TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA『A PARANORMAL EVENING WITH THE MOONFLOWER SOCIETY』

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トビアス・サメットが主宰するTOBIAS SAMMET’S AVANTASIA『A PARANORMAL EVENING WITH THE MOONFLOWER SOCIETY』が2022年10月21日にリリースされました。

全曲必聴の充実作ですので、各曲の聴きどころを紹介します。

1曲目の「Welcome To The Shadows」はトビアスのみのヴォーカル。
それ以外はトビアス+ゲスト・シンガーという構成です。

過去に参加していた豪華ゲストたちに加え、今回はラルフ・シーパース<Vo:PRIMAL FEAR>とフローア・ヤンセン<Vo:NIGHTWISH>が初参加。

ラルフは1曲、フローアは2曲で歌っています。

基本メンバーとゲスト・シンガー

基本メンバー

  • トビアス・サメット<Vo/B/Key>
  • サシャ・ピート<G/Key>

ゲスト・シンガー

  • ラルフ・シーパーズ<PRIMAL FEAR>…AVANTASIA初参加
  • フローア・ヤンセン<NIGHTWISH>…AVANTASIA初参加
  • マイケル・キスク<HELLOWEEN
  • ヨルン・ランデ
  • ロニー・アトキンス<PRETTY MAIDS
  • ボブ・カトレイ<MAGNUM
  • エリック・マーティン<MR. BIG
  • ジェフ・テイト

『A PARANORMAL EVENING WITH THE MOONFLOWER SOCIETY』収録曲のレビュー

■TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA/A PARANORMAL EVENING WITH THE MOONFLOWER SOCIETY (2022年)

  1. Welcome To The Shadows
  2. The Wicked Rule The Night (feat. Ralf Sheepers)
  3. Kill The Pain Away (feat. Floor Jansen)
  4. The Inmost Light (feat. Michael Kiske)
  5. Misplaced Among The Angels (feat. Floor Jansen)
  6. I Tame The Storm (feat. Jorn Lande)
  7. Paper Plane (feat. Ronnie Atkins)
  8. The Moonflower Society (feat. Bob Katley)
  9. Rhyme And Reason (feat. Eric Martin)
  10. Scars (feat. Geoff Tate)
  11. Arabesque (feat. Jorn Lande & Michael Kiske)

レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。

1. Welcome To The Shadows

前作『MOONGLOW』(2019年)の1曲目「Ghost In The Moon」同様、トビアス・サメットのみが歌う曲ですが、「Ghost In The Moon」とは雰囲気が異なります。

  • 00:00~ キラキラしたピアノ+メルヘンチックでもあり不穏な雰囲気のサウンドにトビアスの程良く緩急のあるヴォーカルが乗る
  • 00:50~ サウンドに神聖さが増し、ダークで劇的なコーラスが加わる
  • 01:03~ ドラムが入ってきてサビ。分厚いハーモニーが被さる歌メロ。「Journey To Arcadia」(2010年作『ANGEL OF BABYLON』収録)を彷彿
  • 02:57~ 厳かなパート。コーラスが徐々に前面に出てくるアプローチが◎
  • 03:26~ じっくり聴かせるギター・ソロ
  • 04:50~ 再びキラキラ

これまでのAVANTASIAの中でもシリアスさが強めに出ているオープニング・ナンバー。

ちょっと意外で面白い幕開けです。

2. The Wicked Rule The Night (feat. Ralf Sheepers)

ゲストはAVANTASIA初参加のラルフ・シーパース<Vo:PRIMAL FEAR>。

『MOONGLOW』の2曲目「Book Of Shallows」を思わせるパワフルなナンバーです。

  • 00:00~ ミステリアスな始まり。「Welcome To The Shadows」の雰囲気を継承
  • 00:22~ ラルフのハイトーンが入ってくる。でもこれはまだ始まり…。
  • 00:45~ ラルフ、本領発揮。ハイトーン炸裂。JUDAS PRIEST「Painkiller」(1990年作『PAINKILLER』収録)のよう
  • 01:11~ トビアスのリード・ヴォーカル
  • 01:26~ サビ。「Fire!」の力強いかけ声が熱い
  • 02:51~ ギター・ソロ。シャープで切れ味抜群

「Book Of Shallows」では、ミレ・ペトロッツァ<Vo/G:KREATOR>が参加していましたが、この「The Wicked Rule The Night」でも途中からミレの声が聞こえてきそうな雰囲気がありますね。

ですが今回はラルフがキメてくれます。

キレッキレです。

キンキンしています。

目が覚めるようなエンディングも「Book Of Shallows」に似ています。

3. Kill The Pain Away (feat. Floor Jansen)

ゲスト・ヴォーカルはフローア・ヤンセン<Vo:NIGHTWISH>。

彼女もAVANTASIA初参加です。

  • 00:00~ 思いっきりNIGHTWISHなアプローチにニヤリ
  • 00:09~ ドラムが入ってきてミドル・テンポの演奏へ
  • 00:23~ トビアスが歌い始める。バックではドキドキ感のあるサウンド
  • 00:48~ フローアが歌い始め、ミドル・テンポへ。
  • 01:14~ いったん引く演奏。リード・ヴォーカルはトビアス
  • 01:23~ キャッチーでメロディックなサビ。フローアの声が前面
  • 02:16~ トビアスが歌ってた00:23のパートを今度はフローアが歌う
  • 02:25~ サビ。ここはトビアスの歌声が前面

トビアスとフローアをスイッチさせながら、アグレッシヴかつドラマティックに攻める構成がナイスです。

4. The Inmost Light (feat. Michael Kiske)

マイケル・キスク<Vo:HELLOWEEN>が参加。

マイケルが歌うのに最適なメロディック・メタル・ナンバーです。

  • 00:00~ 哀愁+劇的イントロ
  • 00:13~ 疾走開始。トビアスがリード・ヴォーカル
  • 01:00~ サビ。マイケルも一緒に歌う。メロディ展開は「No Return」(2002年作『THE METAL OPERA PT.II』収録)を想起
  • 01:26~ マイケルがリード・ヴォーカル

要所要所でさりげなく聞こえてくるキーボードがいい感じです。

トビアスは少しざらついた声+ハイトーン、マイケルは透明感のある声+ハイトーン。

伸びがあるものの質が違う両者の声が生かされたメロディ展開が見事です。

締めくくりはサクっとしたアプローチ。

2曲目「The Wicked Rule The Night」のテンションを弱めた感じで終わります。

5. Misplaced Among The Angels (feat. Floor Jansen)

フローアが再び登場。

感動的な曲です。

  • 00:00~ トビアスのソフトな声+切ないピアノ
  • 00:35~ トビアス、徐々に熱量が増す
  • 01:06~ トビアスの声が伸びてドラマティックな演奏と共にサビへ。絶品
  • 01:49~ フローアのリード・ヴォーカル。美しさはもちろん、芯の強さも維持した歌唱
  • 03:15~ ギター・ソロ。サビの歌よりも高音域で展開。極上フレーズ
  • 04:32~ 再び静か。始まりよりもややダークな感じ

静→動→静の展開が見事です。

そして03:15からのギター・ソロに流れる構成ですね。
サビにうっとり、そしてソロが始まった瞬間鳥肌が立ちます。

6. I Tame The Storm (feat. Jorn Lande)

ヨルン・ランデ<Vo>が参加。

骨太でグルーヴィなナンバーです。

  • 00:00~ 出だしでガツン!エネルギッシュな演奏が展開
  • 00:25~ エキサイティングなドラムの連打
  • 00:31~ ヨルンとトビアスが交互に熱唱。バックから聞こえてくる弾力性のあるベースも◎
  • 01:08~ サビ。ゴージャスなコーラスが重なって魅力的な歌メロが伸びる。始まった瞬間「お~!」
  • 02:47~ アゲアゲなギター・ソロ

00:00からかっこいい曲になるであろうと確信できますが、サビのかっこよさがもう規格外です。

ヨルンの力強いヴォーカルも曲調に合っていますね。

7. Paper Plane (feat. Ronnie Atkins)

ロニー・アトキンス<Vo:PRETTY MAIDS>が参加。

ソフトなメロディアス・ナンバーです。

  • 00:00~ ピアノ+デジタル風サウンド。リード・ヴォーカルはトビアス
  • 00:45~ ドラムが入ってきてサビへ。優しく包容力のある歌メロ
  • 01:25~ ロニーが歌い始める。存在感抜群。円熟味のある歌唱が◎
  • 02:30~ 力強いドラムを軸とした演奏にメロディックなギターが染みこむ
  • 02:50~ サビの歌メロに泣きのギターが絡みつく→そのままフェードアウト

パワフルなドラムを軸に魅力的なメロディを展開させるあたりは、ロニーの2022年2ndソロ『MAKE IT COUNT』収録の「Fallen」を思わせます。

8. The Moonflower Society (feat. Bob Katley)

ボブ・カトレイ<Vo:MAGNUM>が参加。

躍動感のあるナンバーです。

ボブとトビアスが交互に魅力的な歌を披露し、サビではファンタジックに躍進。

聴いていて心が躍ります。

雰囲気が変わる中盤からがまた面白い。

  • 02:39~ 美しくキラリ
  • 02:52~ スリリングさが増す
  • 03:02~ メロディックなギター&パワフルなドラムと共にドラマティックな演奏へ

そして再びサビに戻った後、またキラリと輝きを放ちながら終わります。

このキラリはゆっくり(約45秒間)続きながら徐々にフェードアウト。
引き伸ばし方もうまいです。

AVANTASIA常連のボブ。
トビアスもMAGNUMの「Lost On The Raod To Eternity」(2018年20作目『LOST ON THE ROAD TO ETERNITY』収録)に参加。

この2人は世代を超えたゴールデン・コンビですね。

9. Rhyme And Reason (feat. Eric Martin)

エリック・マーティン<Vo:MR. BIG>が参加。

ダイナミックでメタリックなナンバーです。

  • 00:00~ エネルギッシュでメロディックな演奏
  • 00:28~ 速度は維持しながらもギターは静かな感じに。エリックのソウルフルなヴォーカルが心地よく響く
  • 00:50~ 歌メロにダイナミックさが増してサビへ
  • 01:28~ ピロピロしたギターを軸とした演奏
  • 02:12~ 1番にはなかったエリックのみのパート。渋い声質がハマってる

トビアスは高音域ベースでエリックは中音域ベース。

両者の歌の切り替えと対照的なパフォーマンスが光ります。

03:18からのトビアスが歌い始めて声を伸ばすところも圧巻です。

10. Scars (feat. Geoff Tate)

ジェフ・テイト<Vo>が参加。

  • 00:00~ 『MOONGLOW』「The Raven Child」を想起させる展開。ジェフがアクセントをつけながら堂々と歌う
  • 00:43~ ドラムが入ってきて加速しサビへ。ちょっと哀愁もありの魅力的な歌メロ。ジェフの高音が伸びる
  • 01:09~ トビアスがリード・ヴォーカル
  • 01:46~ サビ。ここはジェフとトビアスが交互に歌う
  • 02:46~ ギター・ソロ。エネルギッシュでありながらも哀愁あるフレーズ

『MOONGLOW』では「Alchemy」が特にすばらしかったジェフ。

この「Scars」でも見事なパフォーマンスです。

トビアスは参加ミュージシャンの魅力を引き出すのが本当にうまい。

あらためてそう感じさせてくれるナンバーです。

11. Arabesque (feat. Jorn Lande & Michael Kiske)

ヨルン・ランデマイケル・キスクが参加。

ラストは10分の大作です。

  • 00:00~ バグパイプを取り込んだスリリングなスタート
  • 01:14~ シンフォニックな演奏がスタート
  • 01:34~ メロディックなギターが軸に

  • 01:56~ トビアスがリード・ヴォーカル
  • 02:14~ ヨルンがリード・ヴォーカル
  • 02:33~ ダイナミックな歌メロ
  • 03:00~ ドラマティックな演奏をバックにマイケルの声が伸びる。ヨルンも絡む
  • 03:19~ トビアスの高音ヴォーカルが圧巻

  • 03:48~ ミステリアスな演奏からヨルンのリード・ヴォーカルへの流れがインパクトあり

  • 05:50~ ピアノを絡めた間奏。トビアスの緩やかなヴォーカルがすばらしい
  • 06:40~ 少しメルヘンチックに。トビアスの歌は少しソフトに
  • 07:08~ 最初のバグパイプの旋律がギター主導で展開。染みる
  • 08:15~ 加速してそのままギター・ソロへ

  • 08:37~ 美しいコーラスが入り歌再開。マイケルの歌唱が光る
  • 09:03~ ヨルンも絡んできてよりドラマティックに。「Ravenchild」後半を想起

トビアス、ヨルン、マイケルの圧巻のパフォーマンスが濃密な曲の中で繰り広げられます。

終わり方が唐突な感じですが、それまではドキドキしっぱなりですので、聴き終えた後は充実感に浸れます。

総評

2001年のデビュー作『THE METAL OPERA』以降、クオリティに多少ばらつきはあるものの、全アルバムが傑作のTOBIAS SAMMET’S AVANTASIA。

なかでも前作『MOONGLOW』(2019年)は特に充実していましたが、『A PARANORMAL EVENING WITH THE MOONFLOWER SOCIETY』は『MOONGLOW』を超える高品質な作品です。

ゲスト・シンガーの魅力を生かしたトビアスのソングライティングもさすがで、初参加のラルフ・シーパース<Vo:PRIMAL FEAR>とフローア・ヤンセン<Vo:NIGHTWISH>の活躍も見事でした。

これまでのAVANTASIAはトビアス+ゲスト・シンガー複数の曲が結構ありましたが、今回は複数ゲストの曲はラストの「Arabesque」のみ。

トビアス+ゲスト1名の曲が多く、どこで誰が歌っているかが分かりやすいのも『A PARANORMAL EVENING WITH THE MOONFLOWER SOCIETY』の魅力です。

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