女性シンガー、ディーヴァ・サタニカ<Vo>を擁するスペインのメロディック・デス・メタル・バンドの4作目です。
ディーヴァ・サタニカの名前の由来はARCH ENEMY「Diva Satanica」(1998年『STIGMATA』収録)。
『THE END OF FAITH』(2017年)ではARCH ENEMY「Bury Me An Angel」(1996年『BLACK EARTH』収録)もカヴァーしています。
ディーヴァはBLOODHUNTERに在籍しながら、NERVOSA『PERPETUAL CHAOS』(2021年)、HOW WE END『HOW WE END』(2024年/CYHRAのジェイク・EとツインVo)でも歌っていて、これまでの作品をリリース順にすると下記のようになります。
- BLOODHUNTER『BLOODHUNTER』(2014年)
- BLOODHUNTER『THE END OF FAITH』(2017年)
- NERVOSA『PERPETUAL CHAOS』(2021年)
- BLOODHUNTER『KNOWLEDGE WAS THE PRICE』(2022年)
- HOW WE END『HOW WE END』(2024年)
- BLOODHUNTER『SONS OF THE ABANDONED』(2026年)
ARCH ENEMY
上述の「Bury Me An Angel」「Diva Satanica」はオリジナルではヨハン・リーヴァのヴォーカルですが、アンジェラ・ゴソウ期にも『THE ROOT OF ALL EVIL』(2009年)でリメイク。
ヨハン、アンジェラ、BLOODHUNTERのそれぞれのヴァージョンを楽しみましょう。
ちなみに『THE END OF FAITH』(2017年)にはHELLOWEEN「I Want Out」(1988年『KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART II』収録)のカヴァーも収録されています。
『SONS OF THE ABANDONED』のレビュー
アグレッシヴ → 途中で緩急をつけてメロディックというスタイルがキマッています。
前作『KNOWLEDGE WAS THE PRICE』では「Never Let It Rest」でティム“リッパー”オーエンズがかっこいいヴォーカルを披露していましたが、今回は「Threshold Of Hell」にフェルナンド・リベイロ<Vo:MOONSPELL>、「The Path That Never Ends」にローラ・グルデモンド<Vo:BURNING WITCHES>がゲスト参加しています。
ラストの「Human Insecticide」はANNIHILATOR(オリジナルは1989年『ALICE IN HELL』収録)のカヴァーです。
「The Devil’s Own」
02:35~がすばらしい。
ドラマティックな空間が広がり、02:45から耽美的になります。
そして02:56から泣きのギター・ソロ。
ソロは始まった瞬間刺さり、よりエモーショナルになっていくフレーズ展開が最高です。
「The Outspoken」
00:00~がグルーヴィで刺激的。
00:26からかすかに聞こえ始めるキーボードがいいテイストで、01:22からはバスドラ連打+メロディックなギターにワクワクさせられます。
キーボードが前面に出始める01:46~も「The Devil’s Own」02:35~のように見事な転換点。
02:05~のギターも染みます。
「Threshold Of Hell」
フェルナンド・リベイロ<Vo:MOONSPELL>がゲスト参加。
サイレン(00:00~) → ヘヴィなギター(00:03~)によるスタートがスリリングです。
00:03~は短い時間でありながらも、KAMELOTの「Ashes To Ashes」(2012年『SILVERTHORN』収録)00:04~や「My Pantheon (Forevermore)」(2023年『THE AWAKENING』収録)00:45~のようなクールさ。
ドコドコしながら進行し、サビでは勇壮なかけ声がかっこよくキマります。
02:12からメランコリックになり、フェルナンドの低音ヴォイス。
進行していくにつれ吐き捨て気味になる語りが特徴的で02:30~の泣きのギターがまたたまりません。
再びサイレンを鳴らす03:05~も効果的です。
「Ephemeral Youth」「Sons Of The Abandoned」
「Ephemeral Youth」は冷風がかすかに吹き抜けるような00:37~が印象的で、01:25からメロディックなギターで魅了します。
「Sons Of The Abandoned」は連打を絡めながらもエネルギーはセーブしつつ進行。
緊張感が高まっていく中、サビが始まった瞬間のメロディックなギターにホッとさせられます。
02:12~のギター・ソロは音量大きめでエモーショナルに迫ります。
「No One Beats Death」「Code Aeternam」
「No One Beats Death」は、ややズレ気味のギター(00:56~) → クリーンになりそうなディーヴァのVoが印象的。
02:28~のギター・ソロは、アブノーマルさを醸し出しつつ、02:55からメロディックに軌道修正されていく展開が秀逸です。
「Code Aeternam」はグルーヴィな中、ディーヴァの凶器さが増す00:46~がいい刺激で、メロディックに刻まれてから混沌とする02:32~に惹きつけられます。
「The Path That Never Ends」
ローラ・グルデモンド<Vo:BURNING WITCHES>がゲスト参加。
軽く警告(00:16~) → 哀愁(00:33~)へのギターの移り変わりが効果的で、エフェクトがかかったギター(00:49~) → 突進の流れもエキサイティングです。
サビでローラが登場。
高音域がノーラ・ロウヒモ<Vo:元BATTLE BEAST>を少しクレイジーにした感じで、ローラの個性が際立ちます。
01:59~のギター・ソロもいいですね。
じっくりと深く食い込んできます。
「The Night Is Darker Before The Dawn」「Masters Of Deceive」
「The Night Is Darker Before The Dawn」はダークでありながら美しいインスト。
「Before The Dawn」つながりで、JUDAS PRIESTも聴きたくなります。
「Masters Of Deceive」は暴虐的 → 減速して哀愁ギター(00:23~)の緩急ある構成が見事。
00:56からは「The Outspoken」00:26~のように適度に楽曲をドラマティックに装飾します。
00:23~の音域を上げた01:27~もすばらしい展開ですし、耽美的になる03:04~もいいテイストです。
「Human Insecticide」
ANNIHILATORのカヴァー。
オリジナルは『ALICE IN HELL』(1989年)に収録されていて、アルバム本編のラストを飾っていました。
ベースを弾けさせながら疾走するオリジナルのスタイルを踏襲しながらも、重厚かつダイナミックに展開します。
オリジナルより早いタイミングでメロディックに伸ばす04:29~もいい刺さり具合で、フレーズそのものにメロディック・デス・メタルならではの魅力が感じられます。
HOW WE END『HOW WE END』(2024年)
こちらはディーヴァとCYHRAのジェイク・Eのツイン・ヴォーカル。
BLOODHUNTERの『KNOWLEDGE WAS THE PRICE』(2022年)と今回の『SONS OF THE ABANDONED』の間に発表されています。
CYHRAは2026年6月5日に『REQUIEM FOR A PIPE DREAM』をリリース。
そして1週間後の6月12日にBLOODHUNTERが『SONS OF THE ABANDONED』を出しました。
ジェイクとディーヴァのパフォーマンスを堪能するのに最適なタイミングですので、HOW WE ENDも楽しみましょう。
- 躍動感のある「My Fighting Heart」 → 重厚でサビが美しい「My Cyanide」
- リズミカルな中で切なさとブルータルさが同居する「Does Anybody Give」
- 爆発力がある「Face Everything」
- シャープでありながらも悲哀な「Levitate」
- 泣きのギター・ソロが絶品のバラード「We All Die Young」
がおすすめです。