BLACK SABBATHのギタリスト、トニー・アイオミのソロ・アルバム。
BLACK SABBATHの最終作『13』(2013年)以来、約13年半ぶりの音源となります。
ヴォーカルがヨルン・ランデというこれまた最高の人選。
ヘヴィな演奏にヨルンの力強いヴォーカルがうまくマッチしています。
トニーはさすがの存在感で、刻むたびにズシンズシンと響いてくるギターが圧巻。
この基盤が強固だからギター・ソロもヨルンの歌も映えるということを実感できます。
「Over The Violent Sun」
ミステリアスな00:00~に引き込まれます。
ちょっとLOUDNESS「The Hate That Fills My Lonely Cells」(2001年『SPIRITUAL CANOE』収録)っぽいです。
ヨルンは歌い出しから力がみなぎっており、01:11~はトニー・マーティンが歌うBLACK SABBATH「Jerusalem」(1990年『TYR』収録)00:53~のような高揚感。
02:50~はヨルンならではのアツさですし、泣き → 高音域で突き上げるギター・ソロもさすがです。
「Black Times」
「Black Sabbath」(1970年『BLACK SABBATH』収録)のようにスローで重いスタート。
陰鬱に進んでいき、メロディがつかみづらいヨルンの歌がツボです。
ベッキー・ボールドウィン<B:MERCYFUL FATE>のベースが前面に出る02:25~ → 哀愁ギター・ソロがいい流れで、間隔を置いてギターの刻みを響かせる03:22~も効果的。
ミドルテンポにシフトする03:40~もいい転換点です。
「World Alone」
00:11から刻みとリード・ギターがうまく絡み合い、ヨルンのパワフルな歌が始まります。
じわじわと高揚感を浸透させる00:49~の歌メロがなかなか。
サビを歌い終えるヨルンにリード・ギターを重ねる01:14~もうまい緊張感の保ち方です。
ギター・ソロは、音域を上げてエモーショナルに始まり、02:54からややズレ気味に。
下降路線をたどりながら魅了するスタイルが秀逸です。
「Beyond The Dead」
劇的さが加わる00:16~、00:37~が圧巻で、NIGHTWISH+BLACK SABBATHのようです。
ゆっくりと闘気を放出していくかのようなヨルンの唱法もハマっていて、01:57~では「Over The Violent Sun」02:50~のような熱唱もみせます。
03:09からギター・ソロ。
泣きで始まるもすぐに音域が下がり視界不良 → 不気味さと切なさが同居したフレーズ展開が絶妙です。
「Stormwatcher」
00:06~の刻みがズシンズシンと心地良く響き、00:14~のヨルンがまたミステリアスさを増幅させます。
- ほのかな冷風が吹き抜けるような01:06~
- 高音ギターで控えめに突っつく01:27~
がいいスパイス。
ヘヴィな音が伸びてダイナミックさが加味される02:44~ → ヨルンのアツいコール → ギター・ソロもいい流れで、03:17からは不気味な空間の中で泣きの要素が強まります。
「Death Wake」「Return Of The Arbalist」
「Death Wake」は怪しげな00:02~がいいテイストで、切なくアツく進行するヨルンの歌メロが高品質。
03:17~のギター・ソロもいい感じに涙腺を刺激します。
「Return Of The Arbalist」はグルーヴィな演奏と曲の行方をいい感じに曇らせるリード・ギターが特徴的。
メロディアスかつエネルギッシュな00:43~に気分が高まり、02:23からは力強い「thunder!」で引き締めます。
「Legacy」
ラストは7分。
期待どおりスケールの大きいヘヴィな幕開けで、メランコリックさも含ませながら進んでいきます。
そして02:18~のヨルンがエネルギッシュ。
02:54~でいったんクールダウンして、03:11~で再び熱量を加えるパフォーマンスも見事です。
03:45からはトニーの泣きのソロ。
始まりから即効性があり、悲哀フレーズが展開していきますが、きらびやかになる04:19~がまた効果的です。
一緒に楽しみたいBLACK SABBATHのアルバム
トニー・マーティンが歌う下記2作品を推します。
ヨルンのヴォーカル・スタイルがトニー・マーティンに通じますしね。
- 『HEADLESS CROSS』(1989年)
- 『TYR』(1990年)
私が初めて聴いたBLACK SABBATHは「Headless Cross」だったので、トニー・マーティン期は特別。
その後、オジー・オズボーン期からリリース順に聴いていきました。
「Headless Cross」は11月に来日するERIK GRÖNWALLがカヴァーしており、日本公演でもプレイされる可能性大。
行かれる方は要チェックです。
『TYR』はトニー・マーティン期の大傑作。
- 伸びる高音Voが圧巻の「Anno Mundi」
- 疾走曲「The Law Maker」
- 劇的でダイナミックな「Jerusalem」(今回の1曲目「Over The Violent Sun」で歌メロがリンク)
- パワフルでありながらも哀愁漂う「Valhalla」
- シャープな中で切ない歌メロが舞う「Heaven In Black」(出だしのコージー・パウエルのドラミングがまた◎)
など、強力ナンバーが目白押しです。