通算12作目。
『THE FINAL COUNTDOWN』(1986年)の下記ラインナップで『START FROM THE DARK』(2004年)から再始動して以降、メンバー・チェンジなしで現在に至りますが、再始動後では一番長いリリース間隔を経てのリリースとなります。
- ジョーイ・テンペスト<Vo>
- ジョン・ノーラム<G>
- ジョン・レヴィン<B>
- イアン・ホーグランド<Ds>
- ミック・ミカエリ<Key>
『WALK THE EARTH』(2017年)以来、9年ぶりのアルバムです。
2023年9月にシングル「Hold Your Head Up」がリリースされた際は「これがアルバムからの先行シングルで、もうすぐアルバム発表か」と思ったのですが、「Hold Your Head Up」から3年かかりました。
『WALK THE EARTH』から9年ぶり、「Hold Your Head Up」から3年ぶりの音源ですが、1曲目の「One On One」からすばらしく、次の「The Cult Of Ignorance」も華やかな極上ナンバーとなっていて、バンドのソングライティングの充実ぶりがうかがえる強力作です。
「One On One」
極上のオープニング・ナンバーです。
悲壮感がありながらも壮大なイントロでスタート。
00:22からジョン・レヴィンがガキガキとベースを響かせます。
9月に『CURSUM PERFICIO』をリリースしたANTHRAXのフランク・ベロ<B>が弾きそうなフレーズです。
そして本編に突入。
ヘヴィでガッツがあり、程良くドラマティックに装飾するミック・ミカエリ<Key>がまたすばらしいです。
ジョーイ・テンペストはささやかな歌い出しですが、すごいオーラ。
サビでは躍動感が加わり、高揚感が増す最高級のメロディが展開していきます。
- ジョン・ノーラムが適度に突き上げる02:12~
- ギターが続きながらも、ミックのキーボードが前面に出て透明性が増す02:51~
と主役を切り替えて魅せるスタイルも見事です。
「The Cult Of Ignorance」
きらびやかな始まりにワクワクします。
ジョーイがリズミカルに歌い出し、サビではゴージャスでダイナミックな歌メロ。
控えめにパーティー的な01:03~がいいテイストです。
様々な声(01:55~) → ギター・ソロも練られていてさすが。
曲調から高音域のフレーズを予想しがちですが、ここは哀愁を漂わせながら中音域で攻めます。
序盤のキーボード再びの03:11~も程良くエキサイティングです。
ミュージック・ビデオにはミカエル・オーカーフェルト<Vo/G:OPETH>、フレドリック・オーケソン<G:OPETH>、アンダース・フリーデン<Vo:IN FLAMES>など、多くのゲストが出演。
ジョーイはOPETH『THE LAST WILL AND TESTAMENT』(2024年)の「§2」に参加していて、01:35からジョーイが登場します。
「Come This Madness」
適度にシャープかつドラマティックな前奏が進んでいきますが、00:29からジョーイが静かに歌い始め、メランコリックな雰囲気も漂わせます。
そしてサビはダイナミックに展開。
華麗にアルバム・タイトルを歌うパフォーマンスがキマッています。
エフェクト声を重ねる01:26~もいいアレンジ。
02:05~も聴きどころ。
OPETH『DAMNATION』(2003年)のような雰囲気になり、02:48からはスリリングな音が迫ってきて、刺激的なフレーズで魅了します。
「This Time Of Year」「In A Different World」
「This Time Of Year」はソフトなバラード。
キーボードが物悲しく、02:44~のギター・ソロが泣けます。
ソロのフレーズが伸びてピアノを響かせる03:06~ → 歌声が厚くなる03:19~もすばらしい流れです。
「In A Different World」は骨太でありながらも少し力を緩めて進んでいき、サビでダイナミックさが加味。
静かになって悲哀ギターを奏でる02:09~がいいアクセントです。
「Scandinavian Eyes」
「Walk The Earth」(2017年『WALK THE EARTH』収録)のように始まりますが、本編はグルーヴィ。
ミックがキーボードで軽く突っつく00:52~がいい刺激で、サビは減速して劇的に展開します。
キーボード(02:52~) → ギター(03:06~)で魅了した後もすばらしい。
- 煽情的な03:37~
- 悪魔的ヴォイス(03:47~)
- 「Walk The Earth」的静寂+ジョーイの歌(03:57~)
に引き寄せられ、スネアを叩いて再度劇的になる04:10~にドキッとさせられます。
「Takin’ It Back」
00:00のギターが刺さり、00:11からはキーボードが心地良く浸透。
哀愁フレーズによるダブルの攻めが最高です。
本編は「Always The Pretenders」(2006年『SECRET SOCIETY』収録)のように進行し、02:26からはノイジーでエネルギッシュなリード・ギターで盛り上げます。
そして02:37からはさらにテンションを上げ、02:47からは00:00~の泣き。
押しと引きのアプローチが絶品です。
「In The Absence Of Grace」「The Angels Must Have Flown」
「In The Absence Of Grace」は切ないピアノとジョーイの物悲しい歌を軸に進んでいく小曲。
ストリングスが強調される00:39~がまたたまりません。
「The Angels Must Have Flown」はシャープな曲調にジョーイのガッツある歌がハマり、ミステリアスなハーモニー(00:39~) → ジョーイが伸びやかな歌で気分を高揚させる00:55~が最高。
02:29~のドライな高音域ギターもいい突き上げで、03:08~からは泣き+ハーモニーにやられます。
曲はつながっていませんが、この「In The Absence Of Grace」「The Angels Must Have Flown」はいい流れ。
アルバム後半のハイライトです。
「The Devil’s Back」「Nothing Can Follow This」
「The Devil’s Back」は沈む00:29~、ハードになる01:00~と強弱をつけたジョーイが特徴的。
サビはゴージャスな歌声と共にリズミカルに進行します。
本編ラストの「Nothing Can Follow This」は切なくメランコリック。
ドラマティックさが加味されて哀愁メロディが広がっていくサビが最後の曲ならではで、ギター・ソロ前に歌声が厚くなる02:49~にも耳が反応します。
『PRISONERS IN PARADISE』(1991年)のラスト「Girl From Lebanon」を加速させたような感じでもあります。
「Hold Your Head Up」「Heavens Above」
ここから2曲がボーナス・トラック。
冒頭で書いた2023年のシングル「Hold Your Head Up」が1つめになります。
「Heavens Above」はレトロかつヘヴィな中でのジョーイの切ない歌が最高。
ジョン・ノーラムも、
・泣きの01:18~
・高音域による02:17~
・再び泣かせる03:37~
とアクセントをつけながら魅了します。
『THE FINAL COUNTDOWN』40周年
すでに『THE FINAL COUNTDOWN』40周年ツアーがスタートしており、『THE FINAL COUNTDOWN』のパートは、
- 「On Broken Wings」(シングル「The Final Countdown」のB面)
- 「Rock The Night」~「Love Chaser」
- 「The Final Countdown」
の順で演奏されています。
『COME THIS MADNESS』からも「One On One」「The Cult Of Ignorance」「Scandinavian Eyes」をプレイ。
2027年日本公演も『THE FINAL COUNTDOWN』40周年記念ツアーとして位置付けられています。
ちなみに2016年の『THE FINAL COUNTDOWN』30周年ツアーでは、当時の新作『WAR OF KINGS』(2015年)全曲と『THE FINAL COUNTDOWN』全曲がプレイされ、それ以外のアルバムからはゼロ。
過去の名盤を祝いつつ、新作のプロモーションにフォーカスしたセットリストがすばらしいと思いました。