フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドによる通算10作目。
2019年から正式メンバーだったヤニ・リーマタイネン<G/Clean Vo>は不在で、2024年からツアー・メンバーだったトミー・ライスト<G/Clean Vo>が後任の正式ギタリストになりました。
トミーが正式メンバーになってから初のライヴが2026年1月31日ですが、この時は『SHADOWS OF THE DYING SUN』を全曲演奏しています。
『NETHERWORLDS』はトミーを含む下記ラインナップでの初の作品。
- ニーロ・セヴァネン<Vo/B>
- ヴィレ・フリマン<G/Clean Vo>
- マルクス・ヒルヴォネン<Ds>
- マルクス・ヴァンハラ<G/Clean Vo>
- トミー・ライスト<G/Clean Vo>
劇的かつレトロな中で切ないメロディが散りばめられたサウンドが圧巻です。
長尺曲があるのもINSOMNIUMの魅力ですが、今回は8分の「The Hour Grows Late」。
AMORPHISの3名との共演で、トミ・ヨーツセンとトミ・コイヴサーリがヴォーカル、サンテリ・カリオがキーボードで参加しています。
「The Cold Song」「Shadowlife」
「The Cold Song」は不吉さと切なさが同居した序曲。
01:22から不気味な低音声が入り、ドン!となって「Shadowlife」が始まります。
「Shadowlife」のヴォーカルは低音のささやき → グロウル。
サビではドラマティックになり、01:03~の霧がかったクリーンVoが特徴的です。
1回目より音域を上げてきらびやかになる01:54~もうまいひねりで、サビ後に00:00~に戻る02:14~にもキリっとさせられます。
02:33からはKATATONIAのように陰鬱になり、最後のサビの後にはアツいリード・ギター(04:00~)。
そして再度00:00~を配置するという抜群のアレンジです。
「Remembrance」
メランコリックでありながらもきらめく00:53~、ゆがみながらのクリーンVo(01:03~)が特徴的。
02:35~は名曲「Lilian」(2023年『ANNO 1696』収録)00:28~がリンクします。
静かで美しい03:23~もいいアクセントで、03:34からは再び「Lilian」。
03:45からはスネア+悲哀グロウルにガツンとさせられ、声にエフェクトをかける04:08~もいいアレンジです。
そして神聖さを加味させた04:31~。
メロディはもちろん、歌声も響きも最高です。
「Gleam In The Black」
スネア3連発 → アップテンポで進む中、00:10~が耽美的です。
00:22~のグロウル+哀愁ギターには化学反応がみられ、00:32~のバスドラ連打がまたエキサイティング。
本編に入ってからのグロウルと劇的かつ切ない演奏もたまらなく、01:04からは高揚感が増します。
そして01:25~でいったん伸ばしてサビに移行するのですが、この伸ばしがいいですね。
それまでより音域を上げての02:55~も心地良いです。
「The Hour Grows Late」
8分の大作。
AMORPHISの3名との共演で、トミ・ヨーツセンとトミ・コイヴサーリがヴォーカル、サンテリ・カリオがキーボードで参加しています。
民族的なスタート → ドコドコする00:28~にワクワク。
00:44からはAMORPHISにも通じる泣きのギターが浸透します。
03:01からはトミ・ヨーツセンのクリーンVo。
聞こえてきた瞬間ドキッとさせられ、透明感を強めに出しながらの高音域が魅力的です。
さすがの存在感ですね。
高音域でほのかに突き上げる03:29~、突進しながらの05:20~もユニーク。
ここはおそらくサンテリでしょう。
06:37から再びトミ・ヨーツセン。
03:01だけかと思っていたら、終盤でも歌ってくれています。
「Arch Of The Sky」
ドラム3連発からグルーヴィに展開。
徐々に光を強めていくような00:04~、泣きが強まる00:25~がすばらしいです。
その後すぐグロウルが入りますが、これが絶妙のタイミング。
減速して低音でささやく00:52~もいい引きで、01:21からはバスドラ連打+悲哀グロウルがカチッとハマります。
切ないながらも高音域で刺激する03:50~ → 美しい歌声の04:13~ → 泣きの04:35~も見事です。
「Pathways Of The Night」「Ethereal Sleep」
「Pathways Of The Night」はキラキラしながらアグレッシヴに進行。
03:35からはINSOMNIUMならではの泣きに魅せられ、ノイジーに伸ばす04:23~にも引き込まれます。
「Ethereal Sleep」は00:08~が名曲「Heart Like A Grave」(2019年『HEART LIKE A GRAVE』収録)の極上フレーズ00:33~を想起。
「Heart Like A Grave」はライヴでも最後に演奏されていて、そういったハイライト・ソングを思わせる場面があるのはうれしいです。
そしてこの「Heart Like A Grave」。
AMORPHIS「Day Of Your Beliefs」(2003年『FAR FROM THE SUN』収録/トミ・ヨーツセン加入前)のようでもあるんですよね。
「Day Of Your Beliefs」は初めて聴いた時一発で気に入った曲。
パシ・コスキネン<Vo>期の傑作の1つです。
「The Banished」
「Ethereal Sleep」に引き続き、静かでゆっくり… と思っていたら、00:25から目が覚めるようなグロウルと共に疾走します。
そしてサビが最高級。
メロディックな01:28~が刺さり、その後の分厚い歌声に心が躍ります。
2回目のサビ後も練られていて、
- 悲哀ギター03:10~ → 03:35~、
- 分厚いサビの音域を上げる04:52~
と段階的にアクセントを強めるアプローチが見事です。
「Journey’s End」
陰鬱に始まりますが、00:49あたりから切なくなります。
01:19からは「The Cold Song」の不気味な低音声。
ドラムが入る02:50~でハードになるのを予想できるのですが、これが想像以上にスローでヘヴィ。
SLEEPみたいです。
そして04:29からは切ないクリーンVo。
声の伸びもすばらしく、進んでいくにつれ、透明性が増していくような展開がまた魅力的です。
この後AMORPHIS『BORDERLAND』について触れていますが、1か月前にリリースされたSLEEP『HEMISPHERES』にも浸りたくなりますね。
AMORPHIS『BORDERLAND』(2025年)
INSOMNIUMは古風なAMORPHISといった感じでもあります。
トミ・ヨーツセン、トミ・コイヴサーリ、サンテリ・カリオをフィーチャーした「The Hour Grows Late」もすばらしかった。
AMORPHISは2025年に『BORDERLAND』をリリースしていますが、『BORDERLAND』はサンテリ作曲のナンバーが多数。
「The Circle」「Bones」「Fog To Fog」「The Strange」「Tempest」「Light And Shadow」「Borderland」がサンテりが書いた曲になります。
ブルータルでキャッチーな「Bones」、グロウル → 泣きのギター・ソロが絶品な「Light And Shadow」など、いい曲がたくさん。
『NETHERWORLDS』と『BORDERLAND』の聴き比べもおすすめです。