TREAT『THE ENDGAME』

スウェーデンのメロディアス・ハード・ロック・バンド、TREATが9作目『THE ENDGAME』を2022年4月8日にリリースしました。

傑作です。

結成当初から全てのアルバムが高品質で、特に再結成以降は強力作を連発。

TREATのアルバムは、リリースされるたびに「過去最高の仕上がりだ」となりますが、この『THE ENDGAME』もそう思わせてくれるエキサイティングな作品です。

おすすめ曲を挙げながら、アルバムの聴きどころを紹介していきます。

『THE ENDGAME』の収録曲とおすすめ曲

以下の太字の10曲がおすすめです。

■TREAT/THE ENDGAME (2022年)

  1. Freudian Slip
  2. Rabbit Hole
  3. Sinbiosis
  4. Home Of The Brave
  5. Both Ends Burning
  6. My Parade
  7. Wake Me When It’s Over
  8. Jesus From Hollywood
  9. Magic
  10. Carolina Reaper
  11. Dark To Light
  12. To The End Of Love

メンバー

  • ロバート・アーンルンド<Vo>
  • アンダース・ヴィクストロム<G>
  • ナリー・ポールソン<B>
  • ジェイミー・ボーガー<Ds>
  • パトリック・アッペルグレン<Key>

おすすめ曲のレビュー

レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。

2. Rabbit Hole

「Ghost Of Graceland」(2016年7th『GHOST OF GRACELAND』収録)を加速させたようなミドル・テンポのナンバーです。

00:31でブレイクが入ってロバート・アーンルンド<Vo>の歌が入るところなんか「お!」となりますね。
聴いた瞬間ドキッとするような魅力的な声質。
素晴らしいです。

分厚いハーモニーを被せてメロディを際立たせるアプローチもさすがで、グルーヴィな曲調に美しいコーラスが見事に浸透しています。

中盤の以下の流れも素晴らしいです。

  • 02:01~ いったん静かになって、アンダース・ヴィクストロム<G>の泣きのギター
  • 02:16~ 説得力のあるロバートの歌にきれいなハーモニーが重なり、バックではパトリック・アッペルグレン<Key>の劇的なキーボード
  • 02:29~ 泣きメロとエネルギッシュな旋律が融合したアンダースのギター・ソロ。絶品

4. Home Of The Brave

パトリックが奏でるドラマティックな哀愁イントロでスタートしますが、ここでもうドキドキ。
以降は感動的なメロディが押し寄せます。

2018年8th『TUNGUSKA』収録の「Build The Love」に少しテンポを足した感じですね。

ロバートの伸びのある歌唱が絶品で、徐々に高揚感が増していくメロディ展開が最高です。

所々でメロディックなフレーズを被せるアンダースのギターも見事。
00:30~、01:44~、02:45~なんか本当に染みてきます。

パトリックのピアノにギターの哀メロが絡まるパート(03:09~)もいいアクセントになっています。

5. Both Ends Burning

不穏な雰囲気を漂わせたミステリアスなサウンドが入ってきて、そこにアンダースの泣きのギターが被さって曲が進行していきます。

歌い出しの低音のロバートのヴォーカル(01:24~)が素晴らしい。
染みてきます。
そして徐々に音域が上がっていき、サビ(02:11~)では感動が頂点にといった感じです。

聴いていてドキドキ、「次はどうなるの?」って感じで引き込まれていきます。

幅広い音域を表現力豊かな歌唱で魅せるロバートのパフォーマンスが光るナンバーです。

出だしのダークな雰囲気が再び登場する終わり方もいいですね。

6. My Parade

『THE ENDGAME』には感動的なバラードが2曲ありますが、その1曲目。

始まった瞬間もうヤバいですね。

そして、中音域中心に展開していくロバートの歌が絶品。
哀愁メロディ炸裂でグッときます。

美しいコーラスとアンダースの泣きのギターが呼応する02:27からの流れも涙を誘います。
ここの展開は終盤の03:50でも登場。
いいところにまた持ってきてくれます。

感動の畳みかけといった感じで最高です。

7. Wake Me When It’s Over

00:12からの哀愁フレーズにKO必至。
ノスタルジックな雰囲気を漂わせるメロディアス・ハードです。

ロバートの歌は中音域で進行していき、01:00から少しキーが上がっていきます。
01:16からのメロディ展開はグッときますね。
そして泣きのギターが重なります。

  • 02:44~ アンダースのギター・ソロ。哀愁+エネルギッシュなフレーズ
  • 02:57~ パトリックの郷愁漂うキーボードが入り、ロバートの伸びのある歌

…その後またサビに戻るという流れも最高です。

8. Jesus From Hollywood

アンダースのエモーショナルなギター・フレーズと背後でのミステリアスなサウンドで「おお…」です。
これが曲中繰り返されるのだから、もうドキドキです。

ロバートの歌に美しいコーラスが被さって極上のメロディが展開していきます。

絶品の歌メロに印象的なギターを絡めてくるのがうまいTREATですが、この「Jesus From Hollywood」でもそれが光ります。
03:44~、03:51~なんかがそうですね。

分厚くきれいなコーラスとエネルギッシュなギターがマジックを起こした劇的メロディアス・ナンバーです。

9. Magic

もう1つのバラードがこの「Magic」。

切ないピアノにロバートの美しい歌メロが乗って始まります。

哀愁メロディに美しいコーラスが重なっていく絶品の展開です。

最初はロバートの歌1本、00:57からコーラスを入れて、感動の度合いを高めていくアプローチが本当にうまい。

02:14からの演奏も光りますね。
パトリックのキーボードとアンダースのギターがダブルで泣かせにかかります。

エモーショナルなギター・ソロが鳴り響き、ロバートの歌が絡む03:31からの流れも絶品です。

10. Carolina Reaper

ジェイミーの力強いドラムで始まるグルーヴ感あふれるナンバー。

バックで鳴り続けるパトリックのキーボードも心地良く響き渡ります。

歌に関しては、ロバートのエネルギッシュなヴォーカル軸に進み、厚みがあって哀愁あるコーラスが重なるというエキサイティングな展開。
80年代の彼らのサウンドがちょこっとチラつく歌メロで、聴いていてうれしくなります。

02:24からのアンダースのギター・ソロも必聴。
勢いあるプレイを程良く加えながらメロディックに迫ってきます。

11. Dark To Light

神秘的なイントロに引き込まれます。
これからの展開にワクワクするような音像。

本編はスローでハードに進行していきます。
ロバートのクリアな歌唱と骨太な演奏が見事にマッチ。
要所要所に分厚いコーラスを重ねるアプローチも光ってますね。

02:54からのギター・ソロも情がこもっていて、体中に響いてきます。
03:49から泣きのフレーズが入り、エンディングに向けて劇的度が増していく流れも最高です。

『THE ENDGAME』の中ではヘヴィなナンバー。
ですが、きれいなコーラスはちゃんと維持。
さすがです。

12. To The End Of Love

ラストは哀愁メロディアス・ナンバー。

郷愁を感じる曲調です。

ドラマティックなキーボードに優しく包み込まれたサウンドの中で、ロバートの人情味のある歌唱が光ります。
そしてここでもコーラスの被せ方がうまい。

涙腺崩壊級のメロディがあふれ出るといった感じで目頭が熱くなります。

コーラスとロバートの歌が交互に繰り返される02:25からの流れも最高。

以下の演奏パートも充実しています。

  • 02:43~ パトリックの透明感のあるキーボード
  • 03:19~ 泣きメロ炸裂のアンダースのギター・ソロ

ピアノが鳴り響き、語りのSE、そしてドラマティックな音が迫ってきて鳴り響くエンディングも素晴らしいです。

総評

TREAT『THE ENDGAME』を紹介しました。

ロバート・アーンルンド<Vo>のヴォーカル、アンダース・ヴィクストロム<G>によるギターの旋律はインパクトの度合いが増し、コーラスの美しさにもさらに磨きがかかっています。
そして歌とギターの絡み合いがまた絶品。

随所で印象的なプレイを聴かせるパトリック・アッペルグレン<Key>も見事です。

特に再結成第1弾の『COUP DE GRACE』(2010年6th)以降の充実ぶりが素晴らしいTREAT。

『THE ENDGAME』を聴き終えた後も満足感に包まれるはずです。

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