GUNS N’ ROSESのスラッシュ<G>率いるSLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORSが4作目『4』を2022年2月11日にリリースしました。
ヴォーカルはALTER BRIDGEのマイルス・ケネディ<Vo>。
ドライヴ感あふれるハード・ロックあり、ヘヴィな曲あり、和やかなメロディアス・ナンバーあり。
佳曲多数の良盤です。
おすすめ曲を挙げながら、聴きどころを紹介していきます。
『4』の収録曲とおすすめ曲
以下の太字の8曲がおすすめです。
■SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS/4 (2022年)
- The River Is Rising
- Whatever Gets You By
- C’est La Vie
- The Path Less Followed
- Actions Speak Louder Than Words
- Spirit Love
- Fill My World
- April Fool
- Call Off The Dogs
- Fall Back To The Earth
メンバー
- スラッシュ<G>
- マイルス・ケネディ<Vo>
- フランク・シドリス<G>
- トッド・カーンズ<B>
- ブレント・フィッツ<Ds>
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. The River Is Rising
スラッシュ<G>の爆発力のあるギター・サウンドでスタートする骨太ハード・ロック・ナンバー。
ドライヴ感あふれるスラッシュのギターにマイルス・ケネディ<Vo>の独特の高音ヴォーカルが見事にフィットしています。
02:07からのスラッシュのソロがスリリングで、特に02:15から加速するところはテンションが上がります。
03:13で終わりかと思わせてブレント・フィッツ<Ds>のドラムが入りまた加速。
こういったフェイントにも拍手ですね。
2. Whatever Gets You By
スローなナンバー。
スラッシュにしてはヘヴィなリフが心地良く響いてきます。
マイルスの低音域のヴォーカルもクールでミステリアスに展開していく歌メロが素晴らしい。
ALTER BRIDGEの「The Other Side」(2016年5th『THE LAST HERO』収録)のようなアプローチに、スラッシュ特有のドライさを加味させた感じです。
02:11からムードを変えて、ギター・ソロとマイルスの高音が呼応し合う展開もエキサイティングです。
3. C’est La Vie
出だしのトリッキーなスラッシュのギターがクール。
ブレントのドラムが入るタイミングもいいですね。
マイルスは中音域の歌唱が中心で高音が登場せず。
歌メロが終わり、トリッキーなギターが再びという展開をみせますが、これがツボにハマります。
02:46からはマイルスのヴォーカルにもエフェクトがかかり、そしてエモーショナルがスラッシュのギター・ソロに突入するというスリリングな構成。
引き込まれます。
5. Actions Speak Louder Than Words
スタートからのスラッシュのギター・フレーズが印象的。
メロディアスで軽快なテンポが心地良くマイルスの歌が気持ち良く入ってきます。
01:10からのサビの歌メロのアレンジが特に面白いです。
中音域の歌唱に+高音ヴォーカルが被さります。
幅広い音域での歌唱力がある彼だからこそできるアプローチですね。
02:29からのギター・ソロもエネルギッシュでエキサイティング。
魂が込められています。
ブレントがスネアでカウントをとって終わるエンディングもライヴ感が出ていてナイスです。
6. Spirit Love
ダークでメランコリックなナンバー。
マイルスの歌唱は中音域中心。
負の感情を抱えたような歌い方がミステリアスな曲調にマッチしています。
02:29からのスラッシュのギター・ソロが秀逸。
曲が進むにつれて激しさを増していく構成がスリリングです。
7. Fill My World
最高の曲です。
GUNS N’ ROSESの「Sweet Child O’ Mine」(1987年1st『APPETITE FOR DESTRUCTION』収録)を想起させるソフトなメロディアス・ナンバー。
始まりは何となくVAN HALENの「Top Of The World」(1991年9th『FOR UNLAWFUL CARNAL KNOWLEDGE』収録)を思わせます。
マイルスの優しさあふれる歌唱が素敵。
スラッシュもマイルスの歌の後ろでポジティヴな雰囲気のフレーズを奏でていて、ソロでも和やかなメロディを聴かせてくれます。
温かい気持ちになれる曲です。
9. Call Off The Dogs
エネルギッシュでノリの良いナンバー。
GUNS N’ ROSESでいえば、『USE YOUR ILLUSION I』(1991年)収録の「Perfect Crime」に似ています。
サビではスラッシュのドライかつラウドなギターとマイルスの伸びのあるメロディアスな歌唱が見事なマジックを起こしています。
02:09からのトッド・カーンズ<B>の弾力性のあるベースもクールです。
10. Fall Back To The Earth
6分ちょっとのブルージーなナンバー。
マイルスのソフトな歌唱を中心に進んでいきますが、01:30からのマイルスの高音の歌唱とスラッシュのエモーショナルなギター・フレーズが交わるところが特に絶品。
まさに2人によるマジックです。
さらに03:48からのギター・ソロにも注目。
メロディアスな旋律がどんどん染みこんできます。
そしてマイルスの高音ヴォーカルが04:15から入り、スラッシュが再び情のこもったフレーズを放という熱い展開。
エンディングに向けての構成も圧巻です。
総評
SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORSの『4』を紹介しました。
以下が特徴として挙げられます。
- スラッシュ<G>のギター・サウンドは「ドライ」「エネルギッシュ」「シャープ」
- 曲の要所要所でインパクトのあるギター・ソロが聴ける
- 幅広い音域でのマイルス・ケネディ<Vo>の個性豊かな歌唱も見事
- スラッシュとマイルスのケミストリーを至る所で感じることができる
ALTER BRIDGEに通じる「Whatever Gets You By」のような曲を2曲目に配置する構成も興味深いです。
ヘヴィでありながらも「もろALTER BRIDGE」ではなく、スラッシュ独特のサウンドになっているのはさすがです。
GUNS N’ ROSESの「Sweet Child O’ Mine」を想起させる「Fill My World」のような素晴らしい曲があるのもうれしい。
ノリの良いナンバーだけでなく、こういった優しいナンバーで魅了してくれるのも『4』の大きな魅力です。
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