EVERGREY『ARCHITECTS OF A NEW WEAVE』

スウェーデンのドラマティック・メタル・バンドの通算15作目。

  • 14作目『THEORIES OF EMPTINESS』(2024年)
  • シングル「OXYGEN!」(2025年)

を経てのアルバムとなります。

長い間、リード・ギタリストとして貢献してきたヘンリック・ダンハーゲがバンドを脱退。

トム・S・エングルンドのインタビューによれば、下記4人で制作され、ギター・ソロの半分はヨハンがプレイしているようです。

  • トム・S・エングルンド<Vo/G>
  • リカルド・ザンダー<Key>
  • ヨハン・ニーマン<B>
  • シメン・サンドネス<Ds>

その後、ヘンリックの後任としてスティーヴン・プラット<G:SCAR SYMMETRY>がバンドに加入しています。

これまでヘンリックはすばらしいプレイをしていたので、彼の不在は寂しいですが、曲そのものは相変わらず高品質。

重厚でダイナミックなサウンドに魅力的なメロディを上手く組み込ませます。

『THEORIES OF EMPTINESS』に引き続き、ゲスト参加曲もあります。

『THEORIES OF EMPTINESS』はヨナス・レンスケ<Vo:KATATONIA>とトムの娘のSalinaでしたが、今回はミカエル・スタンネ<Vo:DARK TRANQUILLITY, THE HALO EFFECT, CEMETERY SKYLINE>が「A Burning Flame」で共演しています。

アルバム本編のみの通常盤とボーナス付きのデラックス盤が配信されていますが、本編の後に「OXYGEN!」を聴けるデラックス盤がおすすめです。

『ARCHITECTS OF A NEW WEAVE』本編

「Welcome To The Pattern」「The Shadow Self」

震え気味の低音声による「Welcome To The Pattern」から「The Shadow Self」につながります。

衝撃音と共に本編に入る00:03~がかっこいい。

「A Silent Arc」(2019年『THE ATLANTIC』収録)01:29~のようにゆっくりとミステリアスに進んでいきますが、サビでは躍動感が増して劇的になります。
00:55~のハーモニーもすばらしいですね。

変則的でザクザクさせながらの02:44~にもワクワク。

  • エモーショナル(02:56~) → エネルギッシュ(03:09~) → ドラム連打(03:23~)

とテンションを上げていくスタイルがハマります。

「Architects Of The New Weave」

00:18~のかすかに耽美的なキーボードがいいテイスト。

程良いバスドラ連打を軸としたシャープな曲調の中、トムの切ない歌メロが進行します。

サビは勇ましくキャッチー。

名曲「Where August Mourns」(2021年『ESCAPE OF THE PHOENIX』収録)の00:57~を鼓舞させたような01:36~にも緊張感が高まります。

ギター・ソロは歌とは対照的に高い音域で進行します。

「The World Is On Fire」

劇的でヘヴィです。

00:13~の伸ばし方がかっこよく、PERIPHERY「Flatline」(2016年『PERIPHERY III: SELECT DIFFICULTY』収録)05:21~のよう。

溜めのある曲調にトムのエモーショナルでメロディアスな歌がハマります。

静か(02:26) → 生命が宿ったようなミステリアスなギター・ソロ(02:53~)もすばらしい。
ソロは始まった瞬間ギョッとします。

「Heaven」

カンカン響かせるキーボードと00:13~のバスドラ連打が心地良いです。

サビではちょっと明るい雰囲気になり、間隔を空けての唱法が独特。

そして02:52からは極上のツイン・ギターが浸透します。

リード・ギター1本になってからのエモーショナルな03:05~ → 熱量が加わる03:18~もいいですね。

「The Shadow Self」の盛り上げ方を思わせます。

「Leaving The Emptiness」

BON JOVI「Wild In The Streets」(1986年『SLIPPERY WHEN WET』収録)のよう。

懐古的なキーボードとトムのノスタルジックな歌メロがたまりません。

かけ声(00:53~) → サビもすばらしい流れ。

かけ声は郷愁を感じさせながらも力強い声質が魅力的で、サビに入ってからも効果的に用いられます。

ギター・ソロは高音域を中心にエネルギッシュに進行。
02:56から浸透度が高まります。

「A Burning Flame」

ミカエル・スタンネ<Vo:DARK TRANQUILLITY, THE HALO EFFECT, CEMETERY SKYLINE>がゲスト参加。

ミカエルはグロウルは使わず、クリーンVoのみのパフォーマンスで、思ったほど前面には出ていません。

躍動感がある曲調で00:07からTHE HALO EFFECTっぽい泣きのギターが入ります。

00:42~でハモるので、おそらくここからがミカエル。

サビでは重厚な低音域の歌声による美しいメロディが展開します。

03:04からギター・ソロ。
高音域の始まりが名曲「Our Way Through Silence」(『THEORIES OF EMPTINESS』収録)03:10~(初めて聴いた時は本当に泣きそうになりました…)に通じる刺さり具合です。

静かな空間に誘う(03:33~) → サビもすばらしい構成です。

「Chains Of Shame」

00:14~が鋭角的でスリリング。
トムの歌が前面に出た後に配置するスタイルがキマッています。

「Falling From The Sun」(『THEORIES OF EMPTINESS』収録)をやや混沌とさせた感じで進んでいきます。

ギターで刺激する01:59~もいいスパイス。

  • メランコリックでありながらも美しい02:27 → ヨハンのベースが前面に出る02:52~

と徐々にハードさを加えてサビに戻る構成も見事です。

「The Prophecy」

ドラマティックでダイナミック、そして切なく美しい。

エンディングにぴったりな曲調の中でのトムの伸びやかなヴォーカルがすばらしいです。

いったん引く00:57~も素敵。

03:20~は「Cold Dreams」(『THEORIES OF EMPTINESS』収録)00:52~を思わせます。
この曲にヨナス・レンスケ<Vo:KATATONIA>とトムの娘のSalinaが参加していました。

ピアノが前面に出てより壮大(04:34~) → ピアノのみ(05:02~)の締め方もジーンときますね。

これまでで最高レベルのエンディング曲です。

デラックス盤のボーナス・トラック

以下の5曲が追加されています。

  1. Heights
  2. OXYGEN! (Album Mix)
  3. One Heart…『THEORIES OF EMPTINESS』収録
  4. Longing (Demo Version)
  5. Falling From The Sun (Live In Europe 2025)
  6. Leaving The Emptiness (Instrumental)

「Heights」はスローで重厚な中に切なくノスタルジックな歌メロが響き渡ります。

「OXYGEN!」は2025年11月6日にシングルでリリース。

発表以降はライヴでも最後に演奏されている重要曲で、『ARCHITECTS OF A NEW WEAVE』からの先行曲だと思っていたのですが、ボーナス・トラック扱いは意外でした。

アルバム本編に入れないところにバンドの創作意欲が感じられます。

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