8枚目のアルバム。
『PLANET ZERO』(2022年)から約4年ぶりで、アルバム・タイトルは「EIGHT」の「G」を「8」に変えた表記になっています。
『PLANET ZERO』以降は以下の順にシングルをリリース。
- 「Three Six Five」「Dance, Kid, Dance」(2025年1月24日)
- 「Killing Fields」(2025年7月15日)
- 「Searchlight」(2025年11月18日)
- 「Safe And Sound」(2026年2月17日)
- 「Outlaw」(2026年4月3日)
上記を含め全18曲が収録されていて、トータルで約65分という充実のボリュームです。
『PLANET ZERO』は小曲を含めて20曲/約49分でしたが、今回は小曲はなし。
初出となる曲も結構多く、しかもハイクオリティなので、アルバムとしての鮮度も高いです。
長時間エキサイトさせるという点ではKISSの1989年作『HOT IN THE SHADE』(15曲/約59分)に通じるものがあります。
ハードなナンバーからバラードまで幅広く歌いこなすブレント・スミス<Vo>のパフォーマンスには風格が感じられ、ひねりを効かせた楽曲構成もさすが。
過去の名曲を思い起こさせる場面があちこちにあるのも魅力で、「Three Six Five」はもろにDEF LEPPARD「Hysteria」なので笑顔になること間違いなしです。
「At The Bottom」
意外にもピアノで始まります。
「1曲目はバラード?」と思いますが、00:57からヘヴィに展開。
ブレントのヴォーカルは、音域の上げを期待させつつも逆に下げる00:52~、01:00~(サビ)がいいフェイントです。
演奏では01:07~がいい感じに不安定。
01:24~では『PLANET ZERO』のラスト「What You Wanted」の変さが少し感じられ、01:32からは躍動感を加えながら次曲「Dance, Kid, Dance」のように叩きつけます。
01:07を軸にして音域を上げてゆらゆらする02:28~も面白いです。
「Dance, Kid, Dance」
2025年1月24日に先行公開。
曲名を2回力強く歌った後にサビに流れる構成がかっこいいです。
「CREATURES」(2018年『ATTENTION ATTENTION』収録)のサビをノリ良くしたような歌メロが魅力的。
減速してヘヴィなギターで攻めるサビ後(01:02~)もキマッています。
高音域のエモーショナルなギター・ソロも刺さりますし、曲名1回(02:32~) → ドラム連打 → サビもうまいアレンジです。
「Burning Down The Disco」
カオスに曲名をコール → ドン!ドン!にKO。
やや早口のブレントのヴォーカルもハマり、サビでは躍動感が増します。
00:43~のバックVoも力強く、曲名の「Disco」をちょっと区切った唱法がまたかっこいい。
01:55~の高音域フレーズもいい刺激です。
ジリジリしていてダイナミックでダンサブル。
これまでのSHINEDOWNからは考えにくい高品質なナンバーの登場にうれしくなります。
「Three Six Five」
2025年1月24日に「Dance, Kid, Dance」と一緒に先行公開。
DEF LEPPARD「Hysteria」(1987年『HYSTERIA』収録)です。
ほほえましいぐらい「Hysteria」なので、思わず表情が緩みます。
「この後”Hysteria”を聴くな」と言われても聴きたくなっちゃいます。
本編はブレント・スミスの優しさに満ちた歌唱が印象的。
ノスタルジックさが加わるサビ後の01:12~、演奏に厚みが増す02:24~もいいアクセントです。
「Young Again」
郷愁感のあるメロディアス・ナンバー。
テンポ良く進んでいく中、ブレントはテンションを抑え気味。
サビで音域が上がってすばらしいメロディが進行するのですが、サビ前に一呼吸入れてから歌う00:54~がいいですね。
間を置いてのスネア(01:16~)、短時間骨太になる01:29~のような細かい仕掛けも見事ですし、ヘヴィな演奏の後に音量控えめに展開する歌メロ(02:31~)も素敵です。
「Dizzy」
キーボード+ブレントの伸びやかな歌で始まり、00:30から躍動感が増します。
01:10~の「Hallelujah」が魅力的で、その後サビへ。
サビでは懐古的かつ優しいオーラに包まれながら、スネアの叩きつけをベースに進行していきます。
きらめく01:43~、02:51~もいいですね。
清々しい気持ちにさせられます。
「Imposter」
ブレントの低音域の歌がミステリアスな曲調に見事にハマります。
間隔を置いてバックVoを加える00:39~も効果的で、サビを軸にしたリード・ギター(01:28~)もいい刺激です。
01:46からはブレントの音域が上がって、その後「Her Name Is Alice」のような切ないピアノ。
後半はサビを変換させた02:07~がすばらしく、神秘的でありながらも安堵感を得ることができます。
「Machine Gun」
ノリの良いナンバー。
「Devour」(2008年『SOUND OF MADNESS』収録)を少しポップにした感じで、00:51からサビに向けての期待が高まります。
そしてサビ(01:11~)ではゴージャスかつノスタルジックな極上の歌メロが展開。
バックVo込みで曲名2回(01:22~) → ブレントの歌1本で曲名1回(01:34~)もかっこよくキマっていて、ブレントのみの01:34~で「Gun」を少し短めに歌い切るところにアレンジのうまさを感じます。
「Outlaw」「Safe And Sound」「Searchlight」
ここから先行公開曲が3曲続きます。
「Outlaw」は2026年4月2日に先行公開。
ダークなバラード調で「The Crow & The Butterfly」(『SOUND OF MADNESS』収録)っぽいところがあります。
「Safe And Sound」は2026年2月17日に先行公開。
爆発力のあるナンバーでブレントの歌い出しが「Bully」(2012年『AMARYLLIS』収録)のようなかっこよさです。
2026年5月13日から始まったツアーでは、この「Safe And Sound」が1曲目に演奏されています。
「Searchlight」は2025年11月18日に先行公開。
音域を上下させながらの切ない歌メロとストリングスの組み込ませ方が見事なバラードで、悲壮感を強めるエンディングがまたたまりません。
「Bear With Me」
クリアな音質で明るく進行。
ウキウキしながらリズカルに歌うサビがツボです。
いったん引く01:26~もいい緩急ですし、朗らかさが加わる02:27~にも温かい気持ちにさせられます。
03:03~も見事な変化球。
不思議な歌声にちょっとジワります。
「Deep End」
ミステリアスなオープニングにワクワク。
物悲しさを醸し出すブレントの歌メロが魅力的で、適度にダイナミックなキーボードもいい刺激です。
そしてサビで音域が上がり、極上の歌メロが展開。
切なさも倍増します。
哀愁の歌メロを踏襲しつつ痙攣気味の02:20~にも魅了されますし、その後のサビでは悲哀さがさらに強まります。
「Killing Fields」
2025年7月15日に先行公開。
静 → 動の展開を持つナンバーで、高揚感のあるサビがかっこいいです。
伸びやかな00:58~もいいですね。
演奏も歌も1回目より奇妙な2回目の静のパート(01:08~)、02:02~もなかなかツボ。
歌に厚みが増す最後のサビ(02:55~)にも胸が熱くなります。
「Back To The Living」
「Thick As Thieves」(2015年『THREAT TO SURVIVAL』収録)をスロー・バラード寄りにした感じ。
ハードかつ切なく展開していった名曲の歌メロが所々でちらつきます。
切ないサビが感動的でキーボードが前面に出始める01:28~がいいですね。
サビ後の泣きのフレーズ(01:54~)も絶妙のタイミング。
歌声に厚みが増し、ミステリアスさも加味される02:51~もすばらしいです。
「Wide Open」
SHINEDOWNっぽくないソフトさで進行していき、00:31から清らかになります。
ブレントの合図と共にハードになる00:56~がかっこいい。
耽美的な01:17~もいいですね。
サビでは00:56~をベースとしたハードな演奏の中で曲名が複数繰り返されます。
高音域での演奏パート(02:02~)もうまい突き上げ具合で、エネルギッシュになる02:26~がまたいいスパイスです。
「So Glad That You Asked」「The Pilot」
「So Glad That You Asked」はメランコリックな中、低音域を軸とした高品質な歌が展開。
歌声の質を変える00:39~も見事な仕切り直しで、ブレントの合図(00:59~) → ノスタルジックな歌もすばらしい構成。
メロディそのものも「Thick As Thieves」00:00~や「GET UP」(『ATTENTION ATTENTION』収録)のように心地良く、00:59~は「Wide Open」同様、タイミングも抜群です。
ラストの「The Pilot」はアコースティック・ギターとブレントのソフトな歌をメインに進行し、ドン!となる01:51~にドキッとさせられます。
『SOUND OF MADNESS』の本編ラスト「Call Me」03:27~に通じるいい響きです。