SUNSTORMの7作目『BROTHERS IN ARMS』が2022年8月12日にリリースされました。
良作です。
SUNSTORMの経緯を簡単にまとめると…
- 元々はジョー・リン・ターナー<Vo>が歌うプロジェクトだった
- 2016年4作目『EDGE OF TOMORROW』からアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ<Key>、シモーネ・ムラローニ<G:DGM>が参加
- 2021年6作目『AFTERLIFE』からシンガーがロニー・ロメロ<Vo>に交代
…となり、『BROTHERS IN ARMS』のラインナップと音楽的特徴は…
- ギターがシモーネからルカ・プリンシオッタ<G>に変更
- ロニーとヴェッキオはそのまま
- ロニーの等身大の歌唱が見事
- 演奏も充実。特にヴェッキオのキーボードとルカのギターが要所要所で魅力的なフレーズ
- 曲によっては「歌は普通」。でも演奏パートがエキサイティング…なので聴く価値あり
…といった感じです。
おすすめ曲を挙げながら『BROTHERS IN ARMS』の聴きどころを紹介していきます。
『BROTHERS IN ARMS』の収録曲とおすすめ曲
以下の太字の9曲がおすすめです。
■SUNSTORM/BROTHERS IN ARMS (2022年)
- Brothers In Arms
- Games We Play
- I’ll Keep Holding On
- I Will Remember
- No Turning Back
- Back My Dreams
- Taste Of Heaven
- Lost In The Shadows Of Love
- Hold The Night
- Miracle
- Living Out Of Fear
メンバー
- ロニー・ロメロ<Vo>
- ルカ・プリンシオッタ<G>
- ニック・マッツコーニ<B>
- ミケーレ・サンナ<Ds>
- アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ<Key>
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Brothers In Arms
前作『AFTERLIFE』(2021年6作目)のオープニング「Afterlife」と似た感じの曲。
勢いのあるナンバーです。
日の出を思わせるような劇的イントロからスリリングなフレーズ(00:26~)が入って本編に突入します。
ロニー・ロメロ<Vo>のナチュラルな歌唱がとてもいいですね。
曲調に見事にフィットしています。
01:34からのサビがまたすばらしい。
伸びのあるロニーのヴォーカルと魅力的な歌メロを堪能できます。
70年代の空気で楽曲を包み込むアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ<Key>のキーボードも聴いていて心地よい。
ヴェッキオのキーボード(03:00~)からルカ・プリンシオッタ<G>のギター・ソロ(03:19~)に流れる構成もアツいです。
程良く畳みかけてヴェッキオのキーボードを前面に出すエンディング間近のアプローチ(04:31~)も刺激的です。
2. Games We Play
「Brothers In Arms」に似た感じのイントロに泣きのギターが被さる形で始まるミドル・テンポのメロディアス・ハード・ロック。
「Brothers In Arms」同様、この「Games We Play」のサビでもロニーの声が伸びていきます。
やや哀愁を感じさせる歌メロが染みてきますね。
そしてロニーが歌いきる前にルカのギターが重なる01:16からが最高。
この「Games We Play」では、こういった歌とギターのダブル攻撃が効いています。
02:04からもそうですね。
ここでは、そのまま02:16からエモーショナルなギター・ソロへ突入。
ここは聴きどころです。
03:08からも同様の感動再び。
ルカのギターがあなたに訴えかけてきます。
3. I’ll Keep Holding On
出だしのルカの哀愁ギターが染みます。
ニック・マッツコーニ<B>のベースも骨太でかっこいい。
ロニーの歌は00:55からのサビに向けての歌メロですね。
聴いていて気分が高まる…のですが、サビの歌メロは普通といった感じです…。
ただバックの演奏がナイス。
ヴェッキオの躍動感のあるキーボードが特にすばらしいです。
02:24からのギター・ソロも魅力的。
02:40から激しさを増す展開もいいですね。
03:33からのプレイも体に浸透してきます。
5. No Turning Back
アップ・テンポの軽快なナンバー。
ガンガン攻めず少しリラックスした雰囲気です。
程良く緩い曲調にロニーの自然体な歌唱がフィットしています。
力みすぎず、熱くなりすぎずといった感じで力加減が絶妙。
00:23の歌のバックでのルカのドライヴ感のあるギター・サウンドもいい感じにガッツがあってナイスです。
あとは以下の演奏パートですね。
一番のおすすめの箇所です。
- 02:15~ ヴェッキオの懐古的なキーボード
- 02:35~ ルカのメロディックなギター・ソロ
徐々に体が温まっていきます。
7. Taste Of Heaven
最初の演奏パートがまずクール。
ニックの骨太のベースにルカのメロディックなギターが乗り、ヴェッキオが心地良いオルガンを響かせます。
ロニーは01:00からの歌メロが特にすばらしい。
グッときます。
そしてサビでは伸びのある声で魅力的なメロディを歌い上げています。
サビの後の01:32からのギターがまた染みますね。
02:42からの少し雰囲気を変えるパートにも引き込まれます。
02:58からのギター・ソロもいい感じにダイナミック。
03:53でロニーが音域を上げて、ルカが哀愁フレーズも奏でるアプローチも見事です。
8. Lost In The Shadows Of Love
疾走曲。
00:09からヴェッキオのキーボードがいい感じに暴れて、ここでワクワク。
歌メロは「Brothers In Arms」と似ていますね。
この「Lost In The Shadows Of Love」で突き刺さるのはヴェッキオのキーボードとルカのギター。
サビの後に演奏で引きつけるアプローチも光ります(01:01~)。
「Taste Of Heaven」ではサビの後のルカのギターにグッときましたが、ここではヴェッキオが魅了してくれます。
あとは01:54からの演奏パートですね。
最初はヴェッキオ、続いてルカ(02:11~)が魅力的なフレーズで畳みかけてきます。
9. Hold The Night
ほんわかした感じで始まり(ニックのガッツあるベースとヴェッキオのキーボードが◎)、歌が入ると80年代のイメージが前面に出ます。
00:17からのギターも80年代の香りがします。
ちょっとVAN HALENっぽいですね。
ノスタルジックかつシャープなサウンドが見事です。
02:51からはルカのギター・ソロ。
エネルギッシュにキメてくれます。
最初はエモーショナルに、そして徐々にピロピロ。
それまでの曲調とは少し違ったオーラが出ているのがまたナイスです。
10. Miracle
ガツンとしたオープニング。
ヴェッキオのキーボードがミステリアスでかっこいいです。
00:52で速度を落とすところがいいですね。
ロニーの歌もシリアスな雰囲気に合っています。
ただ、その後のサビの展開が普通なのがちょっと残念…なのですが、02:15のように再度遅くなるところでは魅力的な歌メロ再び。
なので「Miracle」でのロニーのヴォーカルは、スローなパートが特にハマっています。
02:32からのルカのギターもいい。
そのままソロへと流れていきますが、適度にダイナミズムを増したプレイが見事です。
11. Living Out Of Fear
歌メロに関しては、サビに向けてどうなるかと期待するのですが、ちょっと盛り上がりに欠ける印象。
でもルカのギターがすばらしい。
まず、歌が入る前のルカのギターのメロディ(00:13~)ですね。
体全体に染みこんでくるようなフレーズです。
「Taste Of Heaven」同様、歌と歌の間のパフォーマンスも絶妙で、01:02からの情のこもった旋律が響きます。
02:12からのギター・ソロもエネルギッシュ。
そして00:13からのフレーズを再び登場(02:52~)させてエンディングに向かう流れがまた見事なのです。
総評
SUNSTORMの『BROTHERS IN ARMS』聴きどころを紹介しました。
パフォーマンス的には以下が魅力となります。
- ロニー・ロメロ<Vo>の自然体な歌唱
- アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ<Key>とルカ・プリンシオッタ<G>が魅力的なフレーズを量産
- ニック・マッツコーニ<B>の骨太ベース
「サビに向けて期待するものの、その後は普通」といった歌メロはあるのですが、その分演奏パートが充実しているのは大きなプラスといえます。
また「Brothers In Arms」「Games We Play」「Taste Of Heaven」など全体の構成がすばらしいナンバーもありますので、全体的にみれば『BROTHERS IN ARMS』は満足度の高い作品。
聴く価値大いにありです。
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