『THE AWAKENING』(2023年)以来3年ぶりとなるアルバムです。
通算14作目。
シンガーがトミー・カレヴィックになってからは5作目、CYHRAのドラマーでもあるアレックス・ランデンバーグが加入してからは2作目になります。
『THE AWAKENING』と同じ下記ラインナップ。
- トミー・カレヴィック<Vo>
- トーマス・ヤングブラッド<G>
- ショーン・ティブベッツ<B>
- アレックス・ランデンバーグ<Ds>
- オリバー・パロタイ<Key>
これまでの作風を踏襲していて、今回も王道のドラマティック・メタルが楽しめます。
そしてゲストが多数。
男性がトビアス・サメット<Vo:TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA, EDGUY>で、女性が以下になります。
- イグナシア・フェルナンデス<Vo:DECESSUS>…『ミス・ワールド・チリ2025』優勝
- クレモンティーヌ・ドロネー<Vo:VISIONS OF ATLANTIS>
- レア=ソフィー・フィッシャー<Violin:ELUVEITIE>
- Rannveig Sif Sigurðardóttir<Vo>…「A Sailorman’s Hymn」(1999年『THE FOURTH LEGACY』収録/リードVoはロイ・カーン)でも共演
- Sólveig Sara Leupold<Vo>
これまでもアルバムに多くのゲストを迎えてきていますが、今回もセンスのある人選です。
特にイグナシアとクレモンティーヌが参加した「Sanctuary」は圧巻。
『THE AWAKENING』でシモーネ・シモンズ<Vo:EPICA>とメリッサ・ボニー<Vo:AD INFINITUM>が共演した「New Babylon」に通じるハイライト・ソングです。
「Sanctorium」「Ashen World」
壮大な序曲「Sanctorium」から疾走曲「Ashen World」につながります。
「Sanctorium」からイグナシア・フェルナンデス<Vo:DECESSUS>が参加。
「Ashen World」以降はグロウルですので、彼女のクリーンの声が聴ける貴重な序曲です。
「Ashen World」はローレン・ハード<Vo:ARCH ENEMY>が参加している「Phantom Divine (Shadow Empire)」(2018年『THE SHADOW THEORY』収録)を思わせるメロディック・メタル。
一瞬音域が上がる01:09~のトミーが独特で、02:15からイグナシアのグロウルが登場します。
「Dark Asylum」
「Insomnia」(2015年『HAVEN』収録)のように躍動感があってスリリング。
トミーの歌のバックでの耽美的なピアノがいいテイストで、ドコドコと連打(01:11~) → 止まる → スケールの大きいサビへの流れが圧巻です。
高音域の歌声で伸ばす02:24~も見事な変化球。
サビの魅力を際立たせる効果が抜群です。
メロディックなギターをちょこっと(03:08~) → 本格的なギター・ソロ → キーボードで魅了する構成もさすがです。
「Sanctuary」
クレモンティーヌ・ドロネー<Vo:VISIONS OF ATLANTIS>が参加し、イグナシアも再登場。
- 「One More Flag In The Ground」のようなスタート
- 「NightSky」00:07~のようにシンフォニックな00:20~
と『THE AWAKENING』に通じるアプローチで畳みかけます。
00:46~が「The Human Stain」(2007年『THE GHOST OPERA』収録)01:04~のように美しくミステリアス。
サビではクレモンティーヌと共に曲名を切なく歌い上げ、それまでより力を加えて歌い終える01:30~がまた効果的。
すばらしいです!
2番の変化球もすばらしく、1番とは異なる下記構成に圧倒されます。
- クレモンティーヌのリードVo
- イグナシアのグロウル
- クレモンティーヌが突き上げて絶品のサビ
02:58~のイグナシアも迫力があり、音域を上げてヒステリックになるトーマスのギター(03:12~)も刺激的です。
「Nocte Veritas」「One Last Masquerade」
神聖な小曲「Nocte Veritas」の後にトビアス・サメット<Vo:TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA, EDGUY>が参加の「One Last Masquerade」が続きます。
1番はトミーが歌い、2番からトビアスが登場。
サビ前に長めに引く00:57~が特徴的で、サビではTOBIAS SAMMET’S AVANTASIA「Let The Storm Descend Upon You」(2016年『GHOSTLIGHTS』収録)のようにダイナミックになります。
ちょっとメルヘンチック(03:03~) → 高音域ギター・ソロ → キーボードにも引き込まれ、ここは「Dark Asylum」03:08~のような充実ぶりです。
「Godlike Alchemy」
始まりが「New Babylon」(『THE AWAKENING』収録)のように神聖で壮大。
本編は「Ashes To Ashes」(2012年『SILVERTHORN』収録)をよりエネルギッシュにさせたような感じで進行します。
ヘヴィな00:30~もKAMELOTならでは。
「Ashes To Ashes」でいえば00:04~に通じます。
サビでは回転力のある高音域の歌メロが展開。
- 哀愁ギター・ソロ(01:50~)
- 「NightSky」(『THE AWAKENING』収録)のようにシャカシャカ(02:07~)
- さらに音域を上げるサビ(02:28~)
の構成もスリリングですし、02:42~で音域を下げるトミーがまたかっこいいです。
「The Sleeping Mind (Orphic Paradigm)」
こちらも「New Babylon」のようなスタートですが、本編はエネルギッシュでシャープ。
バスドラ連打+劇的な歌メロによるサビがかっこよく、トミーの歌声が伸び、歌い終わりに高音域を伸ばすアプローチがハマります。
ドラムが暴れてギター・ソロに移行する構成もエキサイティング。
始まりの高音域フレーズがいい感じに突き刺さります。
「Cassandra’s Disease」
切ないピアノで始まりますが00:16から曇ったギターが入り、00:27からダークかつヘヴィに進行。
視界不良にさせてガツンとさせる攻めが上手です。
トミーが徐々に突き上げる(01:02~) → 劇的なサビも聴きごたえがあり、泣きのギター・ソロもなかなか。
全体的に「Beautiful Apocalypse」(『HAVEN』収録)のようなオーラが漂います。
「Beneath The Moon (Tunglið)」「The Puppet King」「Sanctum Requiem」
「Beneath The Moon (Tunglið)」には下記女性ゲストが参加。
- レア=ソフィー・フィッシャー<Violin:ELUVEITIE>
- Rannveig Sif Sigurðardóttir<Vo>…「A Sailorman’s Hymn」(1999年『THE FOURTH LEGACY』収録/リードVoはロイ・カーン)でも共演
- Sólveig Sara Leupold<Vo>
「A Sailorman’s Hymn」のような曲調の中で包容力のあるメロディが進行します。
トミーはお休みです。
「The Puppet King」は「引き続き静かな曲?」と思っていたら、00:15~でトミーの声が力強くなり疾走。
『THE AWAKENING』の「My Pantheon (Forevermore)」をアグレッシヴにした感じ雰囲気でもあります。
じっくり聴かせる0146~も効果的な減速で、泣きのテイストを出しながらエネルギッシュに展開するギター・ソロにも魅了されます。
そして、切ないながらも徐々に壮大になり、物悲しく終わる「Sanctum Requiem」でアルバムを締めます。
セットリストには新曲を4~5曲
リーダーのトーマスがツアーのセットリストについて語っています。
We save four to five new songs always with each tour, so that’s five songs that we have to eliminate from the setlist. And then — like on this upcoming tour, we’re gonna be bringing back some songs that we haven’t played in a while.
引用元:BLABBERMOUTH.NET
- 毎ツアー、新曲のために4~5曲分の枠を確保している(その分、過去の定番曲などを外す必要がある)
- その一方で、次のツアーではしばらく演奏していなかったレア曲も復活させる予定
といった内容です。
さらに以下のようにも述べています。
we always try to focus on the most up-to-date material. And I think that’s kind of been a really special aspect of our shows, to always present new music and believe in the new music.
引用元:BLABBERMOUTH.NET
- 常に最新の楽曲に焦点を当てるよう心がけている
- 常に新曲を披露し、その新しい音楽に信念を持ち続けることこそが、KAMELOTのショウにおける特別な要素
このトーマスの発言、常に前に進んでいる感じがあっていいですね。
私は新曲が多く組み込まれるセットリストが特に好きです。
『THE AWAKENING』の時の日本公演を観に行きましたが、この時は『THE AWAKENING』から「One More Flag In The Ground」「Opus Of The Night (Ghost Requiem)」「NightSky」「New Babylon」の4曲を演奏。
実際、新曲を軸とした充実感のあるステージでした。
『DARK ASYLUM』からの選曲がどういったものになるのか、そして旧譜からはどのナンバーが選ばれるのか楽しみです。
開演前、終演後のBGM
『THE AWAKENING』の日本公演ではBGMの選曲も興味深かったです。
開演前は以下の4曲を覚えています。
EVANESCENCE、DISTURBED、FIVE FINGER DEATH PUNCHが意外。
「KAMELOTと同じアメリカ出身のバンドを重点的に選んでいるのかな」とも思ったのですが、音楽スタイルをずらした選曲が新鮮でした。
終演後は順番は定かではありませんが、KAMELOTの下記2曲。
「My Pantheon (Forevermore)」は『THE AWAKENING』の本編ラストですので「なるほど」となりますが、「Beautiful Apocalypse」は予想外。
「Beautiful Apocalypse」は『HAVEN』の中でも特に好きな曲でしたのでうれしくなるのと同時に「開演前だけでなく終演後もひねるなあ」と思ったのをよく覚えています。