SOCRPIONSが通算19作目『ROCK BELIEVER』を2022年2月25日にリリースしました。
ミッキー・ディー<Ds>加入後初のオリジナル・アルバム。
さすがの内容ですので、おすすめ曲を挙げながら、聴きどころを紹介していきます。
- 『ROCK BELIEVER』の収録曲とおすすめ曲
- メンバー
- おすすめ曲のレビュー
- 1. Gas In The Tank
- 2. Roots In My Boots
- 3. Knock ‘em Dead
- 4. Rock Believer
- 5. Shining Of Your Soul
- 6. Seventh Sun
- 7. Hot And Cold
- 8. When I Lay My Bones To Rest
- 9. Peacemaker
- 10. Call Of The Wild
- 11. When You Know (Where You Come From)
- 12. Shoot For Your Heart
- 14. Unleash The Beast
- 16. When You Know (Where You Come From) (Acoustic Version)
- 総評
『ROCK BELIEVER』の収録曲とおすすめ曲
「When You Know (Where You Come From)」までが本編。
以降はボーナス・トラックです。
以下の太字部分がおすすめです。
■SCORPIONS/ROCK BELIEVER (2022年)
- Gas In The Tank
- Roots In My Boots
- Knock ‘em Dead
- Rock Believer
- Shining Of Your Soul
- Seventh Sun
- Hot And Cold
- When I Lay My Bones To Rest
- Peacemaker
- Call Of The Wild
- When You Know (Where You Come From)
- Shoot For Your Heart
- When Tomorrow Comes
- Unleash The Beast
- Crossing Borders
- When You Know (Where You Come From) (Acoustic Version)
メンバー
- クラウス・マイネ<Vo>
- ルドルフ・シェンカー<G>
- マティアス・ヤプス<G>
- パウエル・マチヴォダ<B>
- ミッキー・ディー<Ds>
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Gas In The Tank
ラウドなギターを軸に進行するドライヴ感あふれるナンバー。
ガッツある音像の中でクラウス・マイネ<Vo>のポップ感覚にあふれた和やかな歌メロが心地良く響き渡ります。
1990年11作目『CRAZY WORLD』収録の「Tease Me Please Me」に勢いが増した感じです。
いい感じに体がヒートアップするオープニングです。
2. Roots In My Boots
ハイ・テンションなクラウスのシャウトと共にスタートするノリノリ・ナンバー。
「Gas In The Tank」で火がついて、この「Roots In My Boots」でさらに加速です。
アップ・テンポな曲調とクラウスのメロディアスなヴォーカルが見事にマッチ。
02:09からのマティアス・ヤプス<G>のギター・ソロもエネルギッシュでいいですね。
アグレッシヴさを前面に出したナンバーを2曲続けて配置する作風に拍手です。
3. Knock ‘em Dead
『CRAZY WORLD』収録の名曲「Don’t Believer Her」を思わせます。
「Don’t Believer Her」が好きな人(ほとんどのファンが好きなハズ)はニヤリ間違いなしです。
「Don’t Believer Her」は哀愁度が高い曲調でしたが、この「Knock ‘em Dead」はシャープさを加味させた感じ。
曲のタイトルを繰り返すサビのハーモニーとその後ろで響く「Don’t Believer Her」なリフがなかなか心地良いです。
4. Rock Believer
1988年10作目『SAVAGE AMUSEMENT』収録の「Passion Rules The Game」をちょっと遅めにしたようなギター・リフ(00:06~)が印象的。
クラウス・マイネの優しさに包まれたような歌唱が素敵です。
魅力的な歌メロが展開され、サビでは心が洗われるような最高の気分を味わえます。
ヴォーカルはソフトな感じですが、ギターは厚みのあるハードなサウンドを軸としています。
02:25からのマティヤスのギター・ソロも響いてきますし、曲のエンディング付近で印象的なフレーズを放つ03:36からのアプローチもナイスです。
5. Shining Of Your Soul
ノスタルジックな雰囲気が漂うメロディアスなギター(00:06~00:21)が印象的なスロー・ナンバー。
このフレーズを基調として曲が展開していくのですが、なかなか中毒性のある旋律です。
ミステリアスさが加味される以下の中盤の展開が特に面白い。
- 02:01~ 厳かなコーラスが加わる
- 02:30~ エモーショナルなギター・ソロ
同じくスローでヘヴィさを増す次の「Seventh Sun」に自然とつながっていきます。
6. Seventh Sun
スペーシーでミステリアスなドラマティック・サウンドにハードなリフが重なるスロー・ナンバー。
1993年12作目『FACE THE HEAT』の「No Pain, No Gain」に雰囲気が似ています。
クラウスの歌メロはダークでありながらもキラリと輝くようなメロディ。
01:08から01:53までの徐々にスリリングさが増す構成が絶品です。
03:33からのマティヤスのギター・ソロも見事。
エモーショナルなフレーズがジワリと染みこんできます。
傑作『FACE THE HEAT』のアプローチを2022年に体感できるのはうれしいです。
7. Hot And Cold
やや低めのトーンで歌うクラウスの唱法が素敵。
00:40からハーモニーを入れてくるアレンジもいいですね。
鋭角的なサウンドを軸としながらも要所要所でメロディアスなフレーズを放つギターも見事。
02:44からのギター・ソロもパンチがあります。
ギターはシャープでメロディアス。
そして低音~中音域の歌もかっこよくキメてくれるクラウスなのであります。
8. When I Lay My Bones To Rest
「Gas In The Tank」「Roots In My Boots」系統の曲。
「Gas In The Tank」と「Roots In My Boots」はクラウスのヴォーカル1本が中心でしたが、この「When I Lay My Bones To Rest」はハーモニーがたくさん。
ダイナミズムに満ちた歌メロが心地良いです。
みんなで楽しく盛り上がれるノリノリのSCORPIONS…かと思ったら、02:55からの展開が面白いです。
9. Peacemaker
ハードでエッジの効いたギター・サウンドを軸に展開するノリの良いナンバー。
サビで曲のタイトルを繰り返すキャッチーなメロディが最高。
やみつきになる歌メロです。
メロディックかつエネルギッシュなフレーズを奏でながら歌メロと絡めてくるギターも存在感抜群です。
10. Call Of The Wild
スローなスタートを切るナンバー。
ハードなサウンドを基調としながらもメランコリックな雰囲気を漂わせる音像に引き込まれます。
クラウスのヴォーカルもミステリアスに進行。
曲中何度か繰り返される01:24の歌メロなんかはクセになります。
03:16からのマティアスのギター・ソロもジワリジワリと染みこんできて、中毒性が高いです。
04:16からはテンポが上がり、曲の出だしからは想像しがたい展開に。
ここもなかなか興味深いです。
11. When You Know (Where You Come From)
本編最後はバラードです。
切ないギターのイントロ+美しいクラウスのヴォーカルで始まりますが、ここでノックアウト。
これまで数多くの名バラードを生み出してきたSCORPIONSですが、この「When You Know (Where You Come From)」も名バラード入り確定です。
前半はギターとクラウスのヴォーカルで進行。
01:40からドラムが入りバンド演奏になります。
以降は…
- 02:05からのサビではより一層感動的に
- 02:38~ ルドルフ・シェンカー<G>のギター・ソロ。鳥肌確実
- 03:46~ ドラマティックさが増してエンディングに
…といった感じで、徐々に劇的さを増していく楽曲展開。
アルバムのラストにふさわしい感動的なナンバーです。
12. Shoot For Your Heart
シャープなギター・リフを軸に突き進むナンバー。
勢いある曲調とハーモニーが心地良いです。
歌メロの展開はなんとなく『CRAZY WORLD』の「Kicks After Six」を思わせます。
そのまま「Kicks After Six」のサビにいきそうな感じですが、サビそのもの(01:02~)は中音域の魅力的な歌メロが展開するというクールな流れ。
ニヤリとさせられるガッツポーズ系の曲です。
14. Unleash The Beast
語りのようなクラウスの唱法で進み、サビではキャッチーなメロディが展開されるナンバー。
この「Unleash The Beast」はサビがツボ。
浮遊感があって独特のハーモニーがあります。
これが曲中繰り返されるというハマり度の高い構成。
サビのメロディに魔力があります。
16. When You Know (Where You Come From) (Acoustic Version)
アルバム本編ラストの感動的なバラード「When You Know (Where You Come From)」のアコースティック・ヴァージョン。
こちらもなかなか染みます。
02:05からの演奏はこのヴァージョンでしか聴けないので貴重ですね。
劇的要素はありませんが、切なさが前面に出ていてこちらもジーンときます。
バンド演奏ヴァージョンとは違った感動が味わえるので、このアコースティック・ヴァージョンも必聴です。
総評
SCORPIONSの『ROCK BELIEVER』を紹介しました。
さすが、ベテラン。
最高級のハード・ロック・アルバムです。
過去の作品でいえば1991年11作目『CRAZY WORLD』や1993年12作目『FACE THE HEAT』に近いですね。
「Knock ‘em Dead」は「Don’t Believe Her」を思わせますし、ヘヴィな「Seventh Sun」は「No Pain, No Gain」に通じます。
過去の名曲を思わせる要素を含みながらも、独特の魅力的なメロディを展開させるアプローチはさすが。
バラード「When You Know (Where You Come From)」が感動的なのもうれしいです。
2010年に17作目『STING IN THE TAIL』を引退作品としてリリースし、その後引退を撤回。
2015年にリリースされた18作目『RETURN TO FOREVER』も傑作でした。
そしてこの『ROCK BELIEVER』もエネルギッシュで見事な作品に仕上がっています。
「SCORPIONSはまだまだ健在」
『ROCK BELIEVER』は、そんなポジティヴな気持ちにさせてくれる力作です。
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