MASTERPLAN『METALMORPHOSIS』

ローランド・グラポウ<G>率いるメロディック・メタル・バンドの通算5作目。

リック・アルツィ<Vo>が歌う作品としては2作目で、『NOVUM INITIUM』(2013年)以来、約13年ぶりのオリジナル・アルバムです。

2024年1月26日にシングル「Rise Again」がリリースされた際には「近いうちにアルバム発表か」と思ったのですが、「Rise Again」から約2年半かかりました。

リックは少しざらつきながらもエネルギッシュな中音域の歌声が魅力で、ローランドのギター・プレイも充実。

HELLOWEEN時代にローランドが書いたナンバーや名作『MASTERPLAN』(2003年)の曲を思わせる場面があるのも魅力の1つです。

「Rise Again」の再録も収録されています。

「Chase The Light」

ミステリアスな中、連打で迫ってきて、本編ではバスドラ連打を軸にアグレッシヴに進行。

サビで少し緊張感が緩み、安堵感のあるリックの中音域の歌メロが広がります。

  • ドラムの連打と共にローランドの高音域ギター・ソロ(03:31~)
  • ドラマティックな音像と共に連打(04:03~)

もスリリング。

連打が効果的です。

「Electric Nights」

マイケル・キスク<Vo:HELLOWEEN>がゲスト参加した「Heroes」(『MASTERPLAN』収録)を思わせます。

リックの歌声にエフェクト(02:39~) → ギター・ソロがいい流れ。

ギター・ソロは哀愁度が増す03:27~が特にすばらしいです。

そして03:43からエネルギッシュになり、03:46からドドン!となってキラキラ。

うまい盛り上げ方です。

エンディングの04:32~はGAMMA RAY「Heaven Or Hell」(2001年『NO WORLD ORDER』収録)04:08~に通じます。

「Shadow Man」

「Soulburn」(『MASTERPLAN』収録)のように進んでいきます。

00:21~では時代劇がちらつき、ゆがみ(00:39~) → サビの構成が見事です。

「Soulburn」は曲調に変化がありませんでしたが、この「Shadow Man」は02:20~が転換点。

高音域が伸びてフレーズにスケールの大きさが増す02:37~が特にすばらしいです。

「Bound To Fall」

「Crystal Night」(『MASTERPLAN』収録)をメランコリックにした感じです。

01:37~も「Crystal Night」03:00~のようで、これが曲中繰り返されます。

波風立てずに低空飛行するリックの唱法も曲調にハマっていて、ローランドのギター・ソロは始まりの02:35~からなかなかの刺さり具合。

悲哀さを強める03:14~もさすがです。

「Through The Storm」

00:18~が「Crawling From Hell」(『MASTERPLAN』収録)00:00~のようにシャープ。

HELLOWEEN「Someone’s Crying」(1991年『PINK BUBBLES GO APE』収録/ローランド作曲)に通じるスタートでもあります。

疾走しながら、サビではリックのスケールの大きい歌メロが心地良く広がり、歌い終わる01:18~に気持ちが引き締まります。

そしてギター・ソロ(02:15~)が最高。

2回目のサビの後に絶妙のタイミングで始まり、

  • 即効性のあるエモーショナルなフレーズ → サクサクさせながらメロディック(02:32~)

という攻めが見事です。

『METALMORPHOSIS』のギター・ソロは、この「Through The Storm」が一番です。

「The Call」

動 → 静を組み込んだ8分の大作。

「Enlighten Me」(『MASTERPLAN』収録)を拡大解釈させたような曲調で、00:10~なんかは「Enlighten Me」00:01~に通じます。

サビ前のドン!ドン!がいいアクセントで、サビでは威厳のある歌メロが広がります。

静かになってからは、

  • 悲壮感が漂う02:56~
  • 「Babylon」の歌メロ(03:27~)

が特に魅力的。

03:58~のローランドのリード・ギターもスリリングで、音声が加える04:23~がまたいいスパイスとなっています。

「Rise Again」

2024年1月26日にリリースされたシングルのアルバム・ヴァージョン。

ダイナミックさが増していて、シングルより30秒ほど長くなっています。

HELLOWEEN「The Time Of The Oath」(1996年『THE TIME OF THE OATH』収録/ローランド作曲)00:08~に通じるドラミングでスタート。

ドラマティックな中での高揚感のある歌メロとガッツがありながらも安心感を与えてくれるサビが最高です。

02:58~のギター・ソロが新規追加要素。
程良くメロディックな刺激を与えながら楽曲の魅力を際立たせるフレーズ展開が秀逸です。

プレイリスト

こちらはHELLOWEEN在籍時代にローランドが書いた曲をリリース順にまとめたもの。

  • 『BETTER THAN RAW』(1998年)…ローランドが書いた曲はなし
  • 『THE DARK RIDE』(2000年)…Spotifyで未配信

となっていますので、『PINK BUBBLES GO APE』(1991年)から『THE TIME OF THE OATH』(1996年)までの楽曲になります。

  • 疾走しながら哀愁メロディで魅了する「The Chance」
  • バラード「I Don’t Wanna Cry No More」
  • メタルを聴き続けることへのモチベーションを再認識させてくれる「Still We Go」(サビの歌詞「Still we go on the metal highway」が最高)
  • ミステリアスな「The Time Of The Oath」

など、いい曲がたくさん。

「Still We Go」「The Time Of The Oath」は、アンディ・デリス加入後の2作品『MASTER OF THE RINGS』『THE TIME OF THE OATH』の本編ラストですが、それぞれ違う曲調でアルバムを締めくくるところにローランドのソングライティングのセンスを感じます。

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