SEVENDUST『TRUTH KILLER』

SEVENDUSTの14作目『TRUTH KILLER』のレビューです。

2023年7月28日にリリースされました。

1曲目「I Might Let The Devil Win」で「え?」となりつつもワクワク。
2曲目「Truth Killer」以降はヘヴィでリズミカルな演奏の中でキャッチーなメロディが舞います。

佳曲多数の傑作です。

そしてエネルギッシュなラスト・ナンバー「Fence」がすばらしい。

聴き終えた後は「こんなにかっこいい曲を最後に用意してたのか!」となります。

【メンバー】
ラジョン・ウィザースプーン<Vo>
クリント・ロウリー<G>
ジョン・コノリー<G>
ヴィンス・ホーンスビー<B>
モーガン・ローズ<Ds>

以下の9曲がおすすめです。

1. I Might Let The Devil Win

  • 00:00~ 不穏(ヘヴィな展開が待ち受けてそうだが、そうはならず…)
  • 00:04~ ポップでプツプツ

  • 02:07~ ドラマティックさが加味
  • 02:24~ ラジョンのVoがエネルギッシュに

  • 02:51~ ささやき → 熱いラジョンの歌
  • 03:30~ エフェクト処理された声
  • 03:48~ モーガンのドラムがいい感じに刺激的
  • 04:04~ 再び静かに

「違うアーティストの曲が配信されてしまってるのではないか」と思っちゃいます。

予想外の幕開けにびっくり。

「途中でヘヴィ・ロックにシフトするのだろう」と予想しがちですが、そうはならず、プツプツとした曲調を軸にして進みます。

02:51はいいアクセントですね。
以降、熱量を上げて再び静める構成も美しい。

見事な変化球オープニングです。

2. Truth Killer

  • 00:00~ 刺激的なサウンド+ラジョンのメロディアスなVo
  • 00:19~ ヘヴィな演奏に安堵&ガッツポーズ

  • 00:37~ ささやき+ダダン!
  • 00:42~ サビ。キャッチーでメロディアスな展開にうっとり

  • 01:05~ ゴワゴワした非日常的ギター

  • 02:03~ ラジョンの声が伸びて、神秘的かつダークに
  • 02:09~ ささやき → ミステリアスな空気に包まれる
  • 02:22~ ラジョンの「Yeah!」+モーガンのバスドラ連打
  • 02:32~ 連打を軸としたエキサイティングな演奏パート

  • 02:58~ ラジョンのエフェクトVo+モーガンのスネア連打

「I Might Let The Devil Win」で意表をついて、この「Truth Killer」で本領発揮です。

骨太でヘヴィな演奏を主軸とした緩急ある展開。

02:22以降もかっこいいですね。
モーガンのドラムの連打がさえます。

3. Won’t Stop The Bleeding

  • 00:00~ 行ったり来たりのSE
  • 00:08~ リズミカルかつヘヴィな演奏+ラジョンのエネルギッシュなVo
  • 00:41~ ラジョン、メロディックに
  • 00:56~ ゾクゾクする演奏 → サビ(絶品の流れ!)。グルーヴィな演奏にメロディアスなVoが乗る

  • 02:00~ 2回目はゾクゾク演奏をスキップしてサビ

  • 02:33~ 音量低めのラジョンのVo → モーガンのエキサイティングなドラム連打
  • 02:45~ ラジョンのクールな「Till their time is over」と共に演奏パート。エモーショナルなギターが前面に出ていてスリリング

  • 03:17~ ラジョンの「It won’t stop the bleeding」と共にサビへ

グルーヴ感あふれるサビが心地良いナンバーです。

サビは3回繰り返されますが、それぞれ入り方が違う所に攻めのうまさを感じます。

特に00:56~は最高ですね。
これを1回目に持ってくるところがまがニクい。

4. Everything

  • 00:00~ 不気味なSE(危険区域に来てしまったかのよう)
  • 00:05~ 爆風で吹き飛ばされるかのような衝撃音と共にヘヴィな演奏+警告的なギター

  • 00:33~ ラジョン、ソフトかつリズミカルなVo
  • 00:44~ 少し歌に力を込める
  • 01:03~ 音量控えめで熱唱

  • 01:08~ サビ。単語を切りながらリズミカルかつメロディアスに進行。バックでは警告的なギター

  • 02:34~ ラジョンが魅力的なメロディを伸びやかに歌う。1回のみの素敵なパート

  • 03:03~ 声にエフェクトがかかり、刺激的なドラムがドンドン

ピリピリした演奏とラジョンのメロディアスなヴォーカルが絶妙にマッチしたナンバーです。

サビでは、言葉を切り刻みながらメロディックに進行。
SEVENDUSTならではの独特な唱法です。

02:34~もすばらしい。
サビに重ねる形で始まるところがまたうまいです。

7. Holy Water

  • 00:00~ 切迫感のあるSEがフェードイン
  • 00:11~ 「Everything」の00:05に似た衝撃と共に重厚でメロディックな演奏

  • 00:35~ キラキラする中、ラジョンがソフトに歌う
  • 00:58~ ゴリゴリした演奏。ラジョンは言葉を切りながらのVo
  • 01:09~ サビ。「Holy」「water」と言葉をさらに切り離しながらのキャッチーなメロディ展開

  • 02:32~ 音域が上がって歌声が伸びる。1回のみの魅力的なパート

言葉の間隔をあけながら歌うラジョンのパフォーマンスが光ります。
特にサビでは、言葉短め&より広い間隔なので、インパクト大ですね。

02:32~は「Everything」の02:34~のような攻め。
サビに重ねて上質の歌メロを畳みかけてきます。

9. Superficial Drug

  • 00:00~ 悲壮感が漂う

  • 00:20~ ラジョン、渋めでメロディアスなVo。ヴィンスのベースが心地良い
  • 00:40~ ハードなギターが加わり、歌が情熱的に
  • 01:01~ フワフワしてドラムがドンドン
  • 01:10~ スネアの連打と共にサビ。リズミカルでヘヴィな演奏の中「su~perfi~cial dr~ug」と伸ばす歌メロが素敵

  • 02:21~ 01:01のフワフワ・パートにゴリゴリとしたギターが加わる

  • 03:12~ 胸アツなギターが刻まれる。ヤバい

ラジョンの切ない歌メロが胸に染みます。

サビでは哀愁が炸裂。
演奏でハードさを維持しながら美しいメロディを際立たせるアプローチが秀逸です。

03:12~も絶品。
ギターが刻まれるたびにドキドキ感が増していきます。

10. Messenger

  • 00:00~ なんともいえないボンボン
  • 00:17~ 低音域のラジョンの歌声が染みる。00:28~はメロディックなギター
  • 00:45~ ギターが高音域にって、エコーがかかる

  • 00:51~ サビ。声を伸ばしながら高音域で美しく展開

  • 03:42~ ギターが音を伸ばし、浮遊感のある音像に
  • 03:52~ 夜の港を連想

歌とギターのメロディが魅力的ですね。
どちらも伸ばしながら、じっくり聴かせます。

ラジョンのゆったりした歌声とバックの波うつ感じの演奏が心地良いナンバー。

本編の予測がつかない00:00~の音像も面白いです。

11. Love And Hate

  • 00:00~ ラジオを介したようなヘヴィ・ロック
  • 00:13~ ガツンとシャープに…この強靭なパートが心臓部となり曲中繰り返される

  • 00:26~ ラジョン、ややソフトに歌い始める。バックではメロディックなギターが鳴り続ける
  • 00:55~ 00:13のパート+ラジョンの音量控えめなVo
  • 01:09~ サビ。骨太な演奏にメロディアスな歌

  • 01:53~ 00:55~をアレンジ。ラジョンのVoが1回目より前面に出て、緩急がつけられる

  • 02:34~ ギターがジリジリ、Voはフワフワ
  • 02:38~ ヘヴィなギターとドラムが迫る → 00:13のパート → ラジオ経由の美しいピアノ演奏+フワフワVo → サビへ

  • 03:59~ 美しいピアノ

多くの展開をみせる濃密なナンバーです。

ヘヴィになったり、静かになったりで忙しく進行する中、刺激的なパートが盛りだくさん。
Voも演奏も聴きごたえがあります。

03:59~のピアノが長く続くのがまたいい。
余韻に浸れますし、「次の”Fence”で弾ける前の休憩タイム」にもなります。

12. Fence

  • 00:10~ ヘヴィなギター。通信機経由のような音
  • 00:20~ テンポよく進行

  • 00:41~ ラジョン、リズミカルで突き上げる感じのVo
  • 00:51~ クールなコーラスが重なる
  • 01:04~ サビ。ダイナミックでキャッチー。スネアが叩かれるたびに気持ちが引き締まる
  • 01:26~ 「How lo~~ng?」+ヒステリックなギターがかっこいい

  • 02:25~ 要警戒の雰囲気。ヘヴィな音像の中でゆがみのあるギターが響く。混沌とした感じもあって◎

アルバムのオープニングに持ってきてもおかしくないようなナンバーです。

フェイントをかけた幕開けの『TRUTH KILLER』ですが、直球で攻めるならばこの「Fence」が1曲目にぴったり。

曲調は違うものの、2003年4th『SEASONS』のラストに「Face To Face」を配置したアプローチを思わせます。

スパッと切り上げるエンディングもいいですね。

お見事!

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