マーク・ボールズ<Vo:RING OF FIRE, 元YNGWIE MALMSTEEN’S RISING FORCE, 元ROYAL HUNT etc.>とオラフ・トーセン<G:LARYRINTH, VISION DIVINE>によるメロディック・メタル・プロジェクト、SHINING BLACKが2ndアルバム『POSTCARDS FROM THE END OF THE WORLD』を2022年3月18日にリリースしました。
泣きメロ炸裂ですので、本記事でおすすめします。
歌も演奏も琴線に触れるメロディが満載です。
おすすめ曲を挙げながら聴きどころを紹介していきます。
『POSTCARDS FROM THE END OF THE WORLD』の収録曲とおすすめ曲
以下の太字の7曲がおすすめです。
■SHINING BLACK/POSTCARDS FROM THE END OF THE WORLD (2022年)
- Postcards From The End Of The World
- Higher Than The World
- We Are Death Angels
- Summer Solstice Under Delphi’s Sky
- Like Leaves In November
- A Hundred Thousand Shades Of Black
- Faded Pictures Of Me
- Mirror Of Time
- Fear And Loathing
- Time Heals, They Say
メンバー
- マーク・ボールズ<Vo>
- オラフ・トーセン<G>
- ニック・マッツコーニ<B:LABYRINTH>
- マット・ペルッツィ<Ds:LABYRINTH>
- オレグ・スミルノフ<Key:LABYRINTH>
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Postcards From The End Of The World
ミドル・テンポで進行するドラマティックなオープニング・ナンバー。
DREAM THEATERの「I Walk Besides You」(2005年『OCTAVARIUM』収録)を思わせるイントロがフェードインし、ニック・マッツコーニ<B>の弾力性のあるベースが前面に出てきてスタートします。
これがなかなかワクワクでナイス。
マーク・ボールズ<Vo>の表現力は抜群で、哀愁を帯びながらもヒロイックに展開していく歌メロが見事です。
要所要所で顔をのぞかせるオレグ・スミルノフ<Key>のキーボードのフレーズもいいスパイス。
02:43からのオラフ・トーセン<G>のギター・ソロもメロディアスかつエネルギッシュなフレーズを放っていて最高です。
胸に響きます。
2. Higher Than The World
オレグの美しいピアノにマークの切ないヴォーカルが乗り、そして悲哀に満ちたオラフのギターが重なって進行していくメロディアス・ナンバー。
中音域を中心に伸びのある声で歌い上げるマークのパフォーマンスが素晴らしく、魅力的なメロディが押し寄せてきます。
サビのパートでは歌メロそのものが絶品なのに加えて、後ろで切なく鳴り響くピアノがまたいい味を出しています。
03:12からのオラフのギター・ソロも必聴。
まさに泣きまくりで、マークのエモーショナルなヴォーカルの絡み方も絶妙です。
こういった悲哀系のナンバーを2曲目に持ってくるのは意外で斬新です。
4. Summer Solstice Under Delphi’s Sky
出だしのオラフの泣きのギターにグッときます。
そして厚みのある演奏に入っていき、曲が展開。
叙情的な演奏にマークのヴォーカルが乗り、00:56から徐々にエモーショナルになっていくのですが、この流れが秀逸。
そして直後に泣きのギター。
素晴らしい。
マークのヴォーカルは最初は1本、サビではハーモニーが重なるといったスタイルで、徐々に厚みが増してくる構成が最高です。
02:38からのオラフのギター・ソロはエネルギッシュで、哀愁ある歌メロとはやや対をなすアプローチ。
これもパンチが効いています。
5. Like Leaves In November
「Summer Solstice Under Delphi’s Sky」同様、最初からオラフのギターが泣いています。
00:37から躍動感のあるバンド演奏が加わり、切ないピアノ、そしてマークの情のこもったヴォーカルが入るという流れ。
ニックの骨太のベース・サウンドが心地良く、悲哀ある旋律でありながらもガッツある演奏が心地良いです。
01:47からの曲名を歌い上げるマークのエモーショナルな歌唱とオラフの哀愁ギター・フレーズの畳みかけは圧巻。
03:31からは演奏パートがよりスリリングになります。
特にオレグのキーボードが素晴らしく、その後にオラフのメロディックなギターが被さり、そして絶品のサビに戻るという最高の展開。
歌と演奏共に、泣きメロの宝庫です。
6. A Hundred Thousand Shades Of Black
疾走感あふれるメロディック・パワー・メタル。
マークのボーカルが入る00:35までの以下の流れがまず最高です。
マット・ペルッツィ<Ds>のパワフルなドラム
→オラフのメロディックなギター・フレーズ
→ニックの弾けるベース+躍動感のあるオレグのキーボード
→マークのボーカル
ダイナミックな演奏をバックに繰り広げるマークのヴォーカルも堂々としていて、清涼感を感じさせる歌メロが心地良い。
ノスタルジックな雰囲気のコーラスもいいですね。
02:39からはオラフのギターとオレグのキーボードによるインスト・バトルで、超スリリング。
歌と演奏共に圧巻です。
7. Faded Pictures Of Me
切ないピアノとマークのヴォーカルでスタート。
バラード調に始まり、本編に入るとドラマティックに展開していきます。
最初はマークの中音域のヴォーカル、躍動感のあるキーボード、弾力性のあるベース、オラフの泣きのギターが絶妙に呼応し合います。
そして、02:29からのサビでは疾走ベース。
メタリックに疾走といった感じではなく、適度に加速するというスタイルがまたハマってます。
ギター・ソロも必聴。
03:02からのフレーズはメロディックで染みてきますし、04:08からのプレイも情熱的です。
緩急をつけた構成が見事なナンバーです。
10. Time Heals, They Say
神秘的でドラマティックなイントロでスタートするラスト・ナンバー。
オラフのメロディアスなフレーズとマークの伸びのある表現力豊かなヴォーカルが見事にマッチしています。
希望が感じられるような歌メロがまたナイス。
アルバムの最後にこういったメロディが聴けるのはうれしいです。
03:18からのオレグのピアノもいいアクセント。
美しい。
マークの訴えかけてくるような歌も被さり、オラフのエネルギッシュなソロに流れていきます。
見事です。
総評
SHINING BLACKの2nd『POSTCARDS FROM THE END OF THE WORLD』を紹介しました。
2020年デビュー作『SHINING BLACK』も充実作でしたが、歌と演奏共にメロディの充実度が格段に向上しています。
泣きの要素が多いのがうれしいポイントですね。
マーク・ボールズ<Vo>は幅広い音域をナチュラルに歌い上げ、そこにオラフ・トーセン<G>が泣きのフレーズを絡める。
このマークのヴォーカルとオラフのギターが素晴らしいマジックを起こしています。
ニック・マッツコーニ<B>の骨太なベースやオレグ・スミルノフ<Key>のドラマティックなキーボードも聴きごたえ抜群。
厚みのある音像に極上メロディが見事に浸透した最高級のメロディック・メタルです。
哀愁を前面に出すメロディが展開されながらも、ラストの「Time Heals, They Say」では希望を感じさせる。
こういったアプローチもさすがです。
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