リッチー・コッツェン<Vo/G>、ビリー・シーン<B>、マイク・ポートノイ<Ds>によるTHE WINERY DOGSの3rdアルバム『III』のレビューです。
2023年2月3日にリリースされました。
前2作も傑作でしたが、これまでで一番内容が充実しています。
- アルバムの長さがトータルで約50分(ちょうどいい時間)
- 歌メロがよりフレンドリーに
- 演奏は依然スリリング
- リッチーとビリーが際立つ場面が多め
- ポートノイはドンと構えて要所要所でエキサイティングなプレイ
- MR. BIGの「Colorado Bulldog」(1993年3rd『BUMP AHEAD』収録)を思わせるキラー・チューンあり
以下の太字9曲がおすすめです。
- Xanadu
- Mad World
- Breakthrough
- Rise
- Stars
- The Vengeance
- Pharaoh
- Gaslight
- Lorelei
- The Red Wine
1. Xanadu
- 00:00~ ビリーのベースとリッチーのギターによるスリリングなフレーズ
- 00:21~ リッチーのピロピロしたギター+ビリーのポワ~ンのベース
- 01:04~ リッチーの「ハァーー!」 → ポートノイがスネアを1回叩く → サビ。キャッチーでリズミカル。「May be」が耳に入ってきやすい
- 01:41~ リッチーの「Blah blah blah」
- 01:45~ 今度はポートノイのドラムの連打と共にサビへ。1番とは違う入り方。かっこいい
- 02:18~ クールなポートノイのドラムの連打 → リッチーのギター・ソロ。バックではビリーのベースがゴロゴロ
- 02:52~ ライヴで一緒に手拍子になること間違いなし
- 03:56~ ドラムスティックが落ちる音
2. Mad World
- 00:00~ 軽快+渋いギターにワクワク
- 00:16~ 線香花火を連想させるギター+ポートノイのドラムにドキドキ
- 00:19~ リッチーのメロディアスな歌。浸透度高め
- 00:56~ レトロな空気に包まれるサビ。ポップで美しい
- 02:27~ リッチーの「Mad mad mad mad mad world」
- 03:12~ リッチーのギター・ソロ。花火の火力が強まる
- 04:25~ ビリーの刺激的なベースが前面に
2013年1st『THE WINERY DOGS』収録の「The Other Side」を少し緩めた感じです。
3. Breakthrough
- 00:00~ 時を刻むようなギター。DREAM THEATERの「I Walk Beside You」(2005年作『OCTAVARIUM』収録)がドライになった雰囲気
- 00:07~ ソフトで渋いリッチーの歌
- 00:34~ ポートノイのスネアと共にグルーヴィかつメロディアスな演奏へ
- 00:59~ 高揚感のあるサビ。要所要所に魅力的なハーモニーを交える
- 03:29~ リッチーのギター・ソロ。大きめの音量でエモーショナルに迫る
- 04:26~ ギター・フレーズがグーンと染みこむ → ダン!ダン!ダン!なバンド演奏 → ビリーのベースが前面に
4. Rise
- 00:00~ 「Xanadu」っぽい始まり。程良くイケイケ
- 00:14~ ポートノイのドラムがいい感じに暴れる
- 00:32~ リッチーの低音域によるヴォーカル。渋くて濃い
- 01:05~ サビ。きれいなハーモニーを所々に配置
- 02:37~ ビリーのベースがゴロゴロ・グリグリ
- 02:51~ リッチーのエモーショナルなソロ
- 03:59~ 冒頭のイケイケ・フレーズで畳みかけてエンディングへ
5. Stars
- 00:00~ 浮遊感があってミステリアス。ビリーのベースはここでは骨太ボンボン
- 00:09~ リッチーの歌は低音域と中音域を行ったり来たり
- 01:06~ サビ。リッチーの歌メロの熱量が上がる
- 01:54~ ゲームまたは留守電のような音
- 02:44~ 約2分の演奏パート。異空間に引き込まれるような感覚。奥行きがある
- 03:41~リッチーのソロが激しさを増す
- 04:01~ポートノイのドラムもテンションを上げる
- 05:07~サビの後の演奏パート。03:41~の空気を引き継ぐ
6. The Vengeance
- 00:00~ ドライで不穏な音像+リッチーの歌(抑えモード)
- 00:35~ 期待感を煽るサウンドが迫ってくる
- 00:38~ 姿勢を正さざるを得ないような刺激的なサウンド。THE WINERY DOGSでは初のアプローチ。斬新
- 00:46~ サビ。美しいハーモニーを伴いながら展開(ほんわかモード)
- 01:18~ 何とも言えない不思議な歌メロ。心地良い
- 02:23~ 少し雰囲気が変わり、物悲しい歌メロ(哀愁モード)…かと思っていたら02:44から音域を上げてギター・ソロへ
- 02:54~ ギター・ソロ。始まった瞬間虜になる。03:10から徐々にエキサイティングに
7. Pharaoh
- 00:00~ ビリーのメロディアスなベース・ライン
- 00:18~ ポートノイのドラムと共に力強い演奏へ
- 02:38~ ドライなリッチーのギター・ソロとグイグイ迫るビリーのベースが快感
- 03:34~ リッチーの高音ヴォーカル → ギター弾きまくり
- 04:01~ リッチーが情のこもったフレーズを放出
- 04:25~ リッチー、テンションが上がり、ポートノイもそれに呼応(暴れすぎないところがまたいい)
8. Gaslight
冒頭で触れたMR. BIGの「Colorado Bulldog」(1993年3rd『BUMP AHEAD』収録)系統の曲です。
- 00:00~ もろに「Colorado Bulldog」。その後も「Colorado Bulldog」的に疾走
- 00:26~ 歌メロに哀愁度が加わる。演奏は「Colorado Bulldog」
- 01:48~ いったん止まり、リッチーのギターでエンジンを温めなおす
- 01:50~ ドキドキしっぱなしの演奏パートへ
- 03:15~ ここも「Colorado Bulldog」
最高!
10. The Red Wine
- 00:00~ メロディックで厚みのある演奏
- 01:12~ 分厚いコーラスと共に引き締まるような歌メロが展開。歌詞に「party time」とあっても能天気になりすぎず
- 03:14~ ビリーのベースとリッチーのギターがかっこよく融合
- 03:32~ リッチーのエモーショナルなフレーズが前面に
- 03:57~ ポートノイのドラムが暴れる
- 04:08~ リッチーのギター音が伸びてサビへ
- 04:48~ 叙情的なパート
- 05:18~ リッチーのドライな旋律+ポートノイのドッシリとしたドラム → 06:05から両者のテンションが上がる
- 06:46~ ビリーのベースがゴロゴロ・グリグリ → 長~く響いて終わる
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