多国籍プログレッシヴ・メタル・バンドの2nd。
『TERROR MANAGEMENT THEORY』(2023年)以来のアルバムです。
メンバーは以下の5人。
- フレドリック・クレンプ<Vo:ノルウェー>
- エリック・ジレット<G:アメリカ>
- ミゲル・ペレイラ<B:ポルトガル>
- シメン・サンドネス<Ds:ノルウェー>…現EVERGREY。「OXYGEN!」(2025年)から参加
- ディエゴ・テヘイダ<Key:メキシコ>…元HAKEN。『AQUARIUS』(2010年)~『VIRUS』(2020年)でプレイ
『TERROR MANAGEMENT THEORY』に引き続き、シリアスかつスリリングなサウンドです。
フレドリックはフワッとさせた歌い方が特徴的。
シメンがEVERGREYに在籍していることを意識すると、フレドリックの歌がトム・S・エングルンド<Vo/G:EVERGREY>に浮遊感を持たせた感じに聞こえます。
EVERGREYは2026年6月5日に『ARCHITECTS OF A NEW WEAVE』をリリース。
『TERROR MANAGEMENT THEORY』だけでなく、『ARCHITECTS OF A NEW WEAVE』との聴き比べもおすすめです。
9分の「Casting Stone」と10分の「As Long As We Last」が充実しているのも魅力で、特にラストの「As Long As We Last」は終わり方が最高。
大作はエンディングに緊張感があるとその曲を聴く大きなモチベーションになりますが、「As Long As We Last」はその好例です。
「Ashes」
アートワークの雷と不穏な音をバックに語る「Asunder」からつながって始まります。
シャープな00:00~にワクワク。
サビではテンポを落とし、伸びやかな歌が展開され、その後アグレッシヴさを取り戻します。
緊張感を緩めて再び引き締める構成が秀逸です。
フレドリックが一瞬音域を上げる02:51~も独特。
長めに歌う04:22~も効果的です。
劇的な歌声を響かせながら畳みかけてエンディングに向かう04:40~にも燃えます。
「Beyond The Voice」
どんよりする中、00:21~が刺激的。
スリリングな01:09~を機にハードになり、サビでは切ない歌メロが伸びていきます。
ソフトな歌のバックで高音域ギターが音量控えめで刻まれる02:17~もいいスパイスです。
一瞬の音域上げ(02:55~) → ギター・ソロもすばらしく、ギター・ソロは泣き(03:12~) → 高音域(03:22~)が圧巻。
03:12~ではTREAT「Riptide」(2018年『TUNGUSKA』収録)02:49~がちらつきます。
「Ceased To Be」
『TERROR MANAGEMENT THEORY』の「Falling Away」をダイナミックにさせたようなスタートです。
00:23~のフレドリックの歌声が幻想的。
ソフトな声で高音域になる01:37~はCALIGULA’S HORSEを思わせ、美しいハーモニーと共にさらに音域が上がる02:03~に胸が高鳴ります。
- 透明感がありながら刺激的な03:22~
- ドラムが暴れる04:07~
- 高音域ギター・ソロ(04:12~)
もエキサイティングな構成。
曲は静かな「Broken」へとつながっていきます。
「Broken」は02:49~の音色が独特で、バックから聞こえてくる03:28~の歌声がいい響きです。
「Casting Stone」
9分の長尺曲。
鋭い00:36~にゾクゾクさせられ、その後弾力性を伴ってテクニカルに展開していきます。
聴きどころは03:24~。
衝撃音と共に刺激的になり、ドラムが迫って極上の演奏パートへ突入します。
光線のような04:20~がユニークで04:30~もスリリング。
05:22からは減速してギター・ソロとなり、ここからは約1分間哀愁フレーズを堪能できます。
その後静まって陰鬱になり、06:47からフレドリックが歌い出しますが、だんだん熱量を上げていく唱法が曲調にハマっています。
08:03~の高音域フレーズもなかなかです。
「See Myself」
ヘヴィな00:00~がかっこよく、00:12から緊張感が増します。
00:40~のパワフルなエフェクト声が新鮮で、ゆがんだ01:05~もいいテイスト。
ヴォーカルの強弱の効果が抜群です。
サビでは美しいメロディが伸びていき、02:12~の音域上げでも絶妙のタイミングです。
- グルーヴィでリズミカルな03:36~
- 加速する03:53~
- 減速して刺激を加える04:14~
- メロディックな04:49~
と変化に富んだ演奏パートも最高です。
「Parting The Waves Inside」
フレドリックがフワッとソフトに歌い出して始まり、01:06からハードかつドラマティックになります。
聴きどころは03:04~。
歌が伸びてきらびやかになった後、以下に引き込まれます。
- 音域が上がるかと思いきや、逆に下げて聴かせる03:46~
- 劇的かつミステリアスになる04:04~
- 高音域で刺激する04:26~
- よりエキサイティングになる04:55~
そして05:41~。
メランコリックな中に歌が響き渡るのですが、メロディ、声質、響き具合、全てがすばらしいです。
この05:41~、EVERGREYの名曲「Our Way Through Silence」(2024年『THEORIES OF EMPTINESS』収録)00:00~をスローにさせた感じでもあります。
「Alone」
物悲しい「Night Of Veils」を踏襲してスタート。
ソフトな歌唱で音域を上げる01:04~が素敵で、ハードになってから情熱的に展開する01:47~がまた最高です。
涼風が吹き抜けるような02:30~も効果的。
フレドリックが音域を上げる04:53~ → ギター・ソロもアツいです。
「As Long As We Last」
ラストは最長の10分の大作。
スロー・テンポで静 → 動の展開を見せますが、美しい歌に重なるギター・ソロ(04:22~)が刺さります。
程良い高揚感を与えてくれる04:46~、キラキラする中で展開する幻想的な歌(05:46~)も魅力的です。
そしてシメンがスネアを叩いた後の06:28~が聴きどころ。
- ヘヴィで弾力性が増す演奏
- フワフワした歌
の対照的なアプローチが見事で、06:49からのエフェクト声がまた刺激的です。
07:51からはドコドコしながらのフレーズに気分が盛り上がり、フワッとさせながらきれいなハーモニーで魅了する08:19~も見事。
08:59からはさらに激しいフレーズにドキドキさせられ、09:10からは高音域を伸ばしてエンディングを迎えます。
圧巻!
EVERGREY『ARCHITECTS OF A NEW WEAVE』(2026年)
シメンがドラムを叩いているこちらも楽しみましょう。
テクニカルさはTEMICより抑えめですが、弾力性のある「The Shadow Self」、ゴリゴリする「The World Is On Fire」00:13~、重厚でシャープな「Chains Of Shame」00:14~がTEMICに通じます。
そして「Chains Of Shame」に続く「The Prophecy」が感動的。
極上の本編ラストです。
「A Burning Flame」にはミカエル・スタンネ<Vo:DARK TRANQUILLITY, THE HALO EFFECT, CEMETERY SKYLINE>がクリーンVoで参加。
シメン加入後初音源「OXYGEN!」のアルバム・ミックスもボーナス・トラックとして収録されています。