ポール・レイン<Vo:元DANGER DANGER>、ロブ・マルセロ<G:DANGER DANGER>、ブルーノ・ラヴェル<B:DANGER DANGER>によるTHE DEFIANTSの3rd『DRIVE』のレビューです。
2023年6月9日にリリースされました。
メロディアスでキャッチー、そしてノスタルジックなハード・ロック。
THE DEFIANTSの前2作とポール・レイン期DANGER DANGER(特に1997年『FOUR THE HARD WAY』と2000年『THE RETURN OF THE GREAT GILDERSLEEVES』)がバランスよくブレンドされています。
さらには初代Voのテッド・ポーリー在籍時代(特に1989年1st『DANGER DANGER』)のテイストもあり。
これもワクワク要素の1つです。
【メンバー】
ポール・レイン<Vo:元DANGER DANGER>
ロブ・マルセロ<G:DANGER DANGER>
ブルーノ・ラヴェル<B:DANGER DANGER>
ヴァン・ロメイン<Ds:STEVE MOSE BAND>
以下の8曲がおすすめです。
2. Go Big Or Go Home
- 00:00~ 不思議な音がカンカン → キャッチーな「ウォ~オ~オ」
- 00:14~ ドライヴ感のある演奏
- 00:29~ ポールのエネルギッシュなヴォーカル
- 01:06~ ロブがかっこいいギターを控えめに鳴らしてサビ。DANGER DANGER『DANGER DANGER』のようなオーラ(特に1曲目の「Naughty Naughty」)
- 02:38~ ポールが「オ~~~」と迫ってきて高音域に。圧巻
ユニークな始まりにまず虜になります。
前作『ZOKUSHO』(2019年)の「Standing On The Edge」(こちらも超かっこいい!)もそうでした。
2作続けて2曲目の始まりが独特というのが面白い。
そしてサビ。
DANGER DANGERのデビュー作でしかも1曲目を思わせるところがうれしいですね。
原点に立ち返る感じがして最高です。
3. 19 Summertime
- 00:00~ ノスタルジックな雰囲気がたまらない「19 Summertime」 → 「Naughty Naughty」のような「オ~~~」が迫る
- 00:05~ ポールの「Hey!」と共にメロディアス・ハード調へ
- 00:55~ 太陽に照らされるようなサビ。バックで心地良い「オ~~」。00:00~の「19 Summertime」
- 02:14~ ポールの歌のバックで清涼感あふれるコーラス
- 02:27~ ロブのギター・ソロ。ポジティヴ全開
- 03:32~ 夕日系の「ナナナ~ナナ」「ナ~ナナナ~ナ」
2曲続けて『DANGER DANGER』のテイスト。
しかも「Naughty Naughty」。
最初の「オ~~~」なんてそのまま「Naughty Naughty」のサビにつながりそうな雰囲気ですからね。
「Go Big Or Go Home」と違う曲調でありながらも同じ曲を連想させるアプローチが面白いです。
4. What Are We Waiting For
- 00:00~ 郷愁感あふれるキーボード
- 00:07~ ポールの情熱的なヴォーカル
- 00:22~ 控えめに刻まれるシャープなロブのギター
- 00:36~ サビ。メロディを伸ばす00:38からが特に印象的
- 01:06~ ロブのギターがキラリ
- 01:37~ 1番にはなかった衝撃音 → サビ
- 02:03~ ポールが伸びやかに曲名をコール → 絶品のコーラスが楽曲を照らす
- 02:40~ エフェクトがかかる → 通常演奏へ
DANGER DANGERの「Dead Drunk And Wasted」(2000年5th『THE RETURN OF THE GREAT GILDERSLEEVES』収録)に通じるものがあります。
サビ(00:49~)で歌メロを伸ばすところが似てますね。
メロディアス・ハード寄りにした「Dead Drunk And Wasted」といった印象。
THE DEFIANTSはライヴで「Dead Drunk And Wasted」を演奏していたので、そのことが今回のソングライティングに影響しているのかもしれません。
5. Miracle
- 00:00~ きらびやかで懐古的
- 00:21~ ポールのムードある歌
- 01:04~ ハーモニーが重なり始まる
- 01:24~ サビ。感動的で美しい「It’s a miracle」
- 01:48~ キャッチーで純度の高い「ウォ~~」
- 03:00~ ポールが「It’s a mi~~racle」と伸ばし、音域が上がっていく
- 03:21~ 「You’re my mi~~racle」にセンチメンタルなギター・ソロが重なる
- 04:25~ 「It’s a miracle」に厚みが増す
サビが絶品です。
この感動はできるだけ長く味わっていたい。
ポールが伸びのある歌で引っ張り、ロブがギター・ソロを始める流れも素敵です。
6. Against The Grain
- 00:00~ ミステリアスで浮遊感のあるサウンド
- 00:13~ 骨太な演奏+キャッチーなコーラス
- 00:28~ ポールのガッツあるヴォーカル
- 00:59~ ポール、高音域に
- 01:11~ かっこいい「Hey」「Hey」「Hey」
- 01:13~ サビ。シャープかつメロディアスに「Against the rai~n」
- 01:44~ クールに「Against the rai~n」 → 00:13のコーラス
- 02:53~ 高音域で「Against the rai~n」 → エキサイティングなロブのギター・ソロ
- 03:10~ 刺激的なサウンド → SE
- 05:04~ ダイナミックに「Against the rai~n」 → 声が不気味に響く
アルバム収録曲の中で一番ダイナミックで重厚なナンバー。
ギター・ソロ後の03:10からの構成もスリリングです。
01:11は、「Love And Bullets」(2016年1st『THE DEFIANTS』収録)の00:31を想起。
あるいは同作収録「Runaway」の02:26にも通じます。
コーラスを区切るアプローチが効いていますね。
7. So Good
- 00:00~ 刺激的な音がフェードイン…DANGER DANGER「Get In The Ring」(『THE RETURN OF THE GREAT GILDERSLEEVES』収録)のスタートに似てる
- 00:09~ キャッチーな「ウォ・オ~オ」
- 00:29~ 美しい「フ~~」
- 00:33~ ポール、高音域でのVo
- 01:01~ サビ。美しいハーモニーによる「So good, so good」
- 02:26~ 「So Goo~~~d」とハーモニーが伸びる
- 02:46~ ロブのギター・ソロ。速弾きで結構長時間攻める
「So Good」はサウンドがフェードイン、「Get In The Ring」は声が入ってきてスタート。
その後の展開は異なる2曲ですが、オープニングでリンクするというのがなかなか面白い。
曲調とは対照的なロブのギター・ソロもかっこいいですね。
ちなみに「Get In The Ring」はキラー・チューン。
BON JOVIの「It’s My Life」のような破壊力があります。
10. The Night To Remember
- 00:00~ DANGER DANGER「Rock America」(『DANGER DANGER』収録)の01:31っぽい
- 00:25~ ギターが迫る+鼓動音
- 00:28~ ポールのノスタルジックなVo+ロブの叙情的なギター
- 00:53~ 徐々に気分が高まる歌メロ
- 01:05~ サビ。キャッチーな「This could be the night to remember」と共にまだまだグイグイ上がる → ポール、01:28~の「Onanighttoremember」でいったん引く(これがすばらしい)
- 02:38~ サビの後にロブのメロディックなギターが絡まる → ピアノ → 音がフェードインしてバンド演奏へ
「Rock America」を懐古的にした感じの曲。
どんどん高揚感が増すポールのヴォーカルがアツいです。
01:28は一度のみの貴重なパート。
かなりかっこいい歌いまわしなので、これが何度かあるとなおよかった。
11. Nothing’s Gonna Stop Me Now
- 00:00~ 躍動感のある演奏。キャッチーな「オ・オ」「オ・オ」「オ・オ」
- 00:15~ 哀愁を帯びたポールの歌
- 00:43~ サビ。歌メロにポジティヴさがあふれ出す
- 01:44~ ポールの切ない「anymore」 → サビ
- 02:13~ ギター・ソロ。音量控えめながらもプラスのオーラを放つ
- 02:39~ ポールの高音が迫ってきてストップ → 演奏再開
- 02:55~ サビにロブの高音域ギターが絡まる
- 04:01~ ポールが高音域で「Yea~~h!」
グルーヴ感あふれる曲の中でノスタルジックなメロディが乱舞。
同時に前向きな気持ちにさせてくれます。
「振り返るだけでなく前に進もう」
そんなオーラに満ちたラスト・ナンバーです。
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