ECHOES OF TOMORROWのJeremy Capoより『お問い合わせ』経由でレビュー依頼を頂きました。
紹介するのは2025年リリースのアルバム『Rise.exe』。
私も今回のコンタクトをきっかけに初めて知ったのですが、かなりかっこいい作品です。
ECHOES OF TOMORROWはJeremyによるソロ・プロジェクト。
Jeremyはフランス出身で現在はバンコクを拠点に活動をしています。
メタルコア、ジェント、プログレッシヴ・メタルを軸にしており、長年にわたるアジアでの生活や文化との出会いがECHOES OF TOMORROWの着想につながっているようです。
実際「Boot Sequence」「Face The Chaos」はアジア風に始まります。
モダンでアグレッシヴなサウンドは聴きごたえ抜群で、要所要所で途切れ途切れになる音作りも特徴的。
ヴォーカルはクリーンVo、ラップ、スクリームを巧みに使い分けます。
ラップ、スクリームは絶妙のタイミングで登場し、クリーンVoは切ないメロディが最高です。
「Boot Sequence」
切ないながらもスケールの大きさを感じさせるアジア風の歌声でスタート。
00:02~の語りがまたミステリアスで00:18から衝撃音と共に混沌とし始めます。
ジリジリした音が途切れながらの進行が特徴的な中、
- 透明感のある歌声の音域が徐々に上がってエモーショナルになる00:42~
- 勇ましさと美しさが同居した01:22~
にもワクワクさせられます。
「Echoes Inside」
00:03~がGHOST「Call Me Little Sunshine」(2022年『IMPERA』収録)00:01~を想起。
そして00:12からJeremyが澄んだ声で歌い出します。
00:35からはラップが入るのですが、これがまた見事なハマり具合。
その後徐々に熱量を上げていき、サビではBLACK VEIL BRIDES「Bleeders」(2026年『VINDICATE』収録)00:52~に通じる絶品のメロディが展開していきます。
2番からはハードさが加わり、サビ前に連打で迫る01:43~もいい盛り上げ方。
スクリーム(02:08~) → カオスな音による途切れ途切れ(02:12~)にもテンションが上がり、02:22からは重い音がズシンズシンと心地良く響いてきます。
02:42~のエフェクト声もうまいアレンジです。
「Shoulders Back」
ドカンとなる00:05~に気合いが入ります。
ダイナミックに進行していきますが、
- ラップ(00:19~)
- メロディアスな突っつき(00:32~)
- 歌声が伸びる(00:37~)
- 切ないサビ(00:41~)
といったん引いてから最高級のメロディで魅了する構成が秀逸です。
2番は「Echoes Inside」のようにヘヴィな刻みを加える01:13~が効果的。
01:51~の低音ではその前のスクリームとのギャップにやられます。
そして02:24~。
緊張感を緩和させながらの悲哀メロディにうっとりさせられます。
「Break The Chains」
失敗を未来の力につなげることをテーマにした曲。
これを意識すると、クリーンVo(00:03~) → スクリーム(00:08~)からは「底から這い上がる決意」のようなものが感じ取れます。
ダイナミックな00:32~で惹きつけた後のサビでは切ないクリーンVoが高音域で伸びやかに展開。
失敗を受け入れつつも進み続ける前向きなオーラも放っていて素敵です。
2回目のサビ前にスクリームが少し長めに入る01:12~もうまいアレンジ。
シャープな演奏とスクリームによる01:41~もエキサイティングで、途切れ途切れになる01:54~もECHOES OF TOMORROWならではですね。
歌声が伸びた後の泣きのギター(02:50~)も染みますし、スクリームを軸に畳みかけるエンディングも圧巻です。
「Yesterday’s Shadow」
LACUNA COIL「Blood, Tears, Dust」(2016年『DELIRIUM』収録)のように始まります。
00:06からJeremyのかっこいいスクリームが入り、シャープかつリズミカルに進行。
- 言葉数多めのラップ(00:24~)
- クリーンVoでメロディアス(00:32~) → スクリーム(00:37~)
- 再びクリーンVoによるサビ
と唱法を変えて魅了し、サビの終わりに再度「Blood, Tears, Dust」風に仕切り直します。
圧巻の畳みかけですね。
2回目のサビ前のスクリーム(01:19~)もかっこいい挿入パートでその後の連打がまた想定外の速さで最高。
刺激的な音が前面に出る01:54~にも耳が反応します。
02:41からスクリームで気合いを入れ直して「Yesterday!」と力強く締めるエンディングも見事です。
「Face The Chaos」
00:00~の女性Voがアジア風でミステリアス。
そして00:07~がCrossfaith「My Own Salvation」(2024年『AЯK』収録)00:02~のようなかっこよさです。
ダイナミックなドラムと共にエフェクト声(00:15~) → スクリーム(00:23~)もインパクトのある流れで、このスクリームはアルバムの中で一番残虐です。
ブルータルさを基調とした曲調の中、コミカルかつスリリングな00:31~が独特。
以降、様々な声を交えながら進行していきます。
01:33~からは00:31~が前面に出てよりカオスになり、異常音のみになる01:44~にも引き寄せられます。
声の情報量の多さで魅了するという点でも「My Own Salvation」に通じます。
「Rise Again」
物悲しく始まり、00:09からJeremyの切ない歌が入ります。
00:27からドラムが迫り、その後はクリーンVoによるサビ… と思いきや、00:33からラップ。
ささやかな変化球が上手で、その後ドコドコしながらの哀愁メロディ(00:44) → 上質なサビへと流れていきます。
サビは伸びやかな歌がすばらしく、音域が上がった後に少し下げる01:05~にグッときます。
ずっとバラード調かと思いがちですが、そうではなく、02:05からが転換点。
曲名の「again」をスクリーム → 連打という予想外かつ燃える展開が待ち受けます。
スクリームを軸に進んだ後の02:27~は力を弱めてのサビですが、ここも想定範囲を下回るソフトさ。
02:50~悲哀ギターも心地良く浸透します。
「Burn The Mask」
「Rise Again」に躍動感を少し加えたような感じの中、Jeremyがエモーショナルに歌声を伸ばします。
そして途切れ途切れ(00:11~)→ スクリームと惹きつけながらエキサイトさせます。
00:24からは言葉数多めの歌にワクワクさせられ、00:38からは「Yesterday’s Shadow」のように予想以上の速さでの連打。
そしてメロディックでリズミカルなサビへと移行します。
サビは切ないながらも安堵感のあるメロディが魅力的です。
さらに00:56~の連打による畳みかけが迫力満点で、以降も連打を交えながらスリリングに進行。
低い声が前面に出る01:52~もインパクトがあり、02:04~では一瞬ではありますが「Echoes Inside」02:22~のように重い音を響かせます。
歌声が終わる前に低い声が重なる02:23~もいいつなぎですし、近未来風で哀愁ある声が伸びる02:39~もなかなか刺さります。
「Find The Way」
メランコリックな中、Jeremyが低音域で歌い始め、サビでは中音域の悲哀メロディが進行します。
01:01~の叩きつけがいい刺激で01:05~からはラップで魅了。
ヘヴィな刻みと絶妙に融合しています。
01:37~のスクリームにもテンションが上がりますね。
ドコドコする02:08~は「Rise Again」00:44~のような高揚感ですし、02:50からはスクリームとクリーンのスイッチに圧倒されます。
03:59~のヘヴィなギターを除いた叩きつけにもひねりがあり、04:04からは「Boot Sequence (Intro)」のようにジリジリ。
アルバムの1曲目をちらつかせながら最後は力強いスクリームで締めます。