ANGRA、ALMAHでもすばらしい歌を披露していたエドゥ・ファラスキの2026年ソロ。
『VERA CRUZ』(2021年)、『ELDRADO』(2023年)に続く三部作の完結編になります。
アルバム自体は2026年6月12日にリリースされましたが、Spotifyでは8月26日から配信開始。
前2作に引き続き、聴きごたえのあるメロディック・メタルです。
『VERA CRUZ』では「Face Of The Storm」でSOULFLYのマックス・カヴァレラと共演していましたが、『MI’RAJ』はゲストを迎えた曲が3曲。
アルバム・タイトル曲「Mi’raj」にFLESHGOD APOCALYPSEの女性シンガー、ヴェロニカ・ボルダッチーニ、「Intuição」にANGRAのラファエル・ビッテンコート<G>、「Circle Of Dust」にCOCEPTIONのロイ・カーン<Vo>が参加しています。
『VERA CRUZ』の「Land Ahoy」、『ELDRADO』の「Eldorado」(08:01~のギター・ソロが泣ける)など、時間が長い曲も充実しているのもエドゥのソロの魅力ですが、完結編の本作はアルバム最長8分の「Watchers Of The Light」で幕を開けます。
また『VERA CRUZ』の「Sea Of Uncertainties」はANGRA『TEMPLE OF SHADOWAS』(2004年)の「Angels And Demons」に通じる超名曲で、『ELDRADO』の「Sacrifice」にも「Sea Of Uncertainties」に通じるエキサイティングなフレーズがありました。
今回は2曲目「Here I Stand」でそれを堪能できます。
「Watchers Of The Light」
8分のオープニング曲。
01:36から壮大さを伴った「Reign Of Bones」(『ELDRADO』収録)といった感じで疾走します。
- エドゥが音域を上げる(04:44~) → ドコドコ&テクニカル
- かけ声(05:11~) → ギター・ソロ
とエドゥの歌を機に演奏で魅せる構成が秀逸。
05:58~のシンフォニックな女性Voの組み込み方もさすがです。
06:45~の伸びのある歌がまたすばらしく、エドゥの魅力が満載です。
「Here I Stand」
「Sea Of Uncertainties」に似た00:05~がスリリングです。
エドゥの哀愁Voで進んでいき、徐々にテンションを上げて、サビで疾走。
歌メロも劇的で最高です。
そしてサビを歌い終わった後に「Sea Of Uncertainties」。
その後の泣きのギター(02:59~)も染みますし、03:16~のベースもガキガキしていてかっこいいです。
エンディングも「Sea Of Uncertainties」で畳みかけます。
「Mi’raj」
FLESHGOD APOCALYPSEの女性シンガー、ヴェロニカ・ボルダッチーニが参加。
硬質で厚みのある00:33~がかっこよく、00:49から疾走します。
01:45からヴェロニカ。
中音域でスタートし、徐々に音域を上げて魅了します。
そしてそのままサビに移る構成がいいですね。
サビでもヴェロニカが主役でエドゥが低音域でサポートといった形で高品質メロディが展開していきます。
神秘的に始まる03:38からの演奏パートは変則的になる04:01~がスリリング。
ヴェロニカ主導だった01:45~をエドゥが担当する05:31~も効果的なスイッチです。
エドゥはすでに『MI’RAJ』のツアーを始めており、ヴェロニカも参加。
ヴェロニカがFLESHGOD APOCALYPSE「Ode To Art (De’ Sepolcri)」(2024年『OPERA』収録)を歌い、その後にこの「Mi’raj」がプレイされているようです。
「Echoes Of Vows」
00:08~の泣きのギターがたまりません。
サビは「Sacrifice」(『ELDRADO』収録)のサビがバラードにシフトしたような感じで、02:05~のバックVoも「Sacrifice」01:23~に通じる雰囲気です。
00:09~を拡張させたようなギター・ソロもすばらしい。
スリリングさが増す04:19~ → 疾走する04:28~も見事な組み込ませ方です。
「Unchanged」
劇的な中で弾力性のあるベースを響かせながら進行。
00:29~のキーボードが80年代っぽくて心地良いです。
サビもエドゥのスケールの大きい歌メロが圧巻…なのですが、曲名の歌い方にちょっと違和感。
曲名は3回歌われるのですが、3回ともそれを感じました。
でも、曲そのものは高品質。
03:44~のサックスも素敵です。
「Intuição」
包容力のある素敵なメロディアス・ナンバー。
ANGRAのラファエル・ビッテンコート<G>がゲスト参加しています。
00:00~の美しいピアノ → 00:08~のベースが魅力的で、サビでは優しさあふれる歌メロにほっこり。
エモーショナルなギター+存在感のあるベース(02:02~) → キャッチーな歌もすばらしいです。
そして02:23からラファエルの哀愁ギター・ソロ。
程良い高揚感を与えながらのフレーズ展開がもう最高で、音域が上がる02:42~はEUROPE「Superstitious」(1988年『OUT OF THIS WORLD』収録)02:54~に通じます。
「Circle Of Dust」
CONCEPTIONのロイ・カーンが参加。
00:20~で「Mi’raj」00:33~のようにドコドコし、00:33~、00:53~の歌は「Mi’raj」のサビにつながりそうな雰囲気です。
ヴォーカルはロイ → エドゥの順ですが、ロイの歌い出し(00:23~)がかっこいい。
サビではエドゥの高音域とロイの低音域が絶妙にブレンドされた歌声が伸びていき、程良くエネルギッシュに展開するギターも見事に融合しています。
「On Your Own」「Wrath Into The War」
「On Your Own」はバラードで、分厚い歌声が重なるサビが感動的。
高音域なしの「Empty Shell」(『ELDRADO』収録)といった感じでもあり、ギター・ソロでは湿り気のあるフレーズで涙腺を刺激します。
「Wrath Into The War」は三部作完結編の最後の曲なので、壮大な曲を想像しがちですが、意外にも劇的要素を取り除いた王道の疾走ナンバー。
歌い出しがANGRA「Spread Your Fire」(『TEMPLE OF SHADOWAS』収録)のようですし、01:04~も「Spread Your Fire」00:50~に通じます。
曲名(02:15~) → 哀愁ギターがいい構成。
エンディング前の04:03~に再登場させるスタイルもハマっています。