カイ・ハンセン<Vo/G:HELLOWEEN, GAMMA RAY>によるHANSEN名義での2作目。
『XXX-THREE DECADES IN METAL』(2016年)以来、10年ぶりとなります。
『XXX-THREE DECADES IN METAL』はゲスト多数(バンドでの曲は「Born Free」「Burning Bridges」のみ)でしたが、今回はゲストはなし。
下記ラインナップによる制作です。
- カイ・ハンセン<Vo/G>
- アイケ・フリーズ<G>
- アレックス・ディーツ<B:HEAVEN SHALL BURN>
- ダン・ワイルディング<Ds:CARCASS>
- ティム・ハンセン<G:INDUCTION>
アイケ、アレックス、ダンは『XXX-THREE DECADES IN METAL』でも全曲でプレイ。
ティムは『XXX-THREE DECADES IN METAL』では「Follow The Sun」にベースでゲスト参加していて、今回からギタリストとしてレギュラーに加っています。
GAMMA RAYの名バラード「The Silence」のようなアルバム・タイトル曲がある一方で、「Don’t Care」や「Wait And See」のようにHELLOWEENやGAMMA RAYとは少しずらした曲が収録されているのも魅力の1つ。
スケールの大きい「Invaders」、アグレッシヴなラスト「Wonderland」も圧巻です。
「Feeding The Beast」
静かな演奏とカイのソフトな歌による始まりがその後の展開に期待を抱かせます。
本編は適度にハード。
サビではバスドラ連打と共に高揚感を募らせ、歌い終わりで「Beast」を伸ばす唱法がハマります。
サビ後(02:22~)のメロディックなギターもうまい畳みかけ。
遠方から刺激するような04:08~がまたすばらしく、ここはフレーズに加え、響き具合も最高です。
「Welcome To Life」
意外にもバイクの音でスタートし、魅力的なベースを前面に出しながら、IRON MAIDEN風に進んでいきます。
サビでは疾走しながらカイの堂々かつ個性的な低音域Voが心地良く響き渡ります。
01:11~のギターも快感で「Feeding The Beast」02:22~のような効果。
絶妙なタイミングでの勇ましい01:38~はHELLOWEEN「Giants On The Run」(2025年『GIANTS & MONSTERS』収録/アンディ・デリスとカイが作曲)04:30~を思わせるアプローチです。
「Don’t Care」
コミカルでダンサブルな00:00~に引き込まれます。
ジワジワさせる00:07~、不安定ながらもエモーショナルに攻める00:21~がツボで、カイはエネルギーをため込みながらの低音ヴォーカル。
サビでは歌に勇ましさが加わります。
01:57~も聴きどころ。
再度00:07を持ってきてエキサイトさせる展開が秀逸です。
「Wait And See」
骨太でバイオレントな00:08~が想定外のかっこよさです。
- 力を込めての吐き出し(00:48~)
- 低音のつぶやき(01:29~)
とサビ前のアプローチのひねりも見事。
スリムで個性的な歌声のカイですが、01:55~のような荒々しい唱法もハマります。
不気味さを漂わせながら徐々に力を加えていく02:12~にも引き寄せられます。
「Born With A Hammer」
8分のアルバム・タイトル曲。
GAMMA RAYの名バラード「The Silence」系統で、分厚い歌声を要所要所に配置しながら共に感動的なメロディが展開していきます。
「The Silence」のように歌い出し、00:37~も「The Silence」01:11~。
リズミカルな04:13~も「The Silence」02:39~を思わせます。
カイの歌がソフトになってドカンとなる05:08~もハイライトの1つ。
ここではIRON MAIDEN「The Trooper」(1983年『PIECE OF MIND』収録)がちらつきます。
そして再び「The Silence」。
06:19~から「The Silence」05:29~のように展開していきます。
「I.D.G.A.F.」「End Of The Road」「Triple Trouble」
- 骨太で過激な「I.D.G.A.F.」
- GAMMA RAY「All Of The Damned」(1995年『LAND OF THE FREE』収録)に躍動感を加えたような「End Of The Road」
- 快活な「Triple Trouble」
と続いていきますが、この中では「Triple Trouble」がおすすめ。
低音ヴォイス(00:42~) → 曲名を早口で歌う勇壮なサビがキマッています。
『XXX-THREE DECADES IN METAL』に超かっこいい「Enemies Of Fun」(ラルフ・シーパーズとピート・シルクが参加)がありました。
曲調は対称的であるものの、あの雄々しいサビを速く回転させたようなメロディが印象的です。
- カイのハイトーンが伸びる01:49~
- エネルギッシュでメロディックなギター・ソロ(01:53~)
- 劇的さが加味される02:26~
も盛り上げ方もさすがですし、どもる02:43~も見事な変化球です。
「Invaders」
異空間的でスリリングな幕開け。
カイが程良く突き上げながら、01:04~で分厚い歌声を重ねるスタイルがハマります。
01:32~のハイトーンにテンションが上がり、サビは中音域による高品質メロディ。
02:06~の爆風もいいテイストで、その爆風(03:25~) → ギター・ソロがまたすばらしい。
ACCEPT「Princess Of The Dawn」(1982年『RESTLESS AND WILD』収録)02:59~のようなフレーズが染みてきて、03:42~のカイの低音ヴォーカルがまた刺さります。
カイの低音域、中音域、高音域の歌を堪能できます。
「Wonderland」
ヘヴィでザクザクした演奏が迫力満点。
ハイテンションのカイが2回繰り返された後、本編に入り、ダイナミックで緊張感のある歌メロが進んでいきます。
サビ(01:06~)では減速。
緊張感をいい感じに緩める歌メロが心地良いです。
02:35~のハイトーン+バスドラ連打もカイにぴったりのアプローチ。
畳みかけを繰り返しながらのエンディング(03:44~)も力強くてナイスです。