LIGHT’EM UP』のバラードのヴァージョン違い。

『LIGHT’EM UP』の中でも特に素敵な曲です。

アコースティック・ギターとジョンの歌で始まり、01:07からバンド演奏になるのですが、ストリングスも絡まり、MOTLEY CRUE「Misunderstood」01:15~のように進行。

そして02:30からはさらにドラマティックになります。

『NEW DAY』リリースを知った時、「『MOTLEY CRUE』のような曲があればいいけど、やっぱりないかな」と思っていたのですが、まさか「Misunderstood」のようなアレンジが聴けるとは。

予想以上のすばらしさにうれしくなります。

「Cosi´ Bella」「Your Own Worst Enemy」

「Cosi´ Bella」は2021年にシングルでリリース。
「Beautiful」と歌詞どおり美しいハーモニーで始まり、本編は「New Day」のように展開していきます。
高品質ハーモニー(01:58~) → ドライなギター・ソロ、エンディング間近でのホーンセクションもすばらしい。

「Your Own Worst Enemy」は2022年にシングルでリリースされた骨太なナンバー。
ジョンはアクセントをつけない音域での歌ですが、ハードなギターとオルガンが心地良いです。

「Everyday People」

最後はバラードを予想していたのですが、そうではなくグルーヴィなナンバー。

00:00~のカウベルが心地良く、ジョンの堂々とした歌いっぷりがキマッていて、00:38~のハーモニーも高品質。

要所要所のホーンセクションも程良いワクワク感を与えてくれます。

孤独な大学時代を救ってくれたジョン

中野信子さんの著書『メタル脳』の第1章に「わたしを救ってくれたメタル」とあります。

中野さんは中学生の時がそうだったようですが、私は大学時代がそれに該当します。

予備校時代まではHM/HR好きの仲間やHM/HRを聴かなくても話が合う友人が何人かいたのですが、大学時代に仲良くなれたのはマレーシアからの留学生1人のみで日本人の友人はゼロ。

話が合う日本人が1人もいないという初めての戸惑いを経験する中での楽しみはHM/HRを聴くことでした。

一番辛かったのが大学2年の時(1994年)で、この年に『MOTLEY CRUE』がリリース。

他には、

  • PANTERA『FAR BEYOND DRIVEN』
  • HELLOWEEN『MASTER OF THE RINGS』
  • ARCADE『A/2』
  • DREAM THEATER『AWAKE』
  • MEGADETH『YOUTUANASIA』
  • QUEENSRŸCHE『PROMISED LAND』
  • TESTAMENT『LOW』

などがお気に入りでしたが、一番よく聴いたのが『MOTLEY CRUE』だったので「このアルバムがなかったら、大学時代はどうなっていただろう」と思います。

支えてくれた作品を1枚挙げるなら『MOTLEY CRUE』、バンドを1組挙げるならMOTLEY CRUE、ミュージシャンを1人挙げるならジョンになります。

当惑の日々、私はジョンの歌声に支えられていたのだなあと実感します。

ジョンも孤独と向き合っていた?

『MOTLEY CRUE』リリース後の日本公演(1994年10月11日:日本武道館)を観に行きました。

私はとても楽しめたのですが、ジョンのパフォーマンスに関してネガティヴな意見もみられました。

日本でもそうなのですから海外でも否定的なレビューがあったのかもしれません。

当時、ニッキー・シックス<B>、トミー・リー<Ds>、ミック・マーズ<G>はジョンのパフォーマンスをフォローしていましたが、少なくとも自分への批判に接している時は孤独なはずですので、ジョンも孤独と向き合っていたのかなと今になって思います。

そういった中、日本にも来てくれてジョンはステージで歌い切った。

ショウが進むにつれて「高音がきつそうだな」と感じる場面はいくつかありましたが、「Hooligan’s Holiday」や「Power To The Music」はかっこよかったですし、ヴィンス・ニール時代の曲をジョンの歌声で聴けたのも貴重でした。

特に最高だったのが「Shout At The Devil」と「Primal Scream」。

「Shout At The Devil」はジョンのパワフルな歌声がハマっていましたし、「Primal Scream」はジョンもギターを弾いていたので、アルバム以上に骨太な演奏が迫力満点でした。

日本公演の2年後の96年にジョンはMOTLEY CRUEを離れることになりますが、トミーは今回のジョンのソロ『NEW DAYS』のリリースが決まった際、ジョンに祝福のメッセージを送ったらしいです。

トミー、優しい。

『MOTLEY CRUE』から30年以上経過した今

時が経てば経つほど、困惑の大学時代を支えてくれたジョンの存在の大きさを感じます。

当時思っていた以上に私はジョンに救われていた。

ポジティヴなオーラに包まれた『NEW DAY』を聴いて、ジョンへの感謝の気持ちを新たにしつつ「これからもジョンを応援し続けていこう」とあらてめて思いました。

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